イクラ作り2012/11/03 00:14

秋冬には、鮭の腹子を買ってきてイクラをつくる。
むかし、Oさんという名寄の知人がいて、たまさか、自家製のイクラを送ってくれた。量が多いので、喜んで知人まで呼んで熱いご飯にかけて食ってたのですが、何度かいただくうち、自分でやりたくなって、作り方を教えてもらった。
腹子を買ってきて、熱めのお湯の中でほぐしていくのです。薄い膜に包まれているのを、ぴりぴり割いて、手がつけられる程度に熱い湯のなかで振るようにしてほぐすか、流湯下でもむといいようです。湯の中では表面ぬるぬるが白くなる。で、荒目のざるで何度もゆすってカスをおとしていく。気分のものとして、一度天然水で洗う。それをまたざるにあけてから、軽く醤油で味をつけて、さらにざるにあけ、ジャム瓶に入れていきます。一晩酒か醤油に漬けて食えるようになるが、私はさっさと凍らせてしまう。冷凍庫には2年前のものがあって、それはもう古すぎてよくない。絶対冷凍庫じゃなきゃ、せいぜい1年、もっといくと表面からひからびます。
戻す前に、醤油をはる。冷蔵室におくと、ゆっくり解凍しながら沁み込んでいくのでいい味がつく。表面がひからびてるときは、そのあと上下逆においておくと、表面がやわらかくなる。ひからびさせないのが一番ですけどね。

イクラ作りはじめて20年以上である。Oさんは結婚されてもうどこにいかれたかもわからない。彼女を思い出しながら作業する。
腹子の入手です。20年前は、錦市場で買ったのですが、ちょっと古いのが多く、白いぬるぬるがへばりついてとれなかった。
サンフランシスコでは、日本人向けの魚屋(YumYumFish)で新しいものを売ってたもので助かった。
帰国すると、京都でも割と新しいものが出回るようになってきた。最近では近所のスーパーにおいてる。
Oさんに教えてもらった、名寄の魚屋からも取り寄せたが、若すぎたか、ほぐそうとするとぷちぷちつぶれて悲しかった、あれはそのままほぐさず醤油漬けにするべきだったんだろう。

あのころの名寄ではおいくらだったのだろう、新しくて安いからといってくださったもので、そのお礼に名の通ったお酒をご実家に送ったらエビで鯛が釣れたと言っていただけたのですが。そのご実家もとっくにない。
いまどき京都でやると、ジャム瓶ひとつが1000円になる。決して安いものではない。それでもまあ、朝ご飯のお供に、四万十の海苔佃煮に並んで自家製イクラがあるとちょっとうれしい。たまに娘の人も欲しがる。