患者と医者の不毛な呪詛 ― 2011/03/28 21:04
知人眼科勤務医が以前ぼやいていた。
彼の部下にちょっと態度のきつい眼科研修医がいた。そいつが、角膜炎の高齢患者をもって、治らないとちょっと苦労していた。
角膜炎は長引くものは長引く。原因菌がわからねばなおのこと。抗生剤の効きがいまいちで、所見からもカビ(真菌)かもしれないと疑って、抗真菌点眼を開始。培養からはなにでなかったが、じわじわよくなってきた。
その日も時間遅くまでみたので、外来終了までかかり、処方箋を入力したあと、ひとりの医師が異動で最終日だったので、外来が閉まるまでにとあせって記念写真とったりしたのだが、その後、長文の手紙が社会医療相談室にきた。
要点は次の3点。
1) 研修医の応対が荒い。
2) 点眼が近所の薬局になく、それをいうと、上司の医師が、カビの点眼はどこにでもあったりもしないので仕方ないといった。カビなんていうのは侮辱だ、
3) 患者がおもてで待ってるのに中でわいわい記念写真とるとはなにごとか。
患者の気持ちに寄り添う眼科になれ、とかかいてあったらしい。
社会医療相談室の係が困った顔でやってきたので、彼は腹を立てていった。
→ 2) カビはカビで、そう呼んだって侮辱でもなんでもない。医者はふつうにそういう。抵抗力のおちた老人に生えるのは珍しくない。「真菌」といったって内容は一緒。この程度の表現を、気になるものにあわせてかえていたら何もいえなくなる。
→ 3) 記念写真は患者の待ち時間に影響を与えない状況でやっている。外来を閉めた後も医師にはカンファもあるし、廊下に患者が居るからと意味もなくなかでじっとしていても、病棟でのあとの仕事がつかえるだけだ。そんなぎりぎりの時間まで仕事してることを考えろ。
ま、1) に関しては、態度がきついのは上司としてよくわかっているが、医局からまわってきた新人をしつけようとこっちも大変なのだ。新任でまだ距離感がつかめていない、指導中であるといってくれ。若手が応対する事自体は研修指定病院なんだから仕方ない。
そもそも症状は改善している、それがまず1番ではないのか。医師は医師でいろいろ考えながら治そうとしているのであって、ありがとうともいわず客様気分で態度が気に入らないという相手にどうやって寄り添うのか。「それが仕事なんだからちゃんとやれ」というなら、それこそこの場合、公的医療において「治療行為」をインフラとして行っているのだから、些細な態度表現をいちいち問題にされては困る。水道から六甲のおいしい水は出てこないのだし、とまでいう。
彼のいいたいことも、モンスター患者大流行の昨今ひじょうによくわかるのだが、それにしてもこうやって不毛な呪詛が応酬するあたり、不幸な時代ではある。
彼の部下にちょっと態度のきつい眼科研修医がいた。そいつが、角膜炎の高齢患者をもって、治らないとちょっと苦労していた。
角膜炎は長引くものは長引く。原因菌がわからねばなおのこと。抗生剤の効きがいまいちで、所見からもカビ(真菌)かもしれないと疑って、抗真菌点眼を開始。培養からはなにでなかったが、じわじわよくなってきた。
その日も時間遅くまでみたので、外来終了までかかり、処方箋を入力したあと、ひとりの医師が異動で最終日だったので、外来が閉まるまでにとあせって記念写真とったりしたのだが、その後、長文の手紙が社会医療相談室にきた。
要点は次の3点。
1) 研修医の応対が荒い。
2) 点眼が近所の薬局になく、それをいうと、上司の医師が、カビの点眼はどこにでもあったりもしないので仕方ないといった。カビなんていうのは侮辱だ、
3) 患者がおもてで待ってるのに中でわいわい記念写真とるとはなにごとか。
患者の気持ちに寄り添う眼科になれ、とかかいてあったらしい。
社会医療相談室の係が困った顔でやってきたので、彼は腹を立てていった。
→ 2) カビはカビで、そう呼んだって侮辱でもなんでもない。医者はふつうにそういう。抵抗力のおちた老人に生えるのは珍しくない。「真菌」といったって内容は一緒。この程度の表現を、気になるものにあわせてかえていたら何もいえなくなる。
→ 3) 記念写真は患者の待ち時間に影響を与えない状況でやっている。外来を閉めた後も医師にはカンファもあるし、廊下に患者が居るからと意味もなくなかでじっとしていても、病棟でのあとの仕事がつかえるだけだ。そんなぎりぎりの時間まで仕事してることを考えろ。
ま、1) に関しては、態度がきついのは上司としてよくわかっているが、医局からまわってきた新人をしつけようとこっちも大変なのだ。新任でまだ距離感がつかめていない、指導中であるといってくれ。若手が応対する事自体は研修指定病院なんだから仕方ない。
そもそも症状は改善している、それがまず1番ではないのか。医師は医師でいろいろ考えながら治そうとしているのであって、ありがとうともいわず客様気分で態度が気に入らないという相手にどうやって寄り添うのか。「それが仕事なんだからちゃんとやれ」というなら、それこそこの場合、公的医療において「治療行為」をインフラとして行っているのだから、些細な態度表現をいちいち問題にされては困る。水道から六甲のおいしい水は出てこないのだし、とまでいう。
彼のいいたいことも、モンスター患者大流行の昨今ひじょうによくわかるのだが、それにしてもこうやって不毛な呪詛が応酬するあたり、不幸な時代ではある。
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