モンスター患者と研修医養成システム ― 2009/11/30 21:41
帰りの電車で同科開業医の先生と一緒になって、厄介な患者が増えたと話題になった。
最近の症例をお互いに陳列すると、、、、とうていありえない医療ばかり主張する。パラメディカルを人間扱いしない。ガムかんだりしてるのは珍しくもなく、いきなり弁当を待合で食い始めたりする、などなど。救急のコンビニ受診はいうまでもなく。
医療を、たぶん自動販売機みたいにしか思ってないのだろう。人間が人間相手にやることなのに、そんなに態度が悪くちゃまともに相手にされなくて、それは結局自分の損になるのがぜんぜんわかってない。これ、たいがいはいい年したおばちゃんおじさんたちです。
そこで話はちょっと飛ぶ。
新研修制度が始まって、研修医をあつめるのに、多施設で共有できるマニュアル化された教育システムがある(ようなふりする)必要があるといいだした人がいて、私は、当初、教える側にあまりに恣意的に左右されるシステムはたまらんと思ってたので、それもいいなあと思っていたが、どうもそうではないような気がしてきた。そういうマニュアルに集まるのはけっきょくは、口あけてたら知識や技術を口に放り込んでもらえると思うお客様気分の奴ばかりで、そういうのを甘やかしていいもんだろうかと。
だいたいこの国の医学教育システムはトップをきっちり評価するようになってないし、下は情緒的な反応ばかりで動く。教授クラスは養成システムを考案してそれでいいのかもしれんが、実際にそれを運用させられる現場はたまったものではない。
医療というか、医術というのは、そもそもそういうシステム的育成になじまないのではないか。教える側も教わる側もひとりひとりちがって、そこには生涯の恩師との出会いもあろうし、相性の悪さもあろう。そういう運不運も含めての人生であり、社会であると、最近開き直るように思う。
システム化したら、それを継続運用させることがこんどは自己目的になるだろう。厚生労働省のいう新研修指導医認定プログラムに参加した医師ならわかるだろうが、あんなアホなことをこの調子で増殖させられてはたまらない。
こういうシステムを求めて安心する研修医も、お客様気分であるところはじはじめにあげたモンスター患者と同根のように思う。
迎合してどうするのかと思う。
最近の症例をお互いに陳列すると、、、、とうていありえない医療ばかり主張する。パラメディカルを人間扱いしない。ガムかんだりしてるのは珍しくもなく、いきなり弁当を待合で食い始めたりする、などなど。救急のコンビニ受診はいうまでもなく。
医療を、たぶん自動販売機みたいにしか思ってないのだろう。人間が人間相手にやることなのに、そんなに態度が悪くちゃまともに相手にされなくて、それは結局自分の損になるのがぜんぜんわかってない。これ、たいがいはいい年したおばちゃんおじさんたちです。
そこで話はちょっと飛ぶ。
新研修制度が始まって、研修医をあつめるのに、多施設で共有できるマニュアル化された教育システムがある(ようなふりする)必要があるといいだした人がいて、私は、当初、教える側にあまりに恣意的に左右されるシステムはたまらんと思ってたので、それもいいなあと思っていたが、どうもそうではないような気がしてきた。そういうマニュアルに集まるのはけっきょくは、口あけてたら知識や技術を口に放り込んでもらえると思うお客様気分の奴ばかりで、そういうのを甘やかしていいもんだろうかと。
だいたいこの国の医学教育システムはトップをきっちり評価するようになってないし、下は情緒的な反応ばかりで動く。教授クラスは養成システムを考案してそれでいいのかもしれんが、実際にそれを運用させられる現場はたまったものではない。
医療というか、医術というのは、そもそもそういうシステム的育成になじまないのではないか。教える側も教わる側もひとりひとりちがって、そこには生涯の恩師との出会いもあろうし、相性の悪さもあろう。そういう運不運も含めての人生であり、社会であると、最近開き直るように思う。
システム化したら、それを継続運用させることがこんどは自己目的になるだろう。厚生労働省のいう新研修指導医認定プログラムに参加した医師ならわかるだろうが、あんなアホなことをこの調子で増殖させられてはたまらない。
こういうシステムを求めて安心する研修医も、お客様気分であるところはじはじめにあげたモンスター患者と同根のように思う。
迎合してどうするのかと思う。
by 稲亀石 [医療] [社会] [勤務医事情] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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