大学による品質保証2016/04/01 11:00

千葉大生による女子中学生誘拐事件

なんで逃げんかったのやとかなんとか言ってる向きもありますが、周囲のどこまでが自分の敵かわからないところにつれてこられてやみくもに逃げるリスクと、とりあえずはいはいということを聞いておくことで生じるリスクを天秤にかければ、引っ越しまでは動けなかったのはふつうに理解の範疇と思うがどうか。

ところで、犯人のほうは卒業証書もらっていたようですが、3月31日までは学生であるという名目で、卒業保留になったそうですな。

「寺内容疑者は千葉大学工学部の学生で、23日に卒業したが、同大は31日、容疑者の逮捕を受け、卒業をいったん取り消し、保留すると発表した」

もともとは、法律的に無理なんじゃないかと法学部の先生から物言いがでてたそうですが。
「千葉大では、犯行が在学期間中に行われたとみられることを重視。さかのぼって寺内容疑者に停学処分をくだし、卒業要件を満たさない状態にして事実上卒業を取り消すことを検討していたが、学内の法律専門家からは「さかのぼって処分するのはおかしい」と異論が噴出した。だが、「このまま卒業させていいのか」といった声もあり、改めて処分の方向性を検討し直すことになった。」

本来、卒業証書は、一定のカリキュラムに沿って結果を出せば与えられるものであって、そこには素行に関するチェックは含まれない

 ですから、学業が犯罪行為と引き換えに行われたという証明でもなければ、卒業後に卒業資格を取り消すのは本来無理でしょう。
犯罪者をそのままにしていいのかと叩かれるのが嫌という、千葉大の過剰反応ですなあ

年度内を盾に取った荒業ですが、異議申し立てせんかったら通るでしょうなあ。
裁判であらそってみたらどうなるやろうとは思うが、まあせんやろうし。

ただ、こうやってなんでもかんでも、公的組織が、本来筋の違う品質保証までしてしまうのはどうなんやろうとは思います。

厚生省による専門医制度もけっこう実施が近づき、内容を見るとこれでもかといいたくなるくらいうっとおしい。
それを強制する手段は、しかし公的保険制度での差別化しかない。保険がまともに運営されなくなったらもう意味ないわけです。

公的組織がいろんなもんの品質保証をどんどん取り込んで、そのうち身動き取れなくなってつぶれていく過程にいまあるのだろうと思ってみています。

一気につぶれないだろうから相当窮屈な時代が続きそうですが。

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