感想 CODA あいのうた 出町座と商店街 ― 2022/08/02 23:32
出町座で「CODA あいのうた」を観てきた。
ネタバレします。

映像の空気がなんとなく北欧だが、なまりのある英語だしカナダと知ってなるほど。学校でのいびりも薄い。
父母兄は聾で、唯一健聴者の妹という、ヤングケアラーに通じる家族の話だが、ものわかりよくて、思うに任せないところがいろいろぶつかるにしても、結果的にはなかなかハッピーな展開。いや、とことん自分の都合を通すもんはおらんので。
ちょっとリアルにひねったら収拾つかんからこれは仕方ないか。
セックスについてところどころあけすけだけどエロはほとんどなく、いまどきなら、高校の映画鑑賞会に使えると思う。人間関係は粗野なところも多いけど健全。
歌いながら手話するとかちゃんと見せ場もつくっていて、まじめなつくりです。嫌いではない。
そういえば類似のパターンの家族でずっとおぞましい「山の焚火」というスイス映画があったな、いまはない六本木シネヴィヴァンで観た。
「山の焚火」は、 尼のDVDレビューみても、自然がいいの豊かなドキュメンタリーだの平和なことが書いてありますが、何言ってるのか、ヤングケアラーの近親相姦の話だろうが。
そのなかで、死んで冷え切った両親が、棺のなかで、ぶつぶつわけのわからないことを語り始めるシーンがある。リンチの「イレイザーヘッド」でオーブンされた鳥が足をきゅうきゅう動かすシーンがあるのが連想されてしまう。なんか宗教的なもんかね、私にそのネタ元はさっぱりわからない。
1階に本屋と軽食バーカウンタがありうえにスクリーンのある出町座は、知人に言わせると「意識高そうで入れない」らしい。
わざとらしい昭和レトロで、客も平日昼でこぎれいなおばさん~ばあさんばかり(こっちもじいさんなのは棚に上げる)であった。
本屋としては一乗寺のケイブンシャの感じにやりたいのかもしれない。
アニメたまこまのモデルになった出町(桝形)商店街も、そのそばに住んでた25年前とはずいぶんかわった。
寺町の「里空木」はもうやってないのか2階のガラスが割れていた。炭売ってた店もなくなったようだし、王将も消えた。ほんまのむかしのものはなくなり、むかしっぽいものが並ぶようになって、まあテーマパークになりつつあるのかな。
感想 映画 犬王 私は最悪。 ほか1年分 ― 2022/07/29 00:32
ちょっとネタバレしますよ。
TOHO二条でアニメ「犬王」
We will rock you のリズムはいいけど、あまり好きではない。
(どうでもいいけどあのリズムで前にいいいと思ったのはロックユー(原題:A Knight's Tale) という映画だった。あれはカッコよかった)
犬王の百鬼丸設定はともかくとしても、なんぼアニメといっても見世物のその演出はあの時代にありえんし(レンズもない焚火でそのライティングは無理)、権力との関係をそういう形でしか描けないのはもう飽きた。
はしごして、Uplink京都で映画「私は最悪。」
演出はよい。
主演女優が若くてつやつやしてるとこからちょっとくたびれた感じになるまで、途中あれっというところはあったけどよくやってる。いや、みんなが止まってるとことかそういう一瞬がだれにでもあるでしょう(そうか?w)
もっとええかげんな女がもっとえらい目にあうのかと思ったらそうでもなかった。
笑って抱き合うんじゃなきゃ別れるしかないという極端な人間関係、進路どんどん変更するところからして言い訳が多くていざというときに堪え性の低い人物設定。漏れ聞こえてくる夫婦喧嘩の意味があとになってわかる。
なにかを選んで手に入れるためにはなにかを捨てなければならないのだけど気が付いたらなんでも捨ててきただけだった本当の選択は手をすり抜けていったしくそったれという感じで、身につまされる。
そういう意味では青春映画か、拒否しても終わりは来る、という。
Uplink京都では、まえに映画「エルプラネタ」も観た。
しょっぱなからパパ活交渉で始まる。SNSできれいにみせながらどうしようもなくなっていく話。気高く滅びる、のとは対極だけど、ラストのシークエンスみると、わしらみんなもういまどきこんなもんやんけという感じにもっていってるのかな。
そういえば、「トップガン‐マーヴェリック」もみたな。
もとの「トップガン」は、尼プラのをホームシアターで予習。わかりやすくてかっこええ。
そいで36年ぶりの続編のこれ。
まったく違和感のない続編。成立するのはシルエットの変わらんトム‐クルーズやからやね。実物の迫力もあるし、おととい見たヴァル・キルマーがほんまに老けて出てくるのも切ないな。日本国旗もみた。時代の違いはかるくかわしつつ、一方的な設定に目をつぶれば、いい気分だけ残してすっと抜けていく映画。
書いてなかったのでこれも。
「Dune 砂の惑星」 35年ほど前のリンチ版はよう覚えてないけど今どきのCG力でしごくまっとうに「前編」やってる。まっとうすぎて長いくせに突出したクライマックスがないので満腹感なくて、後半がなかったら承知せんぞというか、ジャバザハットみたいな生き物も変な宇宙航行も主人公の砂虫乗りもない、ちゃらちゃらしたナイフ使いもいない。
戦闘シーンのしつこさは、人件費の安い時代に死ぬほど人使った無声映画時代のラングの「ジークフリート、クリムヒルデの復讐」に、やっと追いついたかという感じ。
ほか、以下は、ホームシアターで、まえの書き込みから1年でみたもの。
自前でみられるのにこんなもんか。一年100本とか200本とか映画館で見ていた大学生の頃はほんまに狂っていたのだね。そしてDVDの山は増える一方。積みDVDがなくなったらサブスクにするんだ、ってフラグにしかならない。
「ラブ‐アクチュアリー」 世の中のすべてが、男女(ほとんど男発)の発情で説明できるような気になる。
「愛してる、愛してない…」 アメリの女優。ラブロマと思ったらちょっとひねったストーカー話。まあホラーですから、コワいなあ、としかいいようがない。
「Once ダブリンの街角」 音楽映画としてはなかなかいい。新しいチェコ移民にしては英語がうますぎる(歌詞なんか作る)がそんなもんなのかな。
「フライト」 機体整備不良で墜落しそうな飛行機ですごい飛行をした機長がアル中なので収監されるという、いまいちよくわからない、教育映画なのか、中途半端。印象がバラバラ。
「バットマン ダークナイト」 筋は執拗、ちゃんとできていて面白かった。
「拝啓天皇陛下様」 軍隊の再現性はどんなもんやろうと思ったが、それより、長門裕之が桑田佳祐にしかみえない。映像の世紀 の悲惨さとのギャップというのか、1963年当時はまだそれが当たり前だったというのか。面白かったよ。
「プレステ―ジ」 クリストファー‐ノーラン演出は上手いけどくどいし、この映画は途中でタネがわかってしまった、原作らしいものも読んでたので。歳食ったボウイがよかった。
「リトルミスサンシャイン」 図式的な人物像とわざとらしい設定やけど楽しめた。はっきり書く人あまりいないがつまり美少女コンテストでアピール時にほかの少女たちはジョンベネぽいのにひとりだけイモっぽい少女がストリップの真似(脱いじゃいないけど)やらかしたんでしょ、破壊力は、ありますわな。
「ロックユー」 犬王の部分にちょっと書いたが、とてもよいおとぎ話、クイーンまで流れる。
「パーフェクト‐ストレンジャー」 面白くはあるが裏をかくことに集中しすぎやないか。
「インファナル‐アフェア」 20年前の香港。面白いがオチがいまいち釈然としないなあ。
「パプリカ」 私には現状ではダメみたい。なんかよくみるパターンのようであちこちまたかと思った。
「バットマン ダークナイトライジング」クリストファー‐ノーランらしい粘着な演出。アン‐ハサウェイは峰不二子の役どころか。ご都合的なとこも含めてええ出来と思った。
「マイインターン」 女性脚本家によるおっさんの妄想やけど見苦しくない程度なのはよかった。
「ナイブズアウト 名探偵と刃の館の相続人」 ウソつくとゲロはく女子の設定がいいというか、そこからでっち上げた話というか。クライマックスがゲロというのは考えたらひどい。
「摩天楼」 リバタリアン必見らしい。若手建築家として登場する設定のゲイリー‐クーパーは、はじめからおっさん。原作書いた女性作家が脚本も書いたらしいから、ヒロインのほうに感情移入してみるほうが正しいんやろな、ハーレクインな感じ。
「太陽を盗んだ男」 今更みました。ようやってるし面白いのは確かだがお話としてあまりにやりっぱなし。木場のシーンとか女を海に落とすとかは、「青春残酷物語」の引用か。
「赤ちゃん泥棒」 面白いけどねえ、オー‐ブラザー、に、ファーゴ、の監督か、なるほど。子供を育て、立派に育った子らが家族連れて集まって老夫婦となった自分らを祝福してくれるというのは、一般アメリカ人の共有できる古き良き夢なんやろうなあ、たとえ主人公たちがおバカでも。。
「インターステラー」 面白くはあるが、クリストファー‐ノーランについてはもう、粘着質という感想しか浮かばなくなってきた。そこそこご都合でもあるし。間違えて2枚もDVDを持ちながら尼プラで観たぞえ。
「セブン」 妊娠したヨメをどう使うのかと思ったらかなり胸糞悪い。これも、DVD持ってるのに尼プラ。7つの大罪をネタにするのに「怒り」「嫉妬」が残ったところで出たとこ勝負になって、基地外のやることだから、では面白くない。
「ロングウェイノース」 ふつうに、単純でいいアニメやった。 しかしこれもヒロインじゃなきゃ話にならんかったわけやな。ジェンダーについてちょっと考えるわたくし。
「散歩する惑星」 浸る気にならないのは、俺が作者を信頼してないからだろうなあ。町を出ていく車の渋滞は、ウクライナの報道で思い出した。いろいろと印象深くはあるんですが。
「さよなら人類」 「散歩する惑星」の流れ、やはり浸れなくてあかんかった、ファンタズム全開のこの路線はフェリーニがあるからなあ、まあ相性か
「ロリマドンナ戦争」 べつにいやらしいものではなくニューシネマ。面白い。わりとふつうのアメリカど田舎白人たち2家族がいきがかりで殺しあうひどい話。へんに処女性を重んじるのは時代か?
「暗黒街の顔役」 過剰に見世物映画的。音楽が伊福部昭やったのは知らんかった、宝田明が歌うしまあ東宝。いろいろおかしいけど気にしない。
「スペースバンパイア」 男はとにかく若いきれいな女に弱いという話らしい。いいスタッフがそろいすぎたか話がへんに凝りすぎで面倒。
「ブロードキャストニュース」 これブロードコーストという発音で習ったんだが。はっきりしたオチもないけど、愛と追憶の日々、の監督か、だったらわかる。ウィリアム‐ハートの、要領と人当たりのいい自分がアホなんを自覚してるハンサム、という役どころは、ステレオタイプ設定配役ということなんかな、こいつが一番強いのはリアルなんでしょうな、当時それが白人なのはあたりまえでもあり。
「42番街」 舞台のシーンの一部がすごくて、それ以外とのギャップがひどい。話がありきたりなのは古いから仕方ない。
「マラヴィータ」 当局に保護されるもとマフィアの逃亡家族、デニーロの説得力w 全員倫理観ゼロなのはストレートに面白い。題名になってる犬をもっと使うかと思ったが。
「暗黒街の対決」 岡本喜八。「暗黒街の顔役」より面白かったが、なんだかな脚本を演出でひっくり返してる感じ。
「暗黒街の弾痕」 岡本喜八の、暗黒街3つめ、いちばんでたらめで、割と面白い。二瓶正典の名で二瓶正也がいた。桜井浩子もいるかと思ったら浜美枝であった。
「アイズワイドシャット」 退屈させんのはさすがのキューブリック。かなりもったいぶった映画。フェミニズムとかが貧乏人のたわごとに見える。
「マジックインムーンライト」 これいまさらやるかねウッディ‐アレン。伏線の使い方はいいにしても、マイフェアレディでヒギンス教授をレクシーのかわりにジャック‐レモンにやらすようなもんやろ。
「グッドフェローズ」 まともなギャング映画でまんま上記マラヴィータにつながる(マラヴィータ内でもネタになってる)。デニーロぜんぜん主演ではないから、ジャケットはおかしい。この調子のこの分野にタランティーノが出たらそらみんなひっくり返る罠。
「友だちのうちはどこ」 キアロスタミは観たことなかったのであった。最後の花に至るまでちゃんとした映画。尼プラだけど途中で止めなかった。
「そして人生はつづく」 上記「友だちのうちはどこ」のメタ的続編。よかったが、イランの田舎を観るのが楽しいだけかもしれん。
「ライトスタッフ」 アメリカ的にとても正しい映画なんやろうが音楽がときどきチャイコフスキーっぽい。トップガンの元ネタになるのか。退屈はせんかったが長い。
感想 シンウルトラマン ― 2022/05/23 00:53
それなりにネタバレします。
あまりぴんとこなかった。
ちゃんとはできていて、これはないやろというのもSFとしてはなかったけど、実写部分になりますが、映画として印象的な場面とかシークエンスもいまいち感じなかった。
私ちょっと今不感症気味です。
変な人間関係がいきなり立ち上がるのは日本映画やなと思った。岡本喜八好きはわかりますけど独立愚連隊とかいうなよ、、、
フランクな人間関係を無礼な形で表現するのはイタくて好きじゃないなあ。過去の映画などでけっこう使われた手法のイタさを表現したかったんかもしれんが、この映画だけ見たらアサミがただの変な人です。
ゼットンがCG臭すぎる。20年前の「ガメラ3」のイリス並み、いや、わざとでしょう、さすがに。
全体に小理屈が多くて、庵野さん頑張って考えたんやろうな。不完全な群体としての人間とか、庵野節。
そう、庵野さんがやる(今回は脚本ですが)んじゃなきゃ、悲惨なもん(デビルマンとかいわんけど)ができるだろうこれでよかったんだという、その界隈に漂う庵野さんへの信頼感とか安堵感とか、これはたぶん同時代じゃないとわからんもんだろうと思う。
ゼットンの形状がヒューマノイドである理由もないのはとにかく、超上空に見えるって「トップをねらえ!」のヱルトリウムを思い出させて、ああほんまに同じことを繰り返してるんやなと。
ゼットンのあれは、「巨神兵東京に現る」の、上空を巨神兵がぼーと浮いてるとこも持ってきてると思う。
んで、こういう楽しみ方もあるのだけれど、ちょっとどうかなとここのところ思っているわけで。
「ゾフィーがゼットンをセットしたのか」とか「庵野さんがウルトラマンの動きをやったのかさすが「帰ってきたウルトラマン」」とか「カラータイマーがないのは成田亨のオリジナルイメージがそうだからで」とか、おなかいっぱいなんですよ。
実写部分のカメラワークとかシークエンスの作り方でずっと良くなったような気がするので惜しい、とは思います。間にあわせっぽいのです。
同じ場所のはまとめ撮りしたのがまるわかりで、不満はおもに人間部分。邪魔にならなければそれでよかったのかもしれない。
昔飲み屋で山本耕史に似てると言われたことがありメフィラスだけは変に感情移入しました。
どうでもいいけど外星人がしゃべるときはエコーをきかせてほしい。
山本耕史だけエコー効かせて飲み屋の会話つくってくれたら喜んだと思う。って、これがいかんのだこれが。
古典というものは引用され再生産されることで古典になる、とはいうものの、庵野さんに引用されることで特撮やらアニメがやっと「古典」として成立したという世界線は、ありうるだけにちょっと考えさせていただきたい。何を言っているのか私は。
26年ぶりの「映像の世紀」 ― 2021/08/08 23:27
見ているうちに、ああ、こんなやったかなあと、じわじわ思いだしてきました。
第一次世界大戦で、機関銃、戦車、潜水艦があらわれ、空襲という戦術が行われた。
第2次世界大戦では、アメリカが原爆、ドイツがロケットを生み出したが、日本が後世に残した攻撃方法が「組織的自爆攻撃」というのは、これまた現場主義すぎる、と思いました。
第一次世界大戦では皇帝たちがうろうろ出てきたんですよねえ。
つぎの大戦では、ナチのヒトラー、ファシストのムソリーニと、「天皇」のわけですよ。
第2次世界大戦というか太平洋戦争(大東亜戦争でもいいよ)で、日本人(日本軍とはいわない)だけは第一次世界大戦みたいな感じで戦ってたんかね。
日露戦争から後、国民の戦争観がアップデートできていなかったんじゃないかという気がする。
みた映画の覚え ゴジコングほか ― 2021/07/25 23:50
ゴジラ対キングコング見てきた。ネタバレします。
全く前知識なしで見ましたが、どっちかの勝ちにはできんやろうから第三のなんかが出てきて共同で倒すだろうと思って見たら、そうだったがそれがメカゴジラとは思わんかった。
この辺の東宝のシリーズはぜんぜん見てなくてわりとどうでもいいけど喜ぶひともおるんやろな。
小栗旬ねえ、こういう日本人俳優てハリウッドでは口数の少ない何考えてるかわからんアジア人として消費されておわりやなあ、芹沢名にする必然性なかったよなあ。 人間ドラマをずいぶんはしょったらしいが、不味い食い物をいじくりまわしてもおいしくならないという判断は正しいと思う。
どこまで行ってもゴジラは王様で神ではない作り方するのもよくわかった。日本での宣伝では「破壊神」とか書いてるけど、作品内では、神様がゴジラをつかわした、という感じやね。
ホームシアターでみた映画おぼえ。
「天国への階段」 むかしテレビでやってるのをチラ見したのとずいぶん印象が違った。医者はメトロポリスの工場長とごっちゃになってたようだ。
「ブリガドーン」 できそこないの「失はれた地平線」、勘弁してくれ。
「南の島に雪が降る」 体験談で原作を書いた加藤大介主演で、どこまでリアルなんやろ、日本の軍組織の中での敬礼とお辞儀の使い分けとか、してるようだがルールがわからん。
「世界一キライなあなたに」 首から下の動かない富豪青年との純愛と安楽死での死別の話は、これを薦めていたのがソープ嬢の垢というあたりがもうなんだか。
「ラストクリスマス」 これもエミリア‐クラーク。ベタっつーか、まさかと思ったらエンジェルビーツ的設定。
「スパニッシュアパートメント」 若気の至りまみれというか、神経回路が違ってたら人間失格に行く話やないのか。
「スパニッシュアパートメント2ロシアンドールズ」 ヴィタセクスアリスになってきた。よくわかるけどね、男だから。
「ニューヨークの巴里夫」 グザビエもの3作目。登場人物みんなろくなもんじゃないが自分がましという自信もない。この3連作って、けっきょくマルチーヌ(アメリの女優)にフラれた主人公が元鞘に収まるまでの壮大なご苦労の話になるのか、フラれた後は自業自得っぽいが。
ところでグザビエってバスクの名前の筈で日本でいうザビエルになるが俳優に民族をあわせてるんかな。
「夜叉ヶ池」 BDやっと発売で部分のみ鑑賞。玉三郎が現実の女性の方もやってるところでもうどうにもならんのやけど、最後20分の飛躍が好きです。これと市川崑「火の鳥」大島渚「戦場のメリークリスマス」は、好きな3大失敗作。
やっと出る、三角帽のないフルサイズミラーレス ― 2020/09/16 14:10
レンズ交換式フルサイズミラーレスAFカメラですが、どこから出ているものも、基本的にはペンタプリズムを思わせる三角帽がついていて、私はあまり好きではなかった。
だって、機能的に不要なので。
もともとレンジファインダー好きで、Minolta CLE からはじめて、 Leica に乗り換えた。
10年くらい前までそれでよくスナップしてた。
CLEは、こういう格好のカメラです。

Mマウントのレンズもあれこれ持っている。沼とまではいわない。

こんな感じで撮ってたんですね、Leica M6ですこれ。タイのお寺。
そのあと、デジタルになってもM-monochrome(旧型)使ったりしてましたが、ふだんAF使い慣れるに従い、目も弱くなってきて、いまさらいちいちファインダのぞき込んで二重像合致させるのは面倒で嫌になった。
さいきんは、旅行の時のスナップは、コンデジをたいがいノーファインダで撮る。余裕があればバックモニタースクリーンは遠目で見ます。それでもそこそこAFでちゃんととれるくらい、いまどきのカメラはよくできてる。
こうして、私は、ファインダをのぞき込むという姿勢から解放されたわけです。

Panasonic の DMC-LX3 だかで、頭上からノーファインダで撮ったもの。ザンジバルです。
ライカM型は、デジになっても、どこまでいってもMF。
使わないレンズ資産が勿体ないと思ってたら、 フルサイズレンズ交換ミラーレスの Sony α7シリーズにMマウントレンズつけられるAFカプラーというのがあった。尼にも2種類あるけど、Techartのを買った。
Mレンズはフォーカスは全群繰り上げ式なので、マウントごと前後すればそれでいいのです。
ですが、α7自体は上記のごとく、三角帽で、どうも気に入らなかった。
α7RIIIもってるけどほとんど使わない。ああ勿体ない。
レンズ交換式ミラーレス。メジャーなメーカーの、フルサイズのどの製品を見ても、ペンタプリズムの呪いは根深い。
フルサイズでなければ、三角帽のないものも、それなりにあるのです。
たとえば、Panasonic のm4/3 の DC-GX7系。
これはなかなか格好よい。レンズも小さくて使いやすい。Mk2持っています。
四角くて、 CLE にも似ている。

しかし m4/3はねえ、、、オリンパスのカメラ部門も身売りするそうで、どうなるかわからないマウントフォーマット。
そもそも、旅行で持ち歩いたりするコンデジDMC- LX9 と、画素数で言うとかわらんのですよ。
きれいな白黒写真が撮れるんですが。下は、ポルトガルの市場。

三角帽のないカメラというと、わりとカッコええとおもってみてるのは、 Sony の α6000シリーズですね、これは APS-C。
Canonにもある、EOS-M6、これも APS-C。コンデジもそうだが、民生用カメラでまともに突っ張れるのは SonyとCanonだけになってきた気がする。この会社に関心が持てない理由は後述。
富士フィルムの場合は、カメラそんなに熱心にやって大丈夫なんかという気もするが、Xシリーズで四角いのがでてます、これも APS-C。ここの受光素子はちょっと面白かったんだが。
富士さんのミラーレスカメラは、ファインダに凝り過ぎてる、ので、私としては手を出す気にならない。覗きこむことから解放されたんだし、いまさらそこに資本投下するのは、ちょっと、違うのです、いいもんなんだろうとは思うよ。それに限らず、、孤島のような感じ。
こいつらみたいな四角い形で、フルサイズやってくれよとずっと思っておりました。
唯一、まともにフルサイズレンズ交換ミラーレスで四角いのは、Sigma の、Lマウントカメラ fp です。Leica や Panasonic と、新型 Lマウントで提携なんだそうだ。システムとして先行き不透明感ありすぎて。
弁当箱みたい。実機みようにも、最近はヨドバシカメラにもおいてない。
いや、嫌いじゃないんですが、 Sigmaのくせに Foveon じゃないのかというのは別としても、世の中に出回ってもいないマウントのレンズ増やすの?という気分にどうしてもなってしまう。
マウントアダプタも Eos 用しかないのね。Eosのレンズなんて持っちゃいない。
純正でも、どのレンズもでかい。 Leicaのレンズをまたまたいちいち買うのも今更だし、Panasonicおまえ4/3規格どうすんねんといいたくなる。
これをフルサイズ Foveon にして、各社のレンズがAFもできるマウントアダプタもつくれば、少々高価くても(といってもSD-1みたく70万越えとかあかんで)そこそこ面白がって買う人はいるんだろうけどなあ。交換レンズじゃなく交換ボディね。
で、本題です。
やっと、 Sony がα7を四角くしてくれるらしい。
手に取ってみてはいませんが、見栄えは、よいですね。
Eマウントの純正レンズは、たいがい、でかい。もっと小さくなってほしい。
メジャーといえるマウントだから持ってもまったくの無駄にはなるまい。
Techart や Fotodiox の Mマウント AF アダプタが対応してくれたらいうことなし。
ちょっと期待している。
そうそう、コンデジでいいならそれでやる、という手もあるが、、、
24ミリ相当でF2よりあかるいレンズのついたコンデジ使うことにしてる。広角ならピントもきつくない。ですが、スマホがよくなって、コンデジおされてます。
Olympus TG6 は防水でとてもいいが画素数がいまさら1200万。いま、腰につけて普段使いにはしていますが、旅行にこれひとつはちょっと不足。モロッコの砂漠なんかにはいいんですが。
Nikon、 Fuji ともに、明るい超広角コンデジはなくなった。それぞれの、画素数1000万台のラスト機種になるが、、Nikon P310 は家内がいまも使っている。押したボタンへの反応がいまいちになってきてるらしい。Fuji XQ-2 は私が使ってましたが、もともと反応が鈍くてしんどかった。後継機種は出ない。
2000万画素超でこの手のものを売れるように作れる会社は、Panasonic Canon Sony だけになったという事なのだと思う。
Panasonic DMC-LX シリーズは、 LX3 LX5 と、よかったんですが、そのあと設計が変わったのか非常に使いにくくなった。画素数2000万超の、LX9は、いらんスイッチがすぐに入るし、ケースの中でうっかりでかいレンズが出ると、抵抗があってもそこでもとにもどる機能がなくて、繰り出し機構がつぶれてしまう。修理に出しました。あまり使いたくない。旅行の時だけもっていく。
Canon はごめん使いたくない、眼科器械関係であまりいい目にあわなかったという、一方的な気分なのですみません。
で、Sony RX100系は、考えなくもないが、 α7Cが出るならそっちからいきます。いや、α7R-C を待つかな。
感想 ザ・ファブル ― 2019/07/08 08:53
ネタばれしますよ。
最近目先の仕事逃避してザファブル読んでここ数号ヤンマガまで買ってるが、映画版です。
これはたぶんみな気になることでしょうが、、原作ではむさくるしいおっさんどもにあてられたキャストが若くどうなんやと思ったが、思いのほかまともに見れた。
老けさせた方がちょっと不自然だった。
中年以降のおっさんは、太るんじゃない、たるむのである。海老原は、顔はそこそこ仕上がっているのだが、体はスマートな役者のままで、もっとたるませんとあかんやろう。
小島砂川が問題になると思うのだが、、、小島、原作では服役15年でちょっとそれはと思うのだが、映画では服役8年にしてたし、最後の方はけっこうさまになってた。ムショボケしてやりすぎてしまうチンピラというのがよく出てました。
砂川も案外大丈夫。これは、役者の体がでかいからと思います。
佐藤=主演岡田はちょっといかつくて、原作のひょろい感じがなかったけど、マッパでうろうろしてたし、許容範囲。
ミサキちゃんの印象が特にはじめが派手なのにバイトの描写がないので結果的にばらばらになって、状況がよくわからないと思う。
ミサキちゃんの契約書のところから小島の回収まで、一気に内容はかわっている。クライマックス部分の大混戦はだれ気味、だれがだれかわかりにくいし、大人数が近距離でもみあうのに誰もドス出さないのは不自然。
ロケに借りた施設を最大に利用したいのはわかるんですけどね。
ボスとのふれあいの思い出はどうだか。そもそも、森の中とか、体中あっというまに虫に刺されまくるよ、これは原作でも思いましたが。
クロちゃんがなにもしない。ここは、原作の方が楽しい。
全体は駆け足の印象がどうしても、する。まあ原作8冊くらい分だからねえ。総じて、普通に見れたのは、原作を知ってるからと思う。
平日19時からの回、客は3分くらいの入り、まあ京都MOVIXとしてはそこそこ
後ろの席のおばちゃん(私よりはたぶん若い)は岡田がなんかやるたびに笑い声をあげていて、ファンなんやろなあと思いました。
動画の扱いからみて続編作る気は満々のようですが、ウツボ篇につながる部分を切ってしまったし、貝沼君どうなんねやろねえ。
感想 ゴジラ-キングオブモンスターズ ― 2019/06/03 08:54
ネタばれしますよ。
幼虫モスラがおとなしくなって少女つか女の子の前で青く光るとかナウシカまがいにはじまったわりにモスラが死にっぱなしなのが気に入らない。
双子の小人は出ない。小柄な中国人博士がそうやというのは画面だけでは無理筋。エンディングでモスラソングのメロディはつかわれてましたが、女の子が怪獣をコントロールできる器械を持って走り回るとか、そのへんもナウシカ寄りです。
芹沢博士のああいう使い方も好きじゃない。手動で爆発をおこすために身を挺するわけですが、これを初代へのオマージュといえるだろうか。初代ゴジラの芹沢博士は戻れないところに自分から出て行ったんじゃないのだよ。戻れるのに戻らなかったのですあの人は。
いらんことするのが好きなお母ちゃんがなんでか最後にやっぱり自己犠牲の自殺的なことやるんで、パターンとして重複してる。くどい。
なんですかあのオキシジェンデストロイヤーは。正体不明の新兵器がいきなり出てきてしかもちゃんと効かないのはお話として無意味やろ、やったら今ある兵器では効かなくてお手上げでじゅうぶん。どうしても出すなら、核兵器は無効なので高度な非核兵器を開発しているという設定をはじめから使わないと。N2地雷とかw
オキシジェンデストロイヤーで瀕死のゴジラに芹沢さんは王に自分の命を献上しましたふうにするんですけど、ああやって自爆したってそれで復活するという根拠はじつはないのだし、ほっといたらゴジラはいつか復活するのだから、へんに陶酔した感じがなんだか。まともに帰るつもりで出て行って帰れなくて、、のほうが展開としてはありとおもった。
総じて、人間側のドラマの盛り上げ方やつじつまあわせがちょっと下手です。
ストーリー上でレギオンだかビオランテだかとの類似性を言う人がいるんですがどっちも見てない。ものはあるから見るようにしよう。
家族なくしたひとがいきなり出てくるのは平成ガメラのイリス篇ふう。全体の設定や世界観自体平成ガメラなのは前作からかわらずです。
進撃の巨人じゃないが怪獣を Titan と呼んでるあたりは、人間の力の及ばぬところで好き勝手やる生態系上位存在の出現という神話世界を感じさせて、よろしいとはおもいますが、それにしてもせいぜい「王」どまりなんだなあハリウッドのゴジラ受容は。
芹沢博士が、ゴジラは殺すが、救うこともする、ゴジラを憎むな的なこと言うけど、こういうのは、人類をギャオスから救うためにあらわれそのためには渋谷も踏みつぶす平成ガメラの世界の視線なのですね。
そういう出自設定のないゴジラなんだから、台詞として足りないのは、神といわないまでも「ゴジラは自然現象だ」という指摘でしょう。あのひとは歩いてるだけのひとです。
台風や地震なんて憎みようがないやろし。怒りは感じても。
ゴジラの通った後に自然が回復とか、蛇足もええとこ。花咲かじいさんじゃなし。
海底地下水路設定はナディアっぽい、おおもとのネタあるんやろか。そもそも潜水艇のブリッジでうろうろしてるのがまた、すごくよくありそうな構図。USJのアトラクションには使いやすいでしょう。
超古代海中壁画の、ゴジラの絵のよこに、カタカナでゴジラと書いてあるのは、どう考えてもおかしいのだがなんかの伏線なんかな。
娘が球場でオルカを動かして、母親がそうとわかるのはわかるけど、ずっと離れて潜ってうろうろしていた父親がいきなりそのへんで娘を探し始めるのは無理がある。母親を探して、君じゃないのか娘はどこだ、ならまだわかる。
終わりのキャスト表で怪獣はみな himself だがモスラだけは herself なのでふうんとは思いました。
自前の「ぼくの考えた怪獣」があれこれ出てきてうざい。マンモスぽいのとか。
ムートウが雑魚になって、ラドンがやたらギャオスっぽかった。ラドンもモスラに体貫かれて死んだかと思ったら、最後にゴジラにへこへこしていた。だったらモスラも生きてないとあかんやろ(それ一点でこの映画を判断している)。ほかの怪獣どもがゴジラにひれふすのをうしろに、瓦礫からモスラが飛び去るシーンが欲しかった。エンディングで卵出せばいいってもんじゃないぞ。
絵の作りに関して言えば、どっかで見たような絵は多いけど、モスラ分が全体に足りない以外に不満はほぼないです。十字架のむこうのモンスターゼロとか、いかにもでねえ。
モスラが羽を広げるところなんかは、泣きたくなるくらいきれい。でも滝の下でどうやって蛹になるんだかね、ちゃんと見せろ。
キングギドラもモスラもオリジナルの鳴き声を出さないが、別世界の彼らなんでもうええわ、ゴジラさえ似てたら、という気分。
がんばってよく作ってるから、これでよしとするべきなんでしょうけど、不足部分がひきたつのは仕方ない。
モスラのファンなので感想偏っています。
ノートルダムドパリ周辺の道路封鎖 ― 2019/05/08 21:00
焼けてしまいましたが、周辺はうれしそうに記念写真撮る観光客でにぎわっていました。品性下劣な私も、まわりを一周してみたのが以下。
ノートルダムドパリへの経路をぐぐったら市庁舎前駅でメトロをおりると表示されてやってきたところ、ここからアクセスの北側は、建物が混んでいて、寺院手前の道で封鎖されており、よくみえません。

聖堂正面の広場につながるシテ通りも全面封鎖です。
時計回りにぐるっとまわって、西側のサンミッシェル橋から眺めても、いまいちわからない。
尖塔がないのはわかります。

川端のモンテベロ通りを東進すると、見えてきました。
南側から川越しです。


堤におりてみました。

東側からで、こんなの。

北側をうろうろして歩く距離が長くなって同行者(家内)のブーイングがでました。
はじめからサンミッシェルノートルダム駅から上がればすぐに見れたわけで、ですがリヨン駅からはどうせ一本でいけないので仕方ない。
目についた周辺道路の通行止めは以下。

ご参考までに(何の?)。
最近のコメント