誰のための働き方改革か2024/07/05 11:53


働き方改革というのは、お仕事の非属人性を高める、つまり働く側にとっては実は、「自分を替えのきく人間にする」ということですね。

自分にしかできないことがあるということで職場での地位を確固たるものにしてきたむかしの「ずっとそこにいるベテランおっさん」「どうしたらいいかまず話を通さないといけないお局」の知恵とは明らかに相反する。
それがいいか悪いかはともかく、レベルの差こそあれそういうありかたを利用してきた人も多いでしょう。
「自分の仕事」と思うことが原動力になってきた人もいるだろう。

個人の熟練度を犠牲にしても、なるべく多くの被雇用者を取り換えのきく部品にこうもあからさまにしてしまおうというのは、明らかに職場の安定のための改革なので、被雇用者側が歓迎するべきかというと、びみょーなところの筈。

一般的にこれが当たり前になったところで、私生活を犠牲にした個人の熟練度を競争力にする組織がどんと現れてもおかしくないと思う。

もともと高い属人性がいらない仕事が多いからほとんど大丈夫なのは前提ですが、「働き方改革」においての、属人性高い熟練度いる仕事の扱いがどうも曖昧なので気になる。

観た映画2024/07/05 12:07

ほぼ半年分。2月くらいからしばらく気分がハングしてしまって数か月なにもインプットしなかった。

ルナシー」 DVD
いわゆるシュルレアリズム映画、面白くなくはないけど、まだそんなことやってるのという感じ。時々入り込む駒撮りアニメでいろいろ考えるのもアホらしくなるだけの効果はある。

アンダーザスキン」 DVD
宇宙侵略ものということになるが、思わせぶりなところが多いがなにがなんやらさっぱり。美女型人喰いエイリアンとか、それが人間らしくなってきてとか、今更だし、ものとして自主製作映画並みにしか見えず。スカーレット-ヨハンソン使ってるが、もとはとれたんやろか

ミッション:8ミニッツ」 DVD
瀕死の状態の人間を過去を再現する道具に使う。いい感じによくできたようにみえるが、これを「時間軸移動」ものとした場合、主人公が乗り移った学校の先生のほうは消えっぱなしなんか、もともと死ぬ運命だったといってもなんだかな気はする。

浮き雲」 尼プラ
フィンランドの失職中年夫婦の話、最後にいいように転がってめでたい、まともな映画。レニングラードカウボーイズはやけくそやったんかカウリスマキ監督。

過去のない男」 尼プラ
これもカウリスマキ監督。列車食堂で寿司と日本酒が出てきてバラッドが日本語なのは笑った。じわる面白さ、ちゃんとした映画で突っ込みようがない。どこまで実際なのかわからんがゆるい社会やなあ。

The roots of evil」 ようつべ
ショートホラーで売れてるらしい。スエーデン製で、ミッドサマーな感じ。日本語字幕ついてる。https://www.youtube.com/watch?v=FpCGELWL4WU

5時から7時のクレオ」 尼プラ
時系列でだらだら流れる。若い女性歌手が病気に悩んでうろついてナンパされる映画、面白かった。

」(1939) 尼プラ
戦前のフランス映画やなあと思わせる。前半はものすごく面白かった、後半謎解きも含めてよくわからない。

関心領域」 京都シネマ
背景もヨメも異常な状況とはいえ一見大したこともおこらないのに最後までちゃんと面白くみられた。ホロコーストのネタでいつまでも映画をつくり続けることにも感心する。アウシュビッツとか知らん人もじつはいくらでもいると思うけどそういう人はどんな風に見るんだろうかね。

ぼっち・ざ・ろっく Re:
ただの総集編前編どうしようかと思ったが思った以上にみたはずの放送版を忘れていたようで楽しく観ました。
ライブの後の虹夏の台詞で前編終了という予想も当たった、つかそれしかない罠。
高校生年齢女子のうぞうぞ出てくるアニメは最近もう見る気にならないがこれは主人公のコミュ障ぶりと廣井姐さんの呑んだくれぶりがよい。観客は8割くらい男子

ホールドオーバーズ 置いてきぼりのクリスマス」 京都シネマ
昨年制作だがお話は1970年。作品自体はリメイクらしい。デジタル上映なのにフィルムっぽいのは加工だった。もうちょっとぬるいものを観るつもりだったが、人生をひとのために差し出す「恩師」ストーリー、監督は黒澤明のファンだそうだ。先生がまったく恩着せがましいことを言わないあたりは、「生きる」の設定も流用してるかもしれんと思った。生意気なガキが最後まで生意気なのはいい。
50年前のボストンの風俗とか車とか、見た人間がまだいる、ぎりぎりの再現になるな。大正初年に幕末をネタにしたものをつくるようなもの、ではある。今の話にすると携帯がでてくるのでびみょーに成立しにくい
プレップに黒人がそんなにいたのかとは思ったにしても、それっぽい音楽とか、今の時代の映画でこれやるんか思ったけど、よくできてるんだろう。