感想 CODA あいのうた 出町座と商店街2022/08/02 23:32

出町座で「CODA あいのうた」を観てきた。
ネタバレします。




映像の空気がなんとなく北欧だが、なまりのある英語だしカナダと知ってなるほど。学校でのいびりも薄い。
父母兄は聾で、唯一健聴者の妹という、ヤングケアラーに通じる家族の話だが、ものわかりよくて、思うに任せないところがいろいろぶつかるにしても、結果的にはなかなかハッピーな展開​。いや、とことん自分の都合を通すもんはおらんので。
ちょっとリアルにひねったら収拾つかんからこれは仕方ないか。
セックスについてところどころあけすけだけどエロはほとんどなく、いまどきなら、高校の映画鑑賞会に使えると思う。人間関係は粗野なところも多いけど健全
歌いながら手話するとかちゃんと見せ場もつくっていて、まじめなつくりです。嫌いではない。

そういえば類似のパターンの家族でずっとおぞましい「山の焚火」というスイス映画があったな​、いまはない六本木シネヴィヴァンで観た。
「山の焚火」は、 尼のDVDレビューみても、自然がいいの豊かなドキュメンタリーだの平和なことが書いてありますが、何言ってるのか、ヤングケアラーの近親相姦の話だろうが。
そのなかで、死んで冷え切った両親が、棺のなかで、ぶつぶつわけのわからないことを語り始めるシーンがある。リンチの「イレイザーヘッド」でオーブンされた鳥が足をきゅうきゅう動かすシーンがあるのが連想されてしまう。なんか宗教的なもんかね、私にそのネタ元はさっぱりわからない。

1階に本屋と軽食バーカウンタがありうえにスクリーンのある出町座は、知人に言わせると「意識高そうで入れない」らしい。
わざとらしい昭和レトロで、客も平日昼でこぎれいなおばさん~ばあさんばかり(こっちもじいさんなのは棚に上げる)であった。
本屋としては一乗寺のケイブンシャの感じにやりたいのかもしれない。

アニメたまこまのモデルになった出町(桝形)商店街も、そのそばに住んでた25年前とはずいぶんかわった。
寺町の「里空木」はもうやってないのか2階のガラスが割れていた。炭売ってた店もなくなったようだし、王将も消えた。ほんまのむかしのものはなくなり、むかしっぽいものが並ぶようになって、まあテーマパークになりつつあるのかな。