網膜剥離の追加手術 ― 2010/11/05 11:31
網膜剥離手術、バックル置き直しは「失敗」か
http://inakameishi.asablo.jp/blog/2010/10/19/5426910
の続きです。
知人の病院での話。
前に網膜剥離を治療され、同一入院中に追加手術して復位したが、その僚眼も網膜剥離。研修医の外来でみつかってその研修医が主治医になった。廻診で、「前の手術はいっぺん失敗した」といわれて気を悪くした部長が、もう手は出さないと言っていた件。
下の裂孔で、黄斑も剥離してないので、白内障手術の数日後に研修医執刀で経強膜で手術をしたそうな。角膜もまだ悪く、周辺見づらくてやりにくかったらしい。
部長は指導医で入って、介助しながらこれをこうそこはこうと言ってたら、時間もかかるし手際も悪いので「さっさとやってくださいよ」と穴あきの下から声が出たらしい。「近視で孔も見にくいから時間がかかるのは我慢してください」と即座に言ったが、さすがに各ステップすこしは研修医に触らせてそのあとは部長がやったそうです。時間がかかると医者もしんどいですからね。
下液の排出が完全にはできず、ある程度歳がいってて硝子体もゆるくて、高いバックルでもおさえきれなかったと。下の剥離なもんでガスもいれにくい。なんとかなるかと安静にしていたが、1週間後にバックルはずして再度下液をぬいたそうです。バックルはそのあと同じ縫合糸に戻し、それで治ってまずはめでたし。
追加手術のあとも診察のたびに再発の可能性をしつこく説明されて、神経質な患者はけっこう疲れていたそうな。
ま、実際には研修医にやらせっぱなしで手を出さん、というわけにいかんですわね。
医者からみたら初回入院復位例でOKなのだが、術中下液排出時眼がふにゃふにゃになったのを、初回時は放置、追加時は前房にBSSいれてしつこく下液をぬいたのがよかったというので、それははじめからやっとけばよかったんじゃないかねえとは思うがこれこそ後医は名医。
http://inakameishi.asablo.jp/blog/2010/10/19/5426910
の続きです。
知人の病院での話。
前に網膜剥離を治療され、同一入院中に追加手術して復位したが、その僚眼も網膜剥離。研修医の外来でみつかってその研修医が主治医になった。廻診で、「前の手術はいっぺん失敗した」といわれて気を悪くした部長が、もう手は出さないと言っていた件。
下の裂孔で、黄斑も剥離してないので、白内障手術の数日後に研修医執刀で経強膜で手術をしたそうな。角膜もまだ悪く、周辺見づらくてやりにくかったらしい。
部長は指導医で入って、介助しながらこれをこうそこはこうと言ってたら、時間もかかるし手際も悪いので「さっさとやってくださいよ」と穴あきの下から声が出たらしい。「近視で孔も見にくいから時間がかかるのは我慢してください」と即座に言ったが、さすがに各ステップすこしは研修医に触らせてそのあとは部長がやったそうです。時間がかかると医者もしんどいですからね。
下液の排出が完全にはできず、ある程度歳がいってて硝子体もゆるくて、高いバックルでもおさえきれなかったと。下の剥離なもんでガスもいれにくい。なんとかなるかと安静にしていたが、1週間後にバックルはずして再度下液をぬいたそうです。バックルはそのあと同じ縫合糸に戻し、それで治ってまずはめでたし。
追加手術のあとも診察のたびに再発の可能性をしつこく説明されて、神経質な患者はけっこう疲れていたそうな。
ま、実際には研修医にやらせっぱなしで手を出さん、というわけにいかんですわね。
医者からみたら初回入院復位例でOKなのだが、術中下液排出時眼がふにゃふにゃになったのを、初回時は放置、追加時は前房にBSSいれてしつこく下液をぬいたのがよかったというので、それははじめからやっとけばよかったんじゃないかねえとは思うがこれこそ後医は名医。
セカンドオピニオンはお好きにどうぞ ― 2010/11/05 14:09
セカンドオピニオンは患者の権利であるから好きにして下さったらいいと思う。
ただ、眼に余る場合は治療にならないから、それならもうそちらにいって治療してもらってくださいと言うことはある。
以前こういうことがあった。
やや高齢。1週間前から眼がかすむと近医受診、ぶどう膜炎で当院に紹介になった。硝子体がきたなく、周辺に滲出があり、後極にも白っぽいところがある。片眼性。全身に特に訴えはない。
むかし結核があったがこれは沈静しておりツ反も弱陽性程度。リウマチ因子抗核抗体ACEも陰性。胸部写真も古い結核結節のみ。血液像も正常。
なにがしかの感染からを考え、少し離れた大学病院の、こういうものを専門にしている知人に診てもらっても、全身の真菌を検索したうえで、治療としては感染増悪するかもしれないがケナコルトを後部テノン嚢下にいれてみるか、硝子体切除して培養やPCRしたらどうかという話になった。
患者と配偶者にはそのように説明し、真菌症の検索は内科に依頼、にごりはよくならないし視力も異様に悪いし、先にケナコルトでは本当に感染だったら激悪化したときに困るので、23ゲージで硝子体をきれいにして調べましょうということになった。
こういうものはあまり待たないほうがいいと思うのだが、手術予定の5日前になって、別居の家族だかがセカンドオピニオンを求めているのでちょっと待ってほしいと言い出した。
すでに私の紹介で大学にもいっているのだが、そのほかにという。
ここからが、医者から見たらまともじゃないところなのだが、どなたにオピニオンを求めるのかときくと、それを調べてもらっていますと。眼科に詳しい身内が入るのかと言うとそうではないそうで、あきれてしまった。
言っちゃ悪いが医師のよしあしなんて、科が違えば医師にだってわからない。「有名な医者だから」「有名な病院だから」といって、自分の病気の専門の医師が出てくるとは一切かぎらないし、相手の言うことの真偽だって素人にわかるはずもない。目の前の医者が(私、と言うわけではなく、こういう場合は、です)いちばん状況を把握しているのに決まっているのです。
私は自分の知った専門家でないと到底紹介する度胸はないので、当院のセカンドオピニオン外来のやりかたでやることにした。
当院では、セカンドオピニオンは保険ではなく30分5千円。自前の検査は一切しない。患者の持ち込んだ検査データ等にもとづいて意見を言うことになっている。
検査結果をコピー、眼底写真や FA もプリントしなおし、今回の件に関するカルテを全部コピーして渡した。カルテ開示の手続きが必要で、本来時間がかかるのだが、手術がすぐいるかもしれないのでと事務に無理やりその場で手続きをさせた。
先方がこれをみて、その上で通常の保険診療として検査治療するかは先方に任せます。あれこれまわってもいいことがあるとは思えないので、行った先で治療を受けてください、こちらはもう予約はしません。
保険医療では、施設や医師によっての技術の差はないことになっている(チャージは同じですからね)ので、こちらでやっても先方でやっても制度上はおなじことです。
忙しい時期なのでうちで手術しなくてすむのは助かったのだが、心配なのはわかるが外野の身内ほど役に立たないものはない。
この調子では治療途中にまたどういうつまずきがあって動きが取れなくなるかわかったものでもない。
私に信頼が置けないと言うのだろうから申し訳ないが、それなら余計に、さっさとよそに行かれたほうがお互いのためでもあるからこれでよかったのです。
私に遠慮して行き先がもうあるのにいわなかっただけかもしれませんが、なおさらにいって頂いてよかったでしょうね。
古い考えかもしれないが、患者が自分の病気についてすべて理解把握するのは無理で、「おまかせする」という言葉は大嫌いなのだが、実際にはそうならざるを得ないのだと思う。
まともな医者は、取引するわけでもなし、通常いちばんいいと思われる選択枝をはじめに出すものです。もちろん結果は保証しません。その場その場でもっともいいと考える方法をとりますけどね。
ただ、眼に余る場合は治療にならないから、それならもうそちらにいって治療してもらってくださいと言うことはある。
以前こういうことがあった。
やや高齢。1週間前から眼がかすむと近医受診、ぶどう膜炎で当院に紹介になった。硝子体がきたなく、周辺に滲出があり、後極にも白っぽいところがある。片眼性。全身に特に訴えはない。
むかし結核があったがこれは沈静しておりツ反も弱陽性程度。リウマチ因子抗核抗体ACEも陰性。胸部写真も古い結核結節のみ。血液像も正常。
なにがしかの感染からを考え、少し離れた大学病院の、こういうものを専門にしている知人に診てもらっても、全身の真菌を検索したうえで、治療としては感染増悪するかもしれないがケナコルトを後部テノン嚢下にいれてみるか、硝子体切除して培養やPCRしたらどうかという話になった。
患者と配偶者にはそのように説明し、真菌症の検索は内科に依頼、にごりはよくならないし視力も異様に悪いし、先にケナコルトでは本当に感染だったら激悪化したときに困るので、23ゲージで硝子体をきれいにして調べましょうということになった。
こういうものはあまり待たないほうがいいと思うのだが、手術予定の5日前になって、別居の家族だかがセカンドオピニオンを求めているのでちょっと待ってほしいと言い出した。
すでに私の紹介で大学にもいっているのだが、そのほかにという。
ここからが、医者から見たらまともじゃないところなのだが、どなたにオピニオンを求めるのかときくと、それを調べてもらっていますと。眼科に詳しい身内が入るのかと言うとそうではないそうで、あきれてしまった。
言っちゃ悪いが医師のよしあしなんて、科が違えば医師にだってわからない。「有名な医者だから」「有名な病院だから」といって、自分の病気の専門の医師が出てくるとは一切かぎらないし、相手の言うことの真偽だって素人にわかるはずもない。目の前の医者が(私、と言うわけではなく、こういう場合は、です)いちばん状況を把握しているのに決まっているのです。
私は自分の知った専門家でないと到底紹介する度胸はないので、当院のセカンドオピニオン外来のやりかたでやることにした。
当院では、セカンドオピニオンは保険ではなく30分5千円。自前の検査は一切しない。患者の持ち込んだ検査データ等にもとづいて意見を言うことになっている。
検査結果をコピー、眼底写真や FA もプリントしなおし、今回の件に関するカルテを全部コピーして渡した。カルテ開示の手続きが必要で、本来時間がかかるのだが、手術がすぐいるかもしれないのでと事務に無理やりその場で手続きをさせた。
先方がこれをみて、その上で通常の保険診療として検査治療するかは先方に任せます。あれこれまわってもいいことがあるとは思えないので、行った先で治療を受けてください、こちらはもう予約はしません。
保険医療では、施設や医師によっての技術の差はないことになっている(チャージは同じですからね)ので、こちらでやっても先方でやっても制度上はおなじことです。
忙しい時期なのでうちで手術しなくてすむのは助かったのだが、心配なのはわかるが外野の身内ほど役に立たないものはない。
この調子では治療途中にまたどういうつまずきがあって動きが取れなくなるかわかったものでもない。
私に信頼が置けないと言うのだろうから申し訳ないが、それなら余計に、さっさとよそに行かれたほうがお互いのためでもあるからこれでよかったのです。
私に遠慮して行き先がもうあるのにいわなかっただけかもしれませんが、なおさらにいって頂いてよかったでしょうね。
古い考えかもしれないが、患者が自分の病気についてすべて理解把握するのは無理で、「おまかせする」という言葉は大嫌いなのだが、実際にはそうならざるを得ないのだと思う。
まともな医者は、取引するわけでもなし、通常いちばんいいと思われる選択枝をはじめに出すものです。もちろん結果は保証しません。その場その場でもっともいいと考える方法をとりますけどね。
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