デンプン食に関する話2012/11/25 13:48

知ってる人に「主食をやめると健康になる」(著者は高雄病院の先生)なる本を渡された、最近はまっていておすすめ、ということであった。さっくり斜め読み。

「ブドウ糖で主栄養をとれるほど人体はでんぷん食物メインの生活に適応してない」、と還元して理解すれば、それで事足りる。立脚させるだけの理屈を現時点の理論やデータから論理的につみあげるのは、手数はかかったろうが、十分可能だろうと、ふつうに生物学や医学を知ってたら見通せる。正反対の結論も論文データを選べば導くことが出来るんだろうと思う。議論したらどうなるかはわかりません。
なににしても、あまりすっきり「腑に落ちる」のは、ちょっと危ないのですがね。

読みやすい本ではある。
私は、朝に雑穀粥かコッペパンを食う以外、自宅では、米飯やパンをいれないようにしていて、結果的に食生活についてはこの著者の理屈にそう生活を心がけているので抵抗なかった。でんぷんから作られた醸造酒まで網に入るのは、よくわかるが、困ったな、寿司もカレーも好きだしw

こっからちょっと電波。自覚はあるので大丈夫です、、というのが危ないのですが(お約束)。

一面の水田、麦畑は、美しい。だが、単一産物のみみられる植生は、生態学的には、決してまともではない。一面のカビとか、一面の竹林とか、一面の杉林、みたいなもんだしね。極端な地理条件なじゃきゃ、そこそこいろんなものが地べたから高木まで入り乱れているのが持続可能健全な状態でしょう。効率的な農耕環境というのが、非常に不自然なしろものだから維持にどうしようもなく手がかかる。
世界的に、主食産物は、でんぷんをたくさん含有する。種類によるにしても穀類、イモ類、バナナ、といったものです。
豆類は、必ずしもでんぷんメインじゃないし栽培的栄養的にいろいろあって主食になりきれない、残念な子。
これらの植物は、でんぷんの多い植物を求める人間の技術に乗って、いっきに植生範囲を増やした。

高血糖は、あたりまえだが血中ブドウ糖が上昇すること、そしてそれは、とても気持ちがいい。飯食った後やってくる満足感を、繰り返し味わいたくて人間は飯を食う。
スイーツ(笑)もいっしょ。とくにアメリカ人たちとコースレストランに行って、デザートにかける情熱を見たらそう思うって。
でんぷん含有率を極限まで上げて、食後の高血糖で中毒症状をおこさせ自らの植生範囲をひろげる、主食作物の生存戦略に、人間はのせられているわけです。結果として植物の勝利ですねw
、、、、植物に目的意識はないし、「入りやすい温泉が結果としてよく整備される」程度の意味ではあるが。

よくある話だろうが、減量と称して食事を減らし、カロリー制限する。いっぽうで、そのなかでこれくらいはと甘いものを入れる。結果はいうまでもない。
考えれば、「ろくなおかずもないのにご飯ばかり」というのは貧乏人の食卓である。むかしはそれでも労働強度も消費エネルギーもすごかったからやりくりできたろうが。
もともと農村部が主体の宗教団体の病院があって、団体関係者の縁者たちがナースしているのだが。みごとにチビガリデブばかりだったと、そこに勤めていた知人に聞いたことがある。これはもう、みんな栄養失調でこうなるんだろうと思ってみていたそうだ。

たまにうっとりするのは素敵ですが、昔の人ですら「腹八分目」といった。正月盆におまつりは高血糖でうっとりできる数少ない機会だった。いまのように年から年中やってたら体にいいわけがない。
あまりにお手軽にとりこめるものだからでんぷん食品摂取は魅力ではあるが、こころがけて、総カロリーを制約するに当たって、でんぷんは極力絞って油脂の比率をあげておくほうが、いまのところの人体の生理機構には合致しているようには、たしかに思う。

ただ、やってみればわかるが、満腹感満足感なしに食事を切り上げるのは、なかなか難しい。
会田雄二は、アーロン収容所の著作で、イギリス人司令の性生活を垣間見て、延々つづくセックスに辟易したことを語っている。絶頂のないセックスと、満腹感のない肉食は通じるものがあるかもしれない。最後にぐんと血糖あげるのが射精の快感に通じるのであれば、コースの最後のデザートが大切なのも当然ですかね。

酸素だって、古代の生物には毒そのものであった。それを生体維持サイクルにとりこんだ生物が生き延びて繁栄したわけですが、今も、過剰な活性酸素は困り者なんだし。
必要だからってそれがすべからくいいものだとは限らんのだよね。「過剰摂取」をどのポイントにおくかという話になります。

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