甲斐荘楠音展2023/03/02 19:14

甲斐荘楠音展に行った。




映画資料が多く、時代劇がばんばん作られて衣装に予算が降ってきた時代は着物業界も良かったろう。生活に和服も生きていた。映画人も和服業界人も祇園の上客だった頃の話。

この人のよく知られた絵は目の周りが異様に赤い。厚塗りだから酔って赤いのではない。
まあ魔性っぽいのだが、昨日から花粉症でこすりまくって目の周りの赤い私は違う方向に感情移入するのだった。

でかい未完成遺作が二つあった。
若いころは、やり残しがある人生は後悔があるんじゃないかと思っっていたが、すべてやり終えるなんてより、いつまでたってもやりたいことがあって終わらない方が死ぬまで楽しいんだろうと思うようになったのは齢のせいか。

映画 イニシェリン島の精霊 ほか感想2023/03/18 13:14

映画「イニシェリン島の精霊」みてきた。ネタバレします。


テーマは、凡庸の呪い、とでもいうべきか、気楽でひとはいいけど退屈な男に、友人付き合いしてきた音楽家がいきなり縁切りを告げるのですが、「凡庸な男に時間を食われるのが嫌」よりむしろ、「自分のなかの凡庸さをこの男を通して見るのが耐えられない」からじゃないかという気がする。

理屈つけて考えようとすればいろいろ考えられる映画ではあるが、それよりもである。
この音楽家が自分の指を切り落とし、「興奮してるせいかあまり痛みは感じない」とか言ってる。
そりゃないやろうと、chatGPTに、この音楽家が指を落としても痛みをあまり感じない原因として可能性のある病気を訊いてみたら「糖尿病」という非常にもっともらしい答えが返ってきた。
太ってるしよく吞むし。
それをいうなら「イニシェリン島」というのもなんかそれっぽいなあと、いや偶然でしょけどね。ランゲルハンス島とまではさすがにいかない。

だったとして、まともに糖尿病治療中とも見えんし、コントロール不良状態ならそう指ぽんぽん切ったら感染で死ぬ。
そうじゃなくてもでかい鋏でたんに切り落とすだけという設定だから、感染の描写はないのかと私はずっと気にして観ていた
犬が鋏を使わせまいと引っ張っていく場面からあとのこの映画は、しつこくくどくいろんなネタをばらまいて冗談やってると思う。

知人から聞いた。糖尿病黄斑浮腫に関するなんかの治験で、参加してもらった糖尿病の患者さんで小刀で指の先を切り落とし、そのまま捨てたという人がいたそうな。
当然治験においては有害事象になったという。この方はわざと切り落としたわけではないけど、切り落としても平然としてたらしいです。

話がずれました、糖尿病というのは勝手にこっちでくっつけた設定ですから念のため。

ほか、ホームシアターで観た映画。

テルマ&ルイー」 彼女らの目の前に出てくる男がマッチョか女たらししかいないのがすごいな。追跡する部長刑事(っぽい)だけやたらまともだし、なんかいろいろ変、しかしこういう居心地の悪さの上に男にとってのフェミニズムが立っとるんやろう。
グリーンブック」 いちばんきつそうなところはするっとかわす感じで面白かった。

岸田首相のウクライナ 連帯と呪具2023/03/24 12:04

岸田さんのウクライナ訪問、情報の漏洩がどうのという話題になった。

ウクライナまで行くこと自体までとやかく言う向きもあります。ここで噛んでおかないと台湾有事の時に見捨てられる可能性をあげるから、これは行くべきでしょう。

出発の風景が数時間遅れの報道だったのは協定なんでしょう。その後も遠景が撮られていて、つまり報道陣は一行がどこにいるかわかっていたということになります。

会談するとなるとゼレンスキーさんの居所もリアルタイムでわかってしまうから、そこに直接なんか撃ち込まれたりしないかと、ついつい思ってしまったのですが、、、

これ、ウクライナ国内に関して言えば、各メディアが好きに動けた筈もない。ウクライナ現地当局がいろいろコントロールしてたろう。

とすればむしろ、ウクライナ当局にしてみたら、すべて連帯を強調する宣伝だったんじゃない?
いや、なんでも利用するのはわかるし、悪いとは言っていません。

「しゃもじ」も、なんかあれこれ言う人いるみたいですが財政支援の上での話だし、宣伝として使うなら、連帯の象徴としてそれでええやんかという感じ。

そのしゃもじです。
日清日露のいわれはともかくとしても、現代の戦争で、武器の代わりに変な形の呪術用具をもってきた遠方の異教国という、これぐらいの不気味さはむしろあったほうがいい。
しかも「うまい棒」の箱に入れて持っていったとか、小説にしたら、やりすぎだと、却下されそう。

でもまあ、千人針とかウクライナ国旗に寄せ書きとか、無効だった呪具はやめようね。千羽鶴くらいですかねあとは。

とかいってたら、「折り鶴ランプ」も贈ってた模様。
とことんやるね岸田さんw