「ホームにて」に思う ― 2015/04/27 23:54
ギターの練習曲探していた。
私はそんなに根性の入ったアコースティックギター曲のファンではないのでして。
アコギやってるのは、いちばん手を出しやすかったからです。エレキのほうが電気つけなきゃ音がなくて練習しやすいのはあとで知ったが、サイレントギターをその後買ったので無問題、の筈。
音楽はクラシックプログレジャズなど聴きますが、特にピアノメインのきれいな曲か、いつまでも屁理屈いいつづける大編成のくねくねした曲が好きだったりする。
だから、あえてアコギで好きな曲といっても、70年代の、ニューミュージック直前のフォークか、ハンクウィリアムス、あとは中島みゆきになぜか COCCO が出てくる程度。
人に聴かせてもいいように練習するには、あまりにもべただっり、古くて音源にあわせたTAB譜がみつからなかったり、おっさんが歌うにはちょっと違和感がありまくったりである。
ですが、みんなのうたのカセットにあった赤い鳥「竹田の子守唄」を思い出し、メロディラインのつながりで、リズムゆっくりでおっさんがやっても違和感なさそうなものとして中島みゆきの「ホームにて」を思い出した。これならできるかもしれない。
かって彼女のやってたオールナイトニッポンで、エンディングにかかかってましたか。ご本人も北海道出身というので、設定としてもよくわかる。
本人映像録音はないので、違う人のようつべです↓
ぐぐった上のほうを並べました。たくさんあるのでてきとーにどうぞ。
この「ホームにて」は、都会にがんばって仕事しているひとが、疲れたときに、そのホームから出発する最終列車の行先としての故郷を思い出す歌なんだろうと思います。東北新幹線の出来るずっと前の東京ならではのものなのでしょう。一番しっくり来るのは、地方出身若いOL目線という解釈なのね。
こういうノスタルジーあふれた曲は、無害な感情移入を容易に呼ぶ。
車掌は銀河鉄道999の車掌ちゃうんかと私は思ってますが。
で、同時に思うのは、それをそのままの設定で、ノスタルジーにひたって聞けるほど、おっさんは若くないのであった。ちなみにおっさんをうたうとどうなるかっつーと、最近の「地上の星」は企業戦士をみる女性目線といえる。まああたりまえなんですが。
おっさんはどこにノスタルジアを感じるのか。
おっさんにはもう戻る場所はない。ホームに行っても、そこからもうどこにもいくところはないのだ。
というより、すでに、おっさんはもう、ホームにはいない。ずっと昔に列車に乗ってしまった。
列車の中で、2階車の上に行こうとか、一等席に移ろうとか、悪戦苦闘しながら、もしくはもーどーでもいいやあと窓の外を見ながら、過ごしているのです。
だから、おっさんが懐かしく思い出すのは、出発点であるホームに違いない。どこ行きの列車も選択できるホームにいたころを懐かしく思い出しながら、列車はひたすら進む。
最終目的地はもちろんあの世である。
この世でさんざ忙しく、甲斐もないことも含めあれこれした挙句にいくべきあの世は、安らかなところに違いないとおっさんは思う。
若いもんは、現在の懐かしさにひたりながら未来を考えて生きるだろう。おっさんは、未来をめざしながら、いろんなことが出来たり出来なかったりした過去を数えて生きるのである。
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