コンビニ紹介: コンビニ受診は、患者だけの問題ではない ― 2011/08/27 02:04
救急で、べつにそうじゃない患者が平然と、普段忙しいからいま診ろとやってくるという話はよくあるのですが。
実感として最近思うのですが、これ、患者にかぎらなくなってきた。
地方中核病院として信頼されるのはふつうにありがたいのですが、それにしても、もうちょっと何とかならないかと思うことが増えてきたわけで。
開業医や、小病院からの紹介をいただく。うちは病診連携室があるのでそこに連絡のうえ受診のシステムにいちおうなっているし、そうじゃなくても顔なじみの先生は電話で一報くださる。
いきなり送りつけるのは、こちらも人手がたらないのでやめてほしいのだが。また、半端に手をつけた症例をいきなり放り込むのはどういうことか。しかも私を名指しでというと身動きが取れない。
例1
朝怪我をしたというのはわかります。目の辺りに石がぶつかって切れたので、なにがあるかわからないからとにかくいけと、朝いちばんで眼科開業医が診てうちに紹介状を書いたのみで連絡なし、その患者はそのまま10時すぎにこられた。
眼瞼の皮膚がすっぱり切れていて縫合はいると思うのだが、外来が午後までいっぱいで到底手が回らない。そもそも、眼球には破裂もないし、形成外科の領域。
運悪くうちの形成外科は先生が休み、近所の開業医先生も手が回らない、市内同規模の別の病院の形成は手術日で無理と。
紹介した医院に連絡したが、うちでもできないとおっしゃる。まあ外科処置の出来る体制でないのは存じておりますが、それにしても一言も事前になく押し付けてそれでおわりってどうよ。
結局、うちの病院の、整形外科の日直待機が救急外来で縫合してくれたのですが、受け入れ態勢くらい確認してほしい。紹介医の直接の依頼がはやくからあれば市内別病院も開業医先生も何とかなることが多いのだから、うちに忙しい中やらせないでください。
例2
むかしからぶどう膜炎が出たり消えたり正体不明。白内障が進んだというのでちょっと前に、小病院から紹介されてきて、チン小帯よわいし視機能も悪いので両眼 ICCE して帰した。
そしたら、眼圧が下がらなくなったのでよろしくといきなりまた紹介状のみで送られてきたのだが、そもそもの経過もよくわからない上に、紹介日前日にケナコルトの後部テノン嚢下注入までしてる。
ええと、もともとステロイド点眼してたんでしょ。眼圧がそのせいか確認もしないのに持続性のあるケナコルトいれて、そのうえでさっさとこっちに流してくるってどういうことよ。手をだすなら、しまいまで面倒見る気でだしてくれませんかね。そうじゃなきゃなにもしないでほしい。
いずれも、紹介状の返事に、事前に連絡くれるよう、もしくは、これまでのことがわからず対応は非常に困難と、嫌味のように書いたが、こんなこと、書きたくないのですよ。
目の前の患者はいわれたように動いてるだけだから余計困る。いきなりきた人に手がかかれば、待ってる人は余計に待つことになる。
急性期で、手に負えないものを有無を言わせず押し付ける、という態度があからさまなのが困るのです。もうちょっとちゃんと情報を共有して、いっしょに治療しましょうということにはならないものなのか。できることはやったうえであらかじめ連絡くださるならこんなことは言わない。
ま、大学病院あたりが、やるだけやって、もう手はないし経過観察のみを、遠いのでお願い、といって送りつけてくるならわからなくもないのですが。うちが遠方の病院にそれをするときは、そこからあらたに開業医の先生にふってくださるよう書くようにしている。地元のことはわからんしね。
お気楽に押し付けられるというのも、なにがきてもそれなりに文句言わず応対してきたからに違いない。
「あってあたりまえ」の診療体制にはありがたみがなくて、コンビニ扱いされるにいたるのは、患者だけの話ではない。医師だってそうなるのです。つか、そうなりつつある実感があります。
日本大丈夫じゃないよなあ、と言いたくもなるわけで。ぶら下がるのが好きな人間が増えすぎじゃないか。
実感として最近思うのですが、これ、患者にかぎらなくなってきた。
地方中核病院として信頼されるのはふつうにありがたいのですが、それにしても、もうちょっと何とかならないかと思うことが増えてきたわけで。
開業医や、小病院からの紹介をいただく。うちは病診連携室があるのでそこに連絡のうえ受診のシステムにいちおうなっているし、そうじゃなくても顔なじみの先生は電話で一報くださる。
いきなり送りつけるのは、こちらも人手がたらないのでやめてほしいのだが。また、半端に手をつけた症例をいきなり放り込むのはどういうことか。しかも私を名指しでというと身動きが取れない。
例1
朝怪我をしたというのはわかります。目の辺りに石がぶつかって切れたので、なにがあるかわからないからとにかくいけと、朝いちばんで眼科開業医が診てうちに紹介状を書いたのみで連絡なし、その患者はそのまま10時すぎにこられた。
眼瞼の皮膚がすっぱり切れていて縫合はいると思うのだが、外来が午後までいっぱいで到底手が回らない。そもそも、眼球には破裂もないし、形成外科の領域。
運悪くうちの形成外科は先生が休み、近所の開業医先生も手が回らない、市内同規模の別の病院の形成は手術日で無理と。
紹介した医院に連絡したが、うちでもできないとおっしゃる。まあ外科処置の出来る体制でないのは存じておりますが、それにしても一言も事前になく押し付けてそれでおわりってどうよ。
結局、うちの病院の、整形外科の日直待機が救急外来で縫合してくれたのですが、受け入れ態勢くらい確認してほしい。紹介医の直接の依頼がはやくからあれば市内別病院も開業医先生も何とかなることが多いのだから、うちに忙しい中やらせないでください。
例2
むかしからぶどう膜炎が出たり消えたり正体不明。白内障が進んだというのでちょっと前に、小病院から紹介されてきて、チン小帯よわいし視機能も悪いので両眼 ICCE して帰した。
そしたら、眼圧が下がらなくなったのでよろしくといきなりまた紹介状のみで送られてきたのだが、そもそもの経過もよくわからない上に、紹介日前日にケナコルトの後部テノン嚢下注入までしてる。
ええと、もともとステロイド点眼してたんでしょ。眼圧がそのせいか確認もしないのに持続性のあるケナコルトいれて、そのうえでさっさとこっちに流してくるってどういうことよ。手をだすなら、しまいまで面倒見る気でだしてくれませんかね。そうじゃなきゃなにもしないでほしい。
いずれも、紹介状の返事に、事前に連絡くれるよう、もしくは、これまでのことがわからず対応は非常に困難と、嫌味のように書いたが、こんなこと、書きたくないのですよ。
目の前の患者はいわれたように動いてるだけだから余計困る。いきなりきた人に手がかかれば、待ってる人は余計に待つことになる。
急性期で、手に負えないものを有無を言わせず押し付ける、という態度があからさまなのが困るのです。もうちょっとちゃんと情報を共有して、いっしょに治療しましょうということにはならないものなのか。できることはやったうえであらかじめ連絡くださるならこんなことは言わない。
ま、大学病院あたりが、やるだけやって、もう手はないし経過観察のみを、遠いのでお願い、といって送りつけてくるならわからなくもないのですが。うちが遠方の病院にそれをするときは、そこからあらたに開業医の先生にふってくださるよう書くようにしている。地元のことはわからんしね。
お気楽に押し付けられるというのも、なにがきてもそれなりに文句言わず応対してきたからに違いない。
「あってあたりまえ」の診療体制にはありがたみがなくて、コンビニ扱いされるにいたるのは、患者だけの話ではない。医師だってそうなるのです。つか、そうなりつつある実感があります。
日本大丈夫じゃないよなあ、と言いたくもなるわけで。ぶら下がるのが好きな人間が増えすぎじゃないか。
コメント
_ まこりん ― 2011/08/27 16:48
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病院同士の不手際でも、言われると、自分が悪いような気になる・・・「先生、患者にはやさしく言ってね。でも、突然に治療の方針を決めたり、手続きしたりしなければならないセンセイも、病院も、患者も、大変なんですね。何でも、話し合って、互いに納得して、協力して、治療できるようにと、目指すところはいっしょなのにね。」
がんばってください。ありがとう。
トルコ風呂、おもしろかった。(^O^)/ 女性用もあればいいのに・・・言葉が通じなかったり、ぼったくられたり?・・・海外旅行行きたいなあ。。。