ペットの飛行機輸送2013/08/15 00:20

歳とったチワワを旅行時にANAにあずけたら熱中症で死ぬことがあったそうな。

http://togetter.com/li/547756

輸送室は客室同様だが、あずけてからそこに入るまで1時間ほど炎天下にさらされたかもしれません、ということらしい。

まず書くが、歳食った弱いペットを、自分が連れて行きたいからと長距離、飛行機に乗せてまで運ぶのは、ペットに対するいじめでしかない。ペットがそんな旅行したがってるわけなかろう。
動物を信頼できる人か施設に預ける、そうじゃなきゃ旅行はしない、くらいの覚悟もないのに飼わないがいい。

一方で、ですが、金とろうがとるまいが、預かった以上ANAもちゃんとするべきだろう。
ちゃんとというのは、結果主義でいう気はない。なにかあって死ぬことは当然ありうる。
私がかきたいのは、きっちりオペレーションをさだめずにええかげんな仕事するなということだ。

善管注意義務はあたりまえとして、輸送途中に高温条件に長時間放置すればなにかおこらないほうがおかしい、とすれば、そういう放置時間をつくらないようにプロトコールができてないのは問題でしょう。条件を変えるべきでない貨物については、外界の環境変化にさらされる、あいまの時間をきっちり短くしないとまずい、という想像力が、誰にもないのがどうにもこうにも。

たとえば、「たまに酸素がなくなるんですが、対策せずにほっといたらやっぱりペットは死んじゃいましたね(テヘリ」なんて理屈はおかしいでしょう。そのうえ「でも、頼まれていやいややってるだけだし同意書もあるから損害賠償はなしね」といってるような組織はそのうち人も殺すぞ。

ここで問題が起こったからもう輸送自体やりませんというのは、サービス業としてはありだが、問題が起こったとき前向きに解決できない組織は、競争力を失って滅びる。
金までとって始めた以上、オペレーションをきっちり完成させたらどうなのかと思う。

なに、「預かってから返すまで、管理にあきらかな空白時間のない手順書を作れ」といっているだけだ。もちろん実現可能な形で、問題が起こったらフローチャート式に解決方法が模索できるように、です。
出来もしない、問題が起こっても解決方法もない手順書には意味はない。余談だが役人がいつもほしがるものはこの役に立たない、耳触りだけのいい手順書である。

多人数が関与する医療では、時系列ごとに必要な手順や出来事をチェックし記載していく「クリティカルパス」が一般化しつつある。
これは馬鹿な行き違いで起こるエラーから、患者のみならず医療者も守るものだ。
工場管理等でも同様のことは、おこっているいるはずであるし、物資やペットの輸送手順にももうちょっときっちり応用するわけにはいかないものか。
なんでもかんでも面倒にしろというわけではないです。

古代的な結果主義は個人厳罰主義にリンクする。ついには、責任を回避する個人しか残らず組織が成り立たなくなる。
そうなる前に、相当高いレベルまで、判断―決定のステップを機械的な手順の一部にしてしまう必要がある。
国家レベルでこれを可能にするには、こういうちょっとしたところでこれを実現していってほしいものなのですが。