それでも田舎病院を維持しなければならない2010/09/04 01:57

知人眼科部長は公立病院に勤めている。市立なのだが、広域合併でくっついてきた僻地町村に、しょぼい総合病院があった。
広域合併というのは、交通通信の便のよくなった今公共サービスをまとめて節約しましょうということの筈で、そのしょぼい病院もやめてしまえばいいと思うのだが、そうもいかないらしい。
しょぼい総合病院を維持する事が広域合併の公約になってるらしいのである。しかも、べつべつの病院という扱いになるので、ものによってはどっちかに集約しておたがいにいききしやすいバスなんかの運用するなんてことはできないらしい。

知人の上司の市立病院の院長は、市長の直下ということになって、しょぼい総合病院の維持協力に努めねばならない。
合併前にすでに相当の医者は流出。どこの医大も医学部も、しょぼいところにほそぼそと出したがらないのである。昨今の医療情勢では、少人数病院ではまともな高度医療が成立しないのだから当然ですね。
そんな中、隣県の医大が手を上げた。大学で余ってる外科を10人かためてなら送ってやる、とか、眼科の手術だけならしにいってやるとか。

僻地ってのは年寄が多いのね。重要なのはまず内科、消化器や呼吸器や神経なのですな。そんなとこにただの外科医が10人うろうろしてもどうにもならない。整形外科じゃないんだし、骨折の相手はしないよね。
眼科にしても検査するORTなどパラメディカルもいないし、手術の尻拭いを本体の市立病院の医者ができるもんじゃない。そもそも医局も違うのだし、やりっぱなしじゃどうにもならない。

その後、眼科に関して言うと、どっかの僻地勤務の、かのJC医大出身の人がアクセスしてきたそうだ。卒後10年ほど僻地にいわれるまま回らないとすごい借金がかぶってくる、ほんとうは禁止された「お礼奉公」の、最近は「地域枠」とかいって解禁の方向にあるそうだがその本拠出身。離島に飽きたんだろう、とりあえずたてかえてくれるならその僻地病院にいってもいいというらしい。交渉中らしいので、知人部長からおもしろい結果をきいたらまた書きます。

田舎にはインフラがさんざん整備された。道路も通信もなんとかなるのだから、その上に近所に病院だの商店街だの求めてはいけない。都会にアクセスするためのインフラであって、道路が出来た時点で田舎にあれこれ設置する根拠はもう無い。極端な話、交通の便がよくなったのだから僻地に仕事があるなら都会から通えとなる。地域の文化も伝統もあったものではないが、これは国策からの当然帰結である。「交通の便がよくなれば地方が廃れる」のは昭和初年に柳田國男が喝破した。
そもそもおのれらの子供達自体がほとんど地元に残らないではないか。にもかかわらず、要求するのは自由であるにしても、田舎に住み続けてあれくれこれくれといっていては、この国の財政がもつはずが無い。
格差はあるのがあたりまえで、田舎は「都会ではない」のが特徴なのだ。日本国中東京にできるわけがない。嫌なら都会に住め、憲法上明記されている居住の自由とはそういうことである。

バラマキの小沢も、クレクレの管も、そのへんについて、インフラの整備にともなう国土の再編をまったく語らない。
自力で生きていける豊かな僻地、そんなもんはいまやまずない。年寄りだけのばらばらの集落をそれでも維持しなければならないというならそのコストを身を切って払う覚悟が国民にあるのか。
そうは思えんのに、医者くれとか、補助金よこせとか、署名だけはするのだよね。自治体の議員がそれであたふたするのは仕方ないとして、国会議員や閣僚はもっと広くみて、そのへんにきっちり引導を渡せるすごみがないとどうしようもないが、まあ、ないわな。

けっきょく官僚のいつもの手だが、時間切れすなわち僻地が死に絶えるのを待つのだね。で、死ぬちょっと前にガス抜きをする。最近では被爆者や水俣病患者にやってるあれです。
役人や僻地民自身のせいにはならないようにするのが重要。これからも当分、僻地にいかない医者がけしからんという論法でいろんなものが語られ、都合よく制度がいじくられることでしょうね。

ネパールキッチン サムジャナ 京都2010/09/04 21:05

息子がなぜかナンが食いたいと言い出した。
先日北大路を走っていてへえこんなところにと思ったネパール料理屋「サムジャナ」。高野のコジマのななめ向かいです。
店の人はネパリーズである。タムガスあたりの出身というおやじが出てきた。ずんぐりして地黒なので、シェルパ族かも知れないと思った。

この味つけなら、カトマンズの fast food restaurant つまり英語メニュをもっていて値段高目(プレーンナンが20ルピーもするような)の一般食堂にでてくる範囲に十分入る。てか、あちらのもっと安い店になるとダルバートかインスタントラーメンのチャウチャウしか食ったことないので比較不可。
モモはちょっと小さいかな。羊だか山羊だかのカレーがあり、肉はやや冷凍ぽかったが、ほかミミガーのカレー味煮つけもあるところをみるとそのへんは沖縄食材として仕入れているのかもしれない。
ナンはでかい。米原のモティマハルとどっこいで、ちょっと甘いのも似ている。4人で、カレーとナン1つづつに、チキン4pc、ミミガー煮付け、モモ、ビール3本で約9K.。

量が多くて死にそうになり帰宅後私も家内も30分ほど寝てしまった。
ま、香料やや少ないかもしれんが、家内は香料に弱いのでむしろよかった。また行くと思う。ダルバートがないのは不思議だけど日本人はまず注文せんでしょうしね。