英国王女と猿の名前2015/05/08 16:41

本当に馬鹿げていますな、日本の動物園の新生猿に、最近誕生した英国王女とおなじ名前つけたら、日本人からの批判殺到ですと。

高崎山サル:英王室「名前の付け方は所有者の自由だ」
毎日新聞 2015年05月08日 00時21分(最終更新 05月08日 00時36分)
「野生ザルの餌付けで知られる大分市の高崎山自然動物園は7日、今年最初に生まれた雌の赤ちゃんザルに誕生直後の英国王女にちなんで「シャーロット」と名付け、批判が殺到した問題で、園を管理する大分市と取り消すかどうかを協議したが、結論は出なかった。市は8日以降に英国大使館に意見を聞き、対応を決めるとしている。」

話を振られる英国大使も、ええ迷惑でしょう。

キリスト教圏では、名前は親族とか聖人とか、よくある名前でぜんぜん気にせずつけていく。その場で区別するための記号であって、たまたま名前がいっしょでも本体が明白に別々なら、すごく嫌なことをそれで思い出すといったことがない限り何も気にしませんし、それも個人的事情のレベルの扱いです。サルと名前が一緒であったとしても、自分と一緒のいい名前だね、でおわりです。ですからこういうことが問題になること自体、理解できないと思う。

なんでこんなに名前に騒ぐのか。
日本では名前はいまだに呪術的なものだからですね。
その心性で、字画を気にして大騒ぎする。キラキラネームも然り。漢字が表意文字であることが後押しになってるのか。
名前に思いだの期待だのわけのわからんものをいっぱい詰め込んだあげくの代物は、古代的な文身(いれずみ)に近い。古代が噴出しているのです。
猿といっしょの名前となると、馬鹿にしてるのか、というふうに頭が動いてしまう。人間と同じ名前のついた猿に感情移入してしまうというのもみごとなアニミズムです。

思うに、諱(忌み名)とは別に、幼名だの通名などあったむかしのシステムは、日本人の心性には馴染むものだったのであって、もっぺん復活させてはどうでしょうかね。
親は心を込めてキラキラネームでもなんでもつければいい。普段遣いには、成人するまでは、わかりやすい名前にして(それこそ一郎とか花子とかで十分)、成人を機に自分で選べばよろしい。

法的制度での一貫性は、マイナンバーでいけるでしょう
古代的心性も、工夫すれば近代制度に適応できます。ここまで古代的なもんが残った日本ですから、とことんやったらどうですかね。