日本の真似とは言うけれど2013/10/24 17:44

日本のものは質が良くてそれで売れるというのだが。
むかしアメリカに売り込み始めたはじめは安かろう悪かろうで始まったはずですがそれはともかく。

20年ほど前から感じるのですが、日本製に限らず、日本の商社や日本の商事情に詳しい会社とやりとりすると、「商売」としての話が出来なくていらっとすることがある。
日本で実績がなく、そんなに高くもない、でも、そこそこいいものがあったとする。日本においてそれらが売られる場合、まずは安くどんと売って、というふうには絶対にならない。すでに日本でシェアを取ってる一流製品でスペック上対応しそうなものと、比肩する値段をつける。安いとありがたみがないと思うのか、強気なのか、売れなくていいのかよくわからない。ブランドバリューも実績もない、タイマーの具合も分からないのに値段だけ一人前って、誰が何でそんなものを買う?
たぶん、じゃんじゃん売りたくないのである、面倒なので。単体でそこそこ利益をあげたいんだろうね。ずぼらというか、ええ商売だわ。

日本の商習慣においては、「既得権」がことのほか好まれる。
それに乗っかって楽に商売をしようという方向に、すぐに流れる。
新商品の開発だって、まえからあるものに、どうでもいい、いらない付加価値つけるだけで売ろうとする。
最近の電子製品ではパーツをバルクで買うだろうから、パーツがなくなればモデルチェンジするしかない。それは仕方ないのだが、そのときにどうでもいい機能をつけては値段を維持しようとする。パーツ交換しかない製品ばかりに職人技も何もあるものか。

たとえばモンゴルに行った際に、スーパーに行くと、日本の菓子の真似したようにしか見えない韓国製のスナックがあるわけですよ。




かって、日本製品を売り出したころ。
欧米の製品と同じではないにしてもそこそこ近い品質で安い、というのが人気のもともとであった。その時分には、マーケットというのは欧米にしかなくて、そこに売り込まねばどうしようもなかった。

ところで、韓国中国にとっては状況が違う。
第三世界がそれなりに購買力がついたのであるが、欧米基準の日本製品は高い。そういうところに、少々悪かろうがとりえあえず安いという大量生産品を、日本製に似せてもっていったのである。

金がないのはいかんともしがたい。真似しやがってという気持ちはわかるが、そもそものターゲットが違う。
だったらもっとシンプルな内容にして値段を下げて、第三世界に売り込んだかというと、そうではないだろう。どこまでいっても「この値段ではちょっとー」だったんじゃないか。「品質の日本」とかいううちにそこで勘違いして、相手のことも考えない代物を「いいもんだから買えよ」とえらそうにいうのも日本である。オーバーコンプライアンスがそれに輪をかける。
第三世界で中韓製品が売れるのは当たり前なのです。悪くったってないよりまし。

日本の「物売り」は、しかも、秩序意識もつよいので、いったん上位を取ると、気分的に安住するのも早い。
もの、ハード、だけで売ろうとする。システムを考えない。
NHKのアナログハイビジョンはそれで負けたろうよ。日本発の規格ものはことごとく負けている。システムがメインで、ハードなんておまけでもいいと、考えられないのである。

中韓の「パクリ」商品に関しては、日本人としては腹は立つ。
しかしそれを割り引いても、日本のもの作りもの売りの考え方が、買うひとを舐めていて、隙がありすぎ。
市場を維持したいなら、自分で相手の求めるものを作ってちゃんと売れ。
先行者というだけで、いつまでもお金を欲しがるな。そこは「名誉」でよしとしろ。名誉じゃ食えんけどな。

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