大学にのこるセンセイ2010/09/10 15:50

むかしの同級生によくできる人がいて、データも出して、内科系の大学病院医局で病棟医長までしていたのだが、司法試験をめざすといっていきなりやめるということがあった。
医療トラブルがありこれに関する院内組織も気に入らず、嫌気が差して自分で司法方面から切り込みたいということだったが、肝心のロースクールに落第してしまって、ずいぶんショックを受けていた。

大学というのは、いるだけで箔がつく一方で、まあいろいろなんだかなところなので、相当優秀ですいすいいく人でもなければ、しがみついて意地でも残る人しかいないことがある。状況がいいとあたりさわりのない人が増えるのだが、そこそこ出来る人は、そんなところで我慢しなくても別のところでもなんとでもなるわいと思ってさっさとおん出てしまう。おん出てじゃあ思い通りになるかというとそうでもないこと冒頭のごとし、ちょっと極端な例ですが。

上り調子の科だと、余裕があるからいろんな人がいることもできけっこう楽しいのだろうと思うが、いろんなものがきつくなってくると、教授を見渡しても、人徳業績兼ね備えたという人が少なくなってくる。
特に眼科に関しては、最近、なんでこんななんもない人が、ということが多いようです。どことはいわないが。そういうびみょーな新教授が増えて、その前の教授相手にバトルしたりしてた別の大学のそれなりに業績のある教授は、あんなもん敵じゃないとあなどってなんとなく「あがってしまった」ような感じになるのは不思議なもの。

が、本当にそうかね。
まともに業績も無いのに教授になるということは、それだけしつこくて政治的にも動けるということだから、正攻法の業績でなった教授よりはるかに敵として厄介じゃないかとおもうのですが、私は田舎病院からみているのでよくわからない。ま、大概の場合は教授同士なんて生ぬるい関係で終始するのでしょうが、学会での群れつくりからはじまり企業や科研費といったお金がどう絡むかということで。

とある田舎県の公立医大で、学長選が行われてA大学出身の教授が選ばれたのに、B大出身者を中心とする理事職連がいろいろ理屈をこねてけっきょくB大出身者が学長になった。これは訴訟になったがA大学系教授は負けたまま退官、しかも在職中に、B大系の先導で知事を巻き込み、僻地対象にという名目でその教室と同系統の科を第二医局として立ち上げるということがあった。B大系の学長は「A大系は学内から抹殺する」と公言した由、すごいですな。
あまりひどいので、基礎出身の名誉学長が、おまえら政治ばっかりやってないで研究しろよとたしなめたら、B大系学長、自分らは研究なんか好きじゃないし政治しかやることないのですとのたまったそうな。ここはその名誉学長からじかに聞いた。
そこまで正直だと立派、といっていいのか、いや立派なはずが無いのですが。