稲亀石の、田舎目医者日記

放射線、基準濃度の１００倍の汚染水が１万トン、ですか。

１万トンというと、１００ｍ四方で厚みが１ｍの水に当たる。
それを１００倍希釈だから１キロ四方ですか。しかも外海でしょ。
言っちゃ悪いがあっというまに薄まって、それでしまい。
これ以上現場で煮詰まって身動きが取れなくなる前に流して当然。

あと、生体濃縮といってるのは、意味わかってるんだろうか。
有機物は濃縮されるが、無機物は、同位元素による取り込みに差がないから、濃縮はないだろう。一時的にそういうものを食った魚を集中的に食えば知らんが。特にヨウ素は半減期も短い。

今回に限って言えばさっさと「水に流す」しかないと思う。
騒ぐけど、水爆実験の放射線と比べたことあるんだろうかね。アメリカもそれがわかってるから何もいわんだろう。

たとえば新幹線に乗ると、ずいぶん空いている。一時的なのかどうかはわからない。
では、本数を減らせるのか？減らして電力も減らせるかもしれんが、それに応じて職員はいらなくなる。じゃあその人たちはやめさせるのか？
列車はどうする？おいておく場所はあるのか？使わなければ金も生まない。列車を減らせば、保守要員も減ることになる。
ある規模に達しているということはそこでバランスをとっているということで、ダウンサイズするといろいろ影響が出てくる。

商業施設が無休になるのも、「閉めておいては金にならないから」です。おたがいにぎりぎりのところで競争しているから、休んで上がりが減ったらそのまま「負け」に一直線。
全速力で走るか、やめるかしかない。

みんなやめはじめたら、あっというまに何も動かなくなるんではないか　－　これがたぶん経済界のあちこちの恐怖の基本だろう。だから「買え」「遊べ」「使え」という。

スローライフはいい。すばらしい。しかし、全速力で走っているものが国を引っ張っているから、ものも情報もあって、そこそこスローライフも楽しめる。
目先の状況として、使える電力がないのですべてダウンサイズするしかない。本当にものがなくなったときのスローライフは、なかなかしんどいと思う。特に都市部じゃ話にならない。
しかも、この先状況がよくなるという希望がない場合、治安は維持できるんでしょうかね。みなが田舎に引っ込めるほど田舎にキャパは無いだろう、だから田舎なのだし。

いまや文化活動の源は電力です。震災前にしたってそんなに潤沢にあったわけではなくぎりぎりだったろうし、だから夏の冷房需要でやばくなっていた。産業活動に多くが使われるのであって、一般家庭で少々節電したところで、今回の電力消失に対応できるはずがない。いや、節電は大切と思うが、その一方で、だれでも使えるように供給しなければ、それこそ大格差や利権のもとになるぞ。そこそこフェアな市民社会の維持には欠かせまい。
今後の回復も、どう考えても電力が律速になるのだから、電力量の知れてしかも金のかかる水力だの、狭い国では環境負荷のかかりすぎる風力だの、夜は役に立たない太陽光だの、工業原料を燃やしCO2撒き散らして効率のわるい火力だのいわないで、原子力しかないというしかないのではないの？

いろいろ利権につながるもんだからご機嫌とってるふりして金ばら撒いて、それでも建て替えが遅れての福島の現状でしょ。女川は地震にも津波にも耐えたぞ。結果論ですが。
今回学ぶべきは、安全のためには、強権をもってしてでも、つねによいものを作り続け悪いものはなくしていく、ということのはず。
タブーがあるとものごとは腐る。一方的に断罪してさけぶのはやめてほしい。今でも敦賀の原発前でシュプレヒコール上げてる連中がいるそうな。

ヒステリックにクレームをつけてものごとを足踏みさせてきた連中のつくった党が、政権をとって、「仕方ない我慢しろ」と国民に言わねばならない状況におちいったのは皮肉とは思う。言えるのかどうなのか。ま、権力取ったらあとはいっしょというかｗ
だからこそ、この最低の政権で、現状をなんとかするしかない。「人を換えたらうまくいく」という幻想はもうやめようよ。「馬鹿が政権をとってもそこそこ動く」ようにシステムを作るしかないじゃないの。
無理、、、かもねえ、、、、、