小児科医遁走騒ぎ2011/04/06 21:36

草津の私立病院から小児科医がいなくなり、かわりがこないという騒ぎがあった。

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20110403ddlk25040283000c.html
草津総合病院:小児救急医療センター、後任医師が不在 小児内科休診 /滋賀 毎日新聞 2011年4月3日
「草津総合病院(草津市矢橋町)に併設の同市小児救急医療センターで1日以降、交代医師が着任せず、部分休診となっている、と同市が2日、発表した。」「市によると、1日に自治医大付属病院から3人が着任する予定だった。先月31日に引き揚げた前任医師から同市への連絡で着任の遅れが発覚。1日に市が草津総合病院にただすと「担当の病院事務長と連絡が取れない」と言われたという。」


ほんまに自治医大かと交渉してたんかと思うと、案の定怪しいらしい。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110406/shg11040602590003-n1.htm
内科医不在問題 草津総合病院、派遣要請せず? 滋賀 2011.4.6 02:59 MSN-Sankei
「草津総合病院(草津市矢橋町)に設置されている市小児救急医療センターの内科医師3人が着任せず、内科が休診している問題で、橋川渉市長ら市幹部が5日、市役所で記者会見し、草津総合病院から、医師派遣を自治医科大学附属病院(栃木県下野市)に要請していると説明を受けていたが、実際には要請していなかった可能性があると明らかにした。」



ここから先は関係しないでもない人たち(医大系マイナー、公立他院非医大系小児科、公立他院医大系メジャー、順不同)からの噂。まったくの当事者はひとりもいないので本当かどうか知りません。

噂1
草津総合の小児科(6人体制、医局は滋賀医大)が全員結束して辞める事になった理由は、勝手に当直料を半額にするなど待遇が悪いからである。相談の結果、4月以降は、1人は開業、あとの5人は徳洲会(草津市 300床くらい)に移ることになっていた。
滋賀医大小児科の教授は後づけで、医局会も経てこの5人の徳洲会への移動を認めた。でないと草津市の小児二次救急はできなくなる。この話は昨年11月には決まっていた。
ところが草津の徳洲会は3月30日(ころ)、全員の内定取り消しを、小児科教授に通知。これをもって血の粛清事件とか 金曜日の虐殺 とかいうらしい。
こまった教授は5人を滋賀県内の公立病院に1名ずつ押し込んだ。結果的に草津の小児2次救急がなくなったので、滋賀医大が小児科当直の人数を増員して引き受けている。滋賀医大的には赤字増。
草津は医療圏としては大津にあたり、県の動きは鈍い。困った草津市市長が滋賀医大小児科を尋ねてきたけど、どうにもならない。

噂2
草津総合はもともと自分勝手に動くので嫌がられていたが、今回、滋賀医大小児科医局にことわりなく、成育医療をするといってほかにも小児科医をあつめ、つきあいきれないので滋賀医大が引き上げたらしい。

噂3
草津総合は、成育医療導入を口実にいろんな補助金をいれ、事務局長はそれを着服していた。滋賀医大小児科医が逃げてそれどころではなくなり、自治医大から呼ぶと適当にいっていたがなんともならず、遁走したそうだ。


なにがなんやら藪の中。あくまでも噂です。
徳州会がかかわるとしても、いきなり手を引いた理由もいまいち読めない。かわりになんかのバックアップを得られるつもりだったのがないのがわかったとか、ですかね。噂からさらにいろいろ類推するのも馬鹿ですが。


(追加 4/7)

噂4
徳洲会は、全員の内定取り消しを通知する前々日に、県内のおもだった小児科医に、経営的側面からの小児科の運営法について聞き込みしていたらしい。
取り消し後、小児科教授が徳洲会にいったが門前払いされたとか。


小児科2次救急引き受けても、経営的にどうにもならんことにマジで気づいたのかも知れません。

(追加 4/12)

噂5
草総に3年ほど前にできた小児医療センターは、もともとは理事長の水野氏と草津市が、地元医師会もまったくするーして作った代物。むかしはそういう蜜月もあった。患者が多かったのは確かで大津の北の高島あたりからも患者は来ていた。何でもみるというんだからそりゃ来るだろう。
滋賀医大小児科とおかしくなったのは NICU をつくると勝手に言い出してから。


けっこうなワンマンだったようですね。他医局の解釈としては生育医療がらみに注目しているようです。ま、噂は噂。

コメント

_ ゆんべ ― 2011/04/07 10:13

噂1が真実かは不明だが、確かに、担当してくれていた医師は、3月はじめには、徳洲会へ移ることになった、といっていたが、3月末(30日)には大学病院勤務になると、いていた。

一利用者からみて、かなりゴタゴタした感じは、伺えた。
3月はじめの段階で、小児科が存続できるかも不明と聞いた。その間、徳洲会病院のほうへは受診していないので、分からないが、こちらも、担当意表を見る限り、滋賀医大から派遣されていたであろう医師が、すべて変わっているようだ。

_ R・Y・U ― 2011/04/07 11:09

ぐり研さんの所(http://gurikenblog.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-9759.html)にも関連記事が出ていましたよ。まだ真相は藪の中ですが。

_ 稲亀石 ― 2011/04/07 17:25

>ゆんべさん
徳洲会は実際にかかわっていたのですね。外来現場の情報ありがとうございます。

>R・Y・Uさん
ぐり研さんのところから原典に当たった限りでは、小児医療センターの扱いに越えられない壁があり引き上げは不可避ですね。
いままで大津の救急も多く草津に流入していたようですから、けっきょくは同一医療圏として扱うしかないのでしょうが、滋賀県湖北でやってるような複数病院による小児科輪番2次救急を、大津地区についてもつくるしかないのかもしれませんね、救急体制を維持するのであれば。
しかし医大がなまじ対応してしまうとたぶん話は進みませんね。小児科当直医は4人体制になったそうです。

_ (未記入) ― 2011/04/10 08:37

いつもガラガラの開店休業的な徳州会です。小児救急受け入れし、患者急増しても、スタッフの数、特に看護師数が不足しており、対応困難で、急募しても集まらないと聞きました。回せないと判断したのかとも思えます。徳州会のスタッフも、いつも土壇場でいきなりなやりかたなんで、ふりまわされて混乱すると愚痴っていました。

_ (未記入) ― 2011/04/19 01:07

「事務局長は、3月31日から体調不良で療養中。病院を経営する医療法人は懲戒解雇する方針」
ということでしたが、クビにならず肩書き変えただけで、何も変わっていないようです。
この病院にとっては大したことないのでしょうか?
懲戒解雇はマスコミ向けのパフォーマンス?

傍目には、何の反省もないように見えます・・・

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_ ぐり研ブログ - 2011/04/11 00:05

先日は滋賀医大小児科医局の撤退に伴い、後任として予定していた自治医大からの小児科医派遣が遅れそうだとして、草津市から委託されていた小児救急医療センター運営が困難になった草津総合病院の一件を紹介しました。当時から自治医大との交渉を一手に引き受けていたという事務長が音信不通状態であるなどと、いかにもこれは怪しいぞと言う説明をしてきた同病院ですが、その直後に今度は自治医大との交渉自体を行っていなかったというトンデモない話が発覚したことも続報としてお伝えしたところです。この一連の経過は当「ぐり研」でも大きな反響を呼んだところで、当該記事には現地情報なども色々とコメントをいただいておりますから是非とも参照いただきたいと思いますが、要するに当事者である草津総合病院と滋賀医大小児科医局、そして近隣の近江草津徳洲会病院との間でかなり込み入った事情が存在していたようですね。【参考】草津総合病院にいったい何があった?(2011年4月5日記事) 【参考】草津総合病院問題 やはりとんでもない話でした(2011年4月7日記事)滋賀医大小児科医局の側にしてみると、草津総合という施設は必ずしも医師の派遣先として良いところではない、とりわけ近年同病院が(徳洲会病院との競争もあって?!)急激に規模を拡大したのと相前後して草津市からの委託業務として小児救急医療センターを設けたわけですが、市外の患者を主体に予定の倍以上も患者が押し寄せ医局員が派遣を拒否しているという状況であるようです。一方草津総合病院の側から見ると、滋賀医大からの派遣小児科医は高給取りのくせにろくに仕事をしていない上に看護師にも厳しく当たったりする、何よりせっかくセンターを設けたのに実績として顧客単価も低ければ入院もろくに取らないと、経営上もお荷物状態だったことが数字で示されていますから、文句を言う前に黙って働けと言いたいところではあったのでしょう。一方で近江草津徳洲会病院は人脈上も滋賀医大とつながりが深いようで、噂によれば一時はこちらに医者とセンター業務を移そうという動きもあったというのですが、これも噂によればどうも年度末ぎりぎりにになって(!)近江草津の方から医師引き受けを断ってきたらしく、これも単にライバルである草津総合を潰すだけの目的だった?とか、センター機能を引き受ける余力がなかった?とか、いろいろと言われるところです。滋賀医