マンションのゴミ捨てを見守った話2024/03/04 23:33

近所のマンションの前通りかかったら、住民らしい若い男が、女性待たせてゴミ袋を建物前のごみ入れコンテナのまえに(中ではなく)おいて去ろうとしていた。
置きっぱなしにされたふたつの袋をふうんとおもってじろじろ見ながら歩いていて、顔を上げたらその若い男と目が合った。

そのにーちゃんは、気になったのかつかつか私のところにやってきて、コンテナはいっぱいだし、もうひとつの袋は自分のじゃない、と、説明しながらコンテナのふたをわざわざあけてみせた
コンテナは白い袋でたしかにいっぱいだったが、すかすかな感じで、ふつうに押し込む余裕はあるだろうと思った。

面白かったのでつい口から出たのが、
ここにその調子でみんながゴミ捨て始めたらあなたの住む建物の資産価値下がるよ
というセリフで、公共とかマナーとかいう単語が一切自分の口から出てこず、そうか俺はこういうやつだったと思った次第。

私がふたを余計なお世話であけてささえるところに、彼はまず自分の袋を入れた後、ひとの袋も入れようとして、中の液体がついたらしく非常に嫌そうな顔をした。
私がそのあとコンテナにそれを押し込みました。

まあ、茶番ですね。

ヴィノスやまざきの日本酒2024/03/01 21:27

久しぶりに四条烏丸のヴィノスやまざきに寄ったら、そこそこスペースとって一角に日本酒コーナーができていた。お店の地元の静岡の酒がたくさんある。喜久酔もある




常盤通りの山崎酒店さんは静岡に35年前にいたころよく寄せていただき、その後もしばらくお酒を送ってもらった。
ヴィノスやまざきをはじめられ、ワインでどんどん事業がでかくなり、この京都店も殆ど日本酒おいてなかった
いまになってこれとは、ワイン離れが来てるのか円安のせいか日本酒がまた流行りはじめたのか。
私のいっていた本店は、もう閉めてしまわれたらしい。

喜久酔は、当時に山崎酒店のご店主に教えてもらった。ですが私は、その前に勧められた磯自慢ばかり飲んでいた
90年代に磯自慢が、杜氏さんの入れ替えがあってちょっと好きではない味になったのと入れ替えに、熊野神社前の富永酒店さん取次の満寿一が気に入って飲んでた。
満寿一は大塚杜氏の頃は、山崎酒店も、独自ブランド「安倍川の雫」に使ってられたと思う。大塚杜氏のあといろいろあった挙句、蔵元ご主人(専務)が杜氏されて味も安定したかとうれしく思っていたら、病気で蔵元ご主人が亡くなって蔵も廃業されたのだった。

そのころには磯自慢も味が戻っていたのでそれを飲んでいたわけですが、満寿一をしのばせるものもあったらうれしい。
満寿一は志太杜氏ということだった
喜久酔にもその流れの杜氏さんがいるということで、この数年、手に入る喜久酔のなかでいちばん気に入った純米吟醸を常備する酒の一つにしている。こういう選び方は気に入らない向きもあるかもしれんけどね。
京都にはなかったので通販で買ってたが、通販のラインが最近ちょっとおかしいので京都で買えるのはうれしい

冷蔵庫には満寿一、大塚杜氏のも専務の最後のも、1本づつあるんですけどね、20年たって、どんな味になっている事やらw

山崎酒店の話に戻ります、静岡在住当時、日本のワインはどうかとご店主に頼んで、ご店主もあちこちの手ごろな(安いということ)日本ワインを試したいと言われて、いろいろ取り寄せてくださった。北野呂ワイン、ごいちワイン、源作ワイン、ホイリゲなどなど、ネットの情報もないし日本のワインなんてという感じの80年代おわり、親切で物好きな酒店主にぶらさがって買わせてもらえてありがたかった。
矢作酒造に取引申し込んだらけんもほろろに断られたと苦笑してられた。バックで犬が吠えて、へんな感じだったと笑ってられたから、ちょっとむっとされたのかもしれない。

ヴィノスやまざきの日本酒コーナーの磯自慢は吟醸ばかりだった。本醸造が好きなのでこれはこれからも今買ってる店で買います。
そのほか、静岡の酒が並ぶ中で、山口の 獺祭 が目を引いた。今どきの有名酒を客寄せにしてるんかね。
こないだ蟹食いに城崎行き特急に乗ったときも、通路向こうの中年男女は列車が出ると、男は目の前のパックを開けて山のような唐揚げをむさぼり食い、女は窓際に獺祭のボトルをおいていた。この人らも城崎で蟹食うのかと思ってたら福知山で降りていった。
さすがに有名な酒と、意味もなく思いました。

映画 イニシェリン島の精霊 ほか感想2023/03/18 13:14

映画「イニシェリン島の精霊」みてきた。ネタバレします。


テーマは、凡庸の呪い、とでもいうべきか、気楽でひとはいいけど退屈な男に、友人付き合いしてきた音楽家がいきなり縁切りを告げるのですが、「凡庸な男に時間を食われるのが嫌」よりむしろ、「自分のなかの凡庸さをこの男を通して見るのが耐えられない」からじゃないかという気がする。

理屈つけて考えようとすればいろいろ考えられる映画ではあるが、それよりもである。
この音楽家が自分の指を切り落とし、「興奮してるせいかあまり痛みは感じない」とか言ってる。
そりゃないやろうと、chatGPTに、この音楽家が指を落としても痛みをあまり感じない原因として可能性のある病気を訊いてみたら「糖尿病」という非常にもっともらしい答えが返ってきた。
太ってるしよく吞むし。
それをいうなら「イニシェリン島」というのもなんかそれっぽいなあと、いや偶然でしょけどね。ランゲルハンス島とまではさすがにいかない。

だったとして、まともに糖尿病治療中とも見えんし、コントロール不良状態ならそう指ぽんぽん切ったら感染で死ぬ。
そうじゃなくてもでかい鋏でたんに切り落とすだけという設定だから、感染の描写はないのかと私はずっと気にして観ていた
犬が鋏を使わせまいと引っ張っていく場面からあとのこの映画は、しつこくくどくいろんなネタをばらまいて冗談やってると思う。

知人から聞いた。糖尿病黄斑浮腫に関するなんかの治験で、参加してもらった糖尿病の患者さんで小刀で指の先を切り落とし、そのまま捨てたという人がいたそうな。
当然治験においては有害事象になったという。この方はわざと切り落としたわけではないけど、切り落としても平然としてたらしいです。

話がずれました、糖尿病というのは勝手にこっちでくっつけた設定ですから念のため。

ほか、ホームシアターで観た映画。

テルマ&ルイー」 彼女らの目の前に出てくる男がマッチョか女たらししかいないのがすごいな。追跡する部長刑事(っぽい)だけやたらまともだし、なんかいろいろ変、しかしこういう居心地の悪さの上に男にとってのフェミニズムが立っとるんやろう。
グリーンブック」 いちばんきつそうなところはするっとかわす感じで面白かった。

甲斐荘楠音展2023/03/02 19:14

甲斐荘楠音展に行った。




映画資料が多く、時代劇がばんばん作られて衣装に予算が降ってきた時代は着物業界も良かったろう。生活に和服も生きていた。映画人も和服業界人も祇園の上客だった頃の話。

この人のよく知られた絵は目の周りが異様に赤い。厚塗りだから酔って赤いのではない。
まあ魔性っぽいのだが、昨日から花粉症でこすりまくって目の周りの赤い私は違う方向に感情移入するのだった。

でかい未完成遺作が二つあった。
若いころは、やり残しがある人生は後悔があるんじゃないかと思っっていたが、すべてやり終えるなんてより、いつまでたってもやりたいことがあって終わらない方が死ぬまで楽しいんだろうと思うようになったのは齢のせいか。

まる福 桃山店の閉店2022/11/09 23:22

書いた通り。




2016年に紹介した、伏見桃山駅前の天ぷら海鮮「まる福」が近く閉店される。
ここにくると体重が増えるので、特に最近減量してるので外食減らしていて、あまり来なかった。なんとなく来たら閉店がわかった。




鶏モモの天ぷらをカリっと食わせてくれる店がなくなるのは心底残念。
もともと、三条木屋町下がるの丸福とかの系列店と思っていて、そっち行ったらまた食えるかと思ったが、買取で独立されてたらしい。丸福の方は表に出るメニュ見た限りでは魚メインの模様だし。




35年前に吉田近衛あたりの「おせん」で食った鶏天に似たものを、この6年食わせてくれてありがとうとしか言えない

戦う集団としての部活2022/10/16 10:40

SNSで特撮関係のところにいっても、中高年メインだといつまでたってもウルトラセブンがどうのアンヌがどうのといってる

どうしようもないなという気分になってきた。
で、ウルトラマンティガでも見てみよう思いたったが尼プラにはない。TSUTAYA の配信は30日無料というが52話なんか見られるわけない。
そこで、ウルトラマンZがティガに続くオールタイムベスト2であるといわれまして、これは尼プラにあったのでみたのです。

以下、2話見ただけの個人の感想なので気に入らん人は読まないで。

途中から笑いが止まらん、お笑いウルトラマンですかこれは。
むかしからのお話のパターンも踏襲してる。目をつぶって相手の場所を感じるとか。総じて、わかってやってるのはわかる。でなけりゃ、戦闘ロボットをあの形にはしない。
メダルとか、まあお話づくりの道具は頑張ってるなと思いました。

はじめに、犬を助けに行くところで、お笑いという位置づけにした。
ここで、犬を見殺しにすればいいというんですかという問いに口ごもっちゃいけない。周囲に被害をもたらさずそれができない時点でおまえに犬を守る能力はないと返さないとあかんわけで、たぶん軍組織のしっかりした文化ならそうなる。この連中は、マジの戦闘集団じゃなく、怪獣退治サークル活動とでもいうべきもので、これを描くのに適したスタンスは、お笑いなんです。
悪いと言っているのではない

私が「宇宙戦艦ヤマト」が嫌いなのもそこで、あれって、イスカンダルを目指す「部活」やってるようにしか見えないんですよねー。甲子園目指す野球部ものと、精神的なスタンスはまるっきりいっしょ
ひとつの目的に向かって進む組織、として一番日本人、とくにこういう番組のターゲット設定の「子供」にしっくりくるのが、「部活」なんですね。
ここで悲壮感いっぱいでやってもらうと、勘弁してくれという気分になる。

「戦う」組織がどういうものかちゃんと提示できない国でえんえん「守る」フィクションがでたらめに量産されているのが面白いと思います。

部活的なパターンが悪いと言ってるんではないです。
アメリカ作品の場合、軍の基本の描写はしっかりしているのです、トップガンやマーヴェリックみればいい。宇宙大作戦(TOS)にはまった私がヤマトをうけつけなかったのはそういうことでして。
これは、社会の中に軍やその組織が実物大に認識されているからと思う。
でも、日本の防衛組織である自衛隊は、残念ながらそうはいいがたい。その結果、描写の代替品がお笑い部活になってしまうのは、日本で広い範囲に共感をもって受容されるのが「高校生活」だからと思うのですね。だったら部活そのものを舞台にした方が、ちゃんとリアルで、むしろ普遍性を持つだろう。

日本の場合、防衛隊なんか舞台にせず高校の部活みたいなのりでなんかと戦うようなもんがほんまはちょうどいいので、実際そういうのが世界に通用してる気がする

ええかげんにしてほしいこと ほか2022/08/30 22:54

行政の場合、どこにでも飛ばせる汎用人材は正規、専門職はいつその専門が不要になるかわからんから非正規で雇う、というのはまあわかるが、専門知識は貴重だしいつ切られるかわからんのだから、非正規専門職には余計に高価く給与を出す、ということにならないのがおかしい。司書とか。

山下容疑者の件から問題にするべきは、家族の生活も脅かすような出資を宗教団体がよしとすることで、これは統一教会だけの問題ではない。
なのに、そこを問題にするとほかの宗教団体が困るから、統一教会そのものを問題にして、その関係性で政治家そのほかを叩いている。霊感商法とか記事にしてるけど、そこやないやろう。

あと、、、
風俗というのは介護職の一種というか、少なくとも地続きの仕事と私は思っています。医療も、べつのところから介護と地続きなんで、医者は風俗嬢と大きな枠ではいっしょと思ってますよ。

感想 CODA あいのうた 出町座と商店街2022/08/02 23:32

出町座で「CODA あいのうた」を観てきた。
ネタバレします。




映像の空気がなんとなく北欧だが、なまりのある英語だしカナダと知ってなるほど。学校でのいびりも薄い。
父母兄は聾で、唯一健聴者の妹という、ヤングケアラーに通じる家族の話だが、ものわかりよくて、思うに任せないところがいろいろぶつかるにしても、結果的にはなかなかハッピーな展開​。いや、とことん自分の都合を通すもんはおらんので。
ちょっとリアルにひねったら収拾つかんからこれは仕方ないか。
セックスについてところどころあけすけだけどエロはほとんどなく、いまどきなら、高校の映画鑑賞会に使えると思う。人間関係は粗野なところも多いけど健全
歌いながら手話するとかちゃんと見せ場もつくっていて、まじめなつくりです。嫌いではない。

そういえば類似のパターンの家族でずっとおぞましい「山の焚火」というスイス映画があったな​、いまはない六本木シネヴィヴァンで観た。
「山の焚火」は、 尼のDVDレビューみても、自然がいいの豊かなドキュメンタリーだの平和なことが書いてありますが、何言ってるのか、ヤングケアラーの近親相姦の話だろうが。
そのなかで、死んで冷え切った両親が、棺のなかで、ぶつぶつわけのわからないことを語り始めるシーンがある。リンチの「イレイザーヘッド」でオーブンされた鳥が足をきゅうきゅう動かすシーンがあるのが連想されてしまう。なんか宗教的なもんかね、私にそのネタ元はさっぱりわからない。

1階に本屋と軽食バーカウンタがありうえにスクリーンのある出町座は、知人に言わせると「意識高そうで入れない」らしい。
わざとらしい昭和レトロで、客も平日昼でこぎれいなおばさん~ばあさんばかり(こっちもじいさんなのは棚に上げる)であった。
本屋としては一乗寺のケイブンシャの感じにやりたいのかもしれない。

アニメたまこまのモデルになった出町(桝形)商店街も、そのそばに住んでた25年前とはずいぶんかわった。
寺町の「里空木」はもうやってないのか2階のガラスが割れていた。炭売ってた店もなくなったようだし、王将も消えた。ほんまのむかしのものはなくなり、むかしっぽいものが並ぶようになって、まあテーマパークになりつつあるのかな。


グラススピーカー2022/04/23 08:46

こないだ新世代系のおしゃれっぽいラーメン屋にいったらカウンタにSonyのグラススピーカがあって、カッコよかったしリビングにPCから青歯で鳴らせるSPも欲しかったのでポチってしまった。
↓ は公式サイト LSPX-S2 の画像。これが「麺や 高倉二条」にあったわけです。



今日つなぎましたが、広がるいい音と家内が言ってたからそうなんだろうと思う、私はもう聴力支援器具を耳に突っ込まないとまともに聞こえないのだけれど。

Sonyも静電式スピーカとかいろいろやっては外してたけど、これは3世代目まで出ているしなかなかのヒットだったんでしょう。

ちなみにこないだ出町柳前のクラシック音楽喫茶にひさしぶりにいった。
ディーリアスをリクエストし、ホーン型スピーカの音がむかしはきれいにきこえたのになあという感慨とともに居心地のいいソファで昼寝して帰ってきた。
集音器を外したら騒がしいところでも耳栓が要らないのがいいということにしておきます。耳鳴りずっとしてるんですけどね。

いまさら京都ヨド地下2021/11/07 18:43

コロナ事態宣言解除した、ひと月ほどまえに気づいたのですが。
京都駅前のヨド地下のスーパーマーケット、グローバルキッチンがなくなっていた

全体の品ぞろえがよかったので残念。
そりゃあんだけ、日持ちしない弁当に総菜まで大量においてたら、コロナで客足が落ちたらどうしようもないですわな、こんなにものがふんだんにある店がいつまでここで続くんだろうとずっと思ってましたが。

奈良そごうの閉店を見送った奈良県民はこんな気分だったんだろうか、もう20年前になるが、天理の病院の事務女性が、夢見るように「そごうは、よかったですよー」と言っていた
そごうそのものがもうないものなあ。