都議会の野次 ― 2014/06/21 12:58
都議会で女性議員がセクハラ野次をうけただのどうので騒ぎになっていて、イラクもふくめ、世界あちこちえらいことになってるのに、ある種牧歌的な日本の政治風景である。
女性議員のいままでの言動からして何か言われても仕方ないのどうのという向きもあるが、そういう議員であれば、なおのことやり返してくることぐらい考えなきゃいかんし、これは相手を舐めたのがまずいけない。
自民が緩みまくってるということで、仕方ない薬ではないですか。自民党議員の発言にきめつけてしまって、もし違ったらごめんなさい。
それでまあ、思ったことを。
国会もそうですが、以前より、野次はひどかったでしょうしレベルもこれよりひどいものはいくらでもあったはず。
いちいち罰するというとどの程度のものを許すのかさて野次を許すのかという話にならざるを得ず、まあべつにそれでもいいけど、たぶん運営してるほうは「まあまあ」でするーしたい話でしょう。
システム的に言葉狩りになりかねない仕組みに期待するより、誰がどういう野次を放ったか、議会での野次の現状はどうなのかをきっちり報道するのが重要と思うのです。
発言中に突っ込む、というのは決して悪いものではないと思うので、すべての野次を禁じることには私は懐疑的です。
壇上と客席との間に知的なやり取りのある学術集会はいくらでもある。そこまでのレベルに達してないのが残念なのですが。知識人は最後まで相手の言うことを聞いてやりとりするんだという人もいますけど、議員がそもそも知識人であるという前提もありえんように思うし(笑
早い話、やじられて、きっちりそこで切り返すだけの知力もあればいいのは確かで、なんでも保護や禁止では退化しそうな。
たとえば、「黙んなさい」(べつに知的な切り返しじゃないが)の一喝があって、その野次の歴とした内容と、飛ばした議員について報道があれば済む話。
報道はなにしとるんですかね。下品な野次を淘汰するのは、そういう阿呆はさらされるという積み重ねではないですか。
この件では野次が馬鹿側ですが、壇上の議員側が馬鹿言ったらじゃあ野次もなしに大人しく聞くのかとも思うのですね。
授業中は静かにするもんだという人もいるのですが、先生から教えてもらうという状況ではなくここは意見をやりとりする場なので、学校や幼稚園のアナロジーはちょっと違う。
あまりに馬鹿なことを言うのでひどいブーイングで途中で引っ込むなんてこともありえなきゃ実社会じゃないです。
全く野次もなしに粛々と議会が運営される方が私はこわいと思っています。仕方のない不純物です。
なににしても、「自民党的運営」に反発もってるひとたちが、ここぞとばかりに声を上げているのが目立つ。
自民への鬱憤をこれぞとばかりに晴らそうという感じなんですが、こんな敵失、いくら突っ込んでも大した効果はないと思うのですがね。
あまり騒ぐと、結局議会の進行のためなにかと引き換えに振り上げた手をおろす条件をつけざるをえないが、自民の執行部はすでに個人の愚行で切り上げる準備してる。
つきつめたところでこの問題の発言議員が自発的に謝罪会見して、ついでに自民党がうちの議員が馬鹿言ってごめんねいろいろ自粛させますとどうでもいい頭を下げる程度のおちになることは目に見えている。
そんなものと引き換えに今後の円満な議事進行を野党側も了承するなら、自民にとっても実はいい話なんじゃないですかねえ。このへん私の予想はよく外れますw
なににしても、野次そのものは、どうしようという話にもなるまい。なぜなら、それを利用して相手にいろいろねじ込める道具にできるのが、今回の騒ぎで再確認されたからです。便利な道具になりそうなものはどちらも手放しません。
これで日本のイメージがまた、と心配する向き。この騒ぎは基本的には「日本の政治家が失言で叩かれました」ということです。失言する政治家はどこにでもいることは世界共通であって自意識過剰。
加えて、日本ではこの都議会議員レベルの男性はいくらでもいるんだから、日本の現実を知らしめたということでおわりです。
(2014.06.24.追記)
鈴木氏が謝罪して会派離脱、というオチになりました。
さてつぎは、塩村議員がいろいろこそこそいじめられるターンが始まるんじゃないですか。おじさん社会がおわったわけではぜんぜんないので。
ついでに、今後は「ほめ殺し」タイプのヤジが流行るんじゃないかと予想しときます。
私の予想はたいがい外れますが(笑
by 稲亀石 [社会] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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