本日の手術室2009/12/01 19:08

午前のうちに3件執刀。
うち2件は白内障、PE症候群でともに散瞳不良でリトラクタ使用。
まえに僚眼の白内障手術でチン小帯がおおはばに切れてIOL縫着になった症例は、今回は問題なし。もうひとつの高齢で EmeryIV 程度の核硬化の症例も、 Whitestar のおかげですいすい。器械が良いのって本当にいい時代。
ついで、 PDR の硝子体手術。 arcadeの 、disc から対側にきつい面状の増殖組織がはりついて牽引性網膜剥離をおこしていたが、23Gで、カッターと剪刀を交互につかってちまちま攻め込んで、なんとかすべて外した。事実上唯一眼だしよくなってほしい。ランダースのワイドビューでおおざっぱに出血をとった後の作業は、通常の硝子体レンズのほか高屈折低分散レンズ、さらに内視鏡もつかい、ときどきシャンデリア利用して両手で作業。器械が良いのって本当にいい時代です。自分がうまいと錯覚しそう。
午後は、若手中堅たちが白内障だのいろいろ。私は入らず。
会議が終わって病棟にあがったらナースの日勤時間内ぎりぎりで最後の症例のオペ迎えが出た。

お客様はお引取りください2009/12/02 22:16

それぞれの眼で矯正視力0.8(レフ-3D)の受診者がきて、白内障手術してくれという。私が手術はまだいいでしょうというと一瞬理解できなかったらしい。うちでは車が運転できる矯正視力ではやりません。
手術できる当院で今後定期的に様子見て欲しいというので、いいですが4ヶ月おきに視力測るだけですよというと、結局いきやすい開業医にいくといいだした、まあ好きにしてください。もといっていた開業医の先生からは、白内障手術(最近では水晶体再建術ですね)すれば近くも遠くもしっかり見えるはずといってきかないひとがいくとの情報はすでに入っていて病識や受容能力に問題がありそうというのはわかってるし、受付でもこの人理解能力が危ないかもという受け答えがあったらきっちり診察室に情報は来る。多焦点眼内レンズなんてもちろん勧めません。医者のネットワークを甘く見てはいけない。

それで思い出したがまえにこういうこともあった。
外傷性角膜穿孔の入院患者。中堅が主治医。角膜は縫合したが穿孔は水晶体前嚢にも達していて皮質が混濁膨化しつつある。水晶体をとったほうがいいと思うがなかなか納得してくれませんと中堅が泣き言を言うので、まあ部長のほうがちょっとは重みはあるかなと、でていって話をした。
角膜は縫合したが、今後水晶体もとったほうがいいという話について、明日が手術日なのでちょうどいいと思います来週まで待つのでもかまいませんけどたぶん悪くなる一方ですよと説明した。あとあと大丈夫という保証がほしいのがひしひしと伝わってくる。直接の担当医であるうちの中堅には、こうしたら100%治るという話が聞きたいといってるらしい。そんなもんあるわけありません。角膜縫合してまたすぐに手術して大丈夫でしょうかという。角膜がそこそこくっつくにはもっと時間が要りますが水晶体に傷が入っているから炎症や高眼圧が起こると思います。その状態で何ヶ月もおいときたいですか。どうせ水晶体とるならまた切開創は入るんだしいっしょ、そもそもこのままおいておいていいことはあるようには思えませんし、自分の目ならそうします。状況に応じてできるだけのことはしますが結果は神様にしかわからないし、それが不納得なら手術しません。医者はべつに取引してるんじゃないから、はじめにいう選択肢がいちばんいい治療法ですよ、それがおいやなら別のやりようも考えますが予想される結果は悪くなるばかりです、よその意見をききたいならどうぞそちらで納得のいく治療をうけられたらよろしいです、ご自身の眼ですからね。
果たしてそのあと息子さん(まあこのひとがあれこれいうのが最大の問題なわけだが)が、新幹線でいく都会にある有名眼科病院でセカンドオピニオンをとかいいだした。
もちろん、どうぞどうぞあっちできっちり治療もしてもらってくださいと、紹介状作って即退院。だって入院中は基本的には他医療機関にかかれませんからね。
この調子ではあとあとなにがあったところでなにかと不定愁訴的にあれこれいうに決まっているのでこちらにとってもさいわい。信頼関係なんてものをはじめから成立させない患者や家族というのが時々いるけど、けっしていいことはおこらないんだけどなあ。たいがいそういうひとはビッグネームにすがろうとする。

この有名眼科だが、通えるはずのない遠方からの患者に、保険適応のないあたらしい治療を行ってけっきょくうまくいかなかったという実例をみて以来あまり信用していません。あとあとフォローできない相手に実績のない治療をしてはいかんやろう。でもまあ、名前で医療機関を選ぶ患者にはそういうこともおこるということです。

本日の手術室2009/12/03 17:06

午前は白内障をふつうこなしたあと、DM患者の硝子体出血で23G硝子体手術。ワイドビューでさらっときれいにして、前置レンズで圧迫してポートも処理し、ぜんぜんレーザーが入ってないのでざっと周辺全周にPRP。
午後は中堅の白内障手術のあと、私が、網膜剥離に23G硝子体手術。全周にわたって変性と大小の裂孔があって、はじめはトロッカに網膜自体がかみそうになるし、処理中に全周破れたらどうしようとか思った。パーフルオロカーボンも用意したがけっきょく不要で、空気に置換後なんとかぜんぶクライオとレーザーで固めた。固め残しありませんように。若手たちの白内障は別部屋。
毎年末なぜか剥離の患者が増える。今年もそろそろあぶないか。

かにすきの食い方2009/12/03 22:56

夕方から忘年会。料理屋さんにかにすきをお願いしたが、安い値段でたのんだので、あまり蟹もよくない。
で、脚じゃない胸(というのか)のところ、あの身のとりにくいところですが、鍋の中で煮ているうちにぜんぶ身がほぐれてだしのなかに落ちてしまう。
そのだしがなかなかおいしい。脚ほぐすの面倒で、結局ずっとだしばかりのんでいたのだが、ひょっとしてこういう蟹はこうやって食うものなのか?

しんどくてそのまま帰宅。
ちょっと手術がきつかったか。器械がよくなって、それなりにまともな手術ができるようになったかと自分で思えるようになったときには、どんどん手術したいという体力はもうない。人生そんなもんか。
胃にものがたくさん入っているとつらいのも歳。食うのも寝るのも体力がいる。

網膜色素変性症の親2009/12/04 20:16

いきなりコミックの話になりますが、「少女ファイト」という連載コミックがあって、高校生主人公の彼氏が網膜色素変性症だが主人公はそれを知らない、そして、その彼氏の弟が主人公の同級生で、とあることでそれを知って思い悩む、という展開がある。相当単純化しています。
この病気は遺伝性疾患で、この兄弟の場合父親もそうなわけですね。で兄には子供のころから目が見えなくなっても大丈夫なような躾をし家も動線を考えてつくってあり、ということに弟がはたと気づくのですが、自分はいままでお気楽に育てられ何も知らなかったと。
遺伝性だからってだれにどう発症するかなかなかわかるものではないので、兄が病気についてはやくから知らされ躾けられて弟はなにも知らされず放置というのがどうもおかしい。弟に発症しない根拠はどこにあるねんと考えてしまう。顔が父親に似てないからとかそういう問題ではない。
作者のために考えるとすると、これが現在の話とすると兄弟がうまれたのは1990年代前半で、その5年ほど前に色素変性症の原因とおもわれる遺伝子異常があれこれ報告された、てか、アメリカでドライジャなどが報告して日本でも追試されたので、大学病院かどっかで家系調査のネタにされて、兄弟での変異の有無がわかったというところか。でも、その時点で単一の変異が原因と決定されたわけでは決してないので「発症しない」と信じる根拠には薄いなあ。弟はもらい子か。ひょっとして弟はどうなってもよかったのか。

ま、確立された治療法のない、進行性の視覚障害をもつお子をもたれた親御さんは、たいへんとかそういう言葉ではすまないのだが。遺伝性だとなおのことです。
前にこういうことがあった。
近所の小児病院の眼科から、このたぐいの病気ではないかという子がうちにセカンドオピニオン的に紹介されてきた。ここ数年挙動見ると中心視野がみづらいようで視力も落ちてきているという10歳くらいの活発な子供。近医では心因性あつかいだったそうな。ご両親は相当思いつめた顔。ちょっと検査してみて、やはりそれが非常に考えられたのだが、その病気でしょうといってしまうだけではどうしようもない。家族歴はあきらかではなく、教科書的にもARなんで両方から来てる筈だがそれはともかく。
その病気である可能性は高いけれども、ともあれ今見えづらくて困っているのだからそれについてまず考えてあげなきゃいけませんねと話をはじめた。治るか、将来どうなるかというのは、気になるのはわかるが、それには時間がかかるかもしれないし、まずは目先の不便を何とかしてあげてはということで、いわゆるロービジョンケアです。ご両親はちょっと戸惑ったがそこは続けるしかない。
治療法を知りたい将来を知りたいという気持ちは非常によくわかるが、逆に、いまこまっていることを放置しては、将来よい対応がわかっても役に立たないかもしれないし、今すこしでも便利にすることで本人のストレスもましになるだろう。治療をあきらめるとかいうことではない。ロービジョンケアするから治らなくなるなんてこともありません。でも、子供は毎日育っているし、自分でどうしようなんてことはまだまだ考えられない。明日この子をどうしてやろうと考えるのは親しかありません。
病気に関しては、誰のせいということはありません、たぶんたまたまです。でも、ここではわからないこともあるので、研究室もある病院の専門外来に紹介します。今後何があるかわからないし現状をきっちり把握するためにも、そういう専門外来に定期的に行くのは大切。なにかいいことがあるかもしれません。で、ここ地元では、このひとがちょっとでもいい形で暮らしていけるよう考えましょうと、相手のもとめることは先送りにして、まずまあ、目先の目標を親御さんに提案したわけで。
検査などにも時間がかかり、その合い間につらつらそういう話をしていると、最後のほうには、不確かな未来を漠然とではなく、目先に具体的に考えねばならないことができたせいかかなり受け答えが明確になってきて非常にほっとした。ひょっとしてあまり寝てなかったのかもしれない。どさくさにまぎれて現状を受容するよう仕向けたわけだから、いいやりかたなのか一般性があるのかどうかすらわかりません。

なにもなんともいえません。自分がなんかの役に立っていたらいいのだがと思うばかり。

ビフカツ 森のハンバーグ屋さん 京都2009/12/05 14:40

そもそもハンバーグを得意とする店でわざわざビフカツなんか頼むのがいけない。ランチメニュとしてはお店のおもてにも出てないし。
単品2.2Kとなかなかいいお値段のビフカツ。肉質はふつうで、厚くないロース。ブラウンソースがかかっている。それらはいい。
問題は、アツい(熱くて厚い)鉄のステーキ皿の上で、蒸し野菜やフライドポテトやスイートコーンをそえて、つまり、まるっきりハンバーグステーキの代わりにビフカツが載って出てくるところ。保温フタを被せて持ってこられたせいか蒸れた衣の感じもしんなりしてはずれやすくていまいち。つくりおきしたやつをあっためてるんじゃないかとつい思った。
私の勝手な基準からの判定ですが、この店でビフカツをことさらに食う必要はないと思う。たぶんハンバーグはとても旨いと思うのでそちらを食ってください。
褒めてるわけじゃないので写真も場所も省略。ビフカツシリーズ今後も続く。

ハマムラ 中華 京都2009/12/06 13:34

月にいちど河原町三条あたりに用事がありお昼はここにしている。もう15年くらい。
あっさりしたいわゆる「京風中華」のしにせ。10年位前からやきめしに紅生姜がつくようになった。味がかわったという声もある。そうかもしれんとも思うが、惰性で通うにはいい店。むかしはそのやきめしに、スープとあと一品蒸し鶏だか鳥とエンドウいためたもんとかつけてたが、今じゃもうそんなに食えない。春雨かやくスープつけるだけです。
20年前、このちかくに勤める知人が、うちの上司がここがおいしいといってたというので、なんとなく来るようになった。彼女の勤め先がアート系で、なんか格好いいかなと浅墓にも思ったが、ぜんぜんそんなことない。そのころは3階で散髪屋もやってたような。いつくらいになくなったっけ。
「京風中華」、祇園の「盛京亭」あたりが有名か。「鳳舞」はこないだ閉店したらしい。「白雲」はたまに行きます。

河原町こえてむかいから映画館も本屋も消え、代替わりで店もどんどんかわる。菓子屋もカメラ屋も文具屋も消えた。飲食業の入れ替わりはもっと激しい。ハマムラから木屋町にむかう道にはむかしあれこれ知った店があった。スナック貴林、喫茶文月、バーかりん亭、かっぱ寿司、、、、学生時代の部活のいきつけだったスナックソンブレロもとうにマスターはなくなったし。
明治屋で Lea&Perrins のウスターソース購入。こういう、そのためにこのあたりに来ようという訴求力のある店が減りましたねえ。いやウスターソース自体はべつにどうでもいいが。先輩の先生にブラッディマリーをつくるのはこれ(=Lea&Perrins)じゃないといけないと力説され、なんとなく買ってカツやホットサンドに使うのだが、いまだにカクテルはつくったことがない。なんとなくやっていることって、もともとどうでもいいことなだけにほかに移る理由もないし、結局ながく続くものです。そういうところにするっと入り込むのだから、口コミ情報は強いです。
三条祇園画廊でどっかの大学写真部の学外展やってた。もうちょっとお高いところと思っていたので意外だった。かいわいにお安い店がこうも増えてそれでも埋まりきらず空テナントも目だつし、敷居の高いことは言ってられないんだろうとも思った。

公的医療の終焉 モスクワは涙を信じない2009/12/07 21:47

帰りに開業医の先生と一緒になって、あああそこは困るねという別の開業眼科の話になった。
視力がいいのに白内障手術をすすめたり、眼瞼下垂もないのにナイロン糸埋め込みの重瞼手術を勧めたり。ナイロンは入れたりとったりできるので、調子が悪いと言われていれて、調子が悪いといわれてとって、その調子で何度もやるそうな。後医は名医というのであまりえらそうなことはいいたくないのだが、保険診療を食い物にするというのはこういうことやなと思ってしまう。こうもやらなくてもいいことをすれば金がかかるのは当たり前だ。しかもローリスク症例ばかり狙うのだからたいがいは実害なく、したがって苦情すら出ない。「よくもならなかったが、はじめからそもそもわるくなかった」ということです。周囲に開業の先生は何軒もあるが、ここから流れてくる患者だけは、いらんことをいろいろしようとされたという印象がきわだって強い。
ところで、べつのところにこないだ開業した先生は、それなりの病院の部長してたひとだが、開業前から患者に案内をくばり(これ本当はルール違反)、すべて予約制と称して軽症患者は症状も聞かずに断る。そこそこの病名をつけて検査しまくってどっちゃり請求するという挙に出ている。そのうち監査が入るとしか思えないのだが、保険診療のシステムを使いながら、自分はえらいと吹聴して金の取れる患者ばかり診て安い患者はよそにいけというのは、これはこれで、みなで薄く広くプライマリーケアをという開業医のありようを無視した話。これが通じるなら、やはり、安い患者の山にふつうの開業医が疲弊してつぶれていくだろう。
羽毛布団もありがたい壷も医師自身がもちこんでいる現状では、それらをまかなう公的医療は破綻しないわけがない。ほとんどの先生はまじめに地道にやってるのに。

ソ連後期の映画に「モスクワは涙を信じない」というものがある。社会主義社会で、いろんな個人的軋轢はあるにしてもみんな分をわきまえてひかえめに幸福を追求していく体の話です。実際のソ連の社会は、とくに地方は危なくなっていた筈で、都市部での小市民生活が成立したというおとぎ話にしかいまではならないが、不況の嵐の中で、公的医療にぶらさがることでそこそこの生活を享受できているいまの医者とだぶってしまう。最近では結果責任追及がひどくなってきているが、使命感を捨ててしまえば身はそれなりに守れるしね。逆にみんながそうするようになって、最終的に公的医療は防衛医療の中に滅び、羽毛布団とありがたい壷だけが残るのだろう。

DVDで映画を見ながら、この映画のなかでバターロフ演じた腕のいい職人や、アレントワ演じた努力して出世した工場長、その娘、なんかにあたる人たちはソ連崩壊後どうなったんだろうといつも思う。まあ実体経済のつよいロシアだから黒パン食って元気にしてるのかもしれん。日本の医者のほうはそうはいかんでしょうが。

本日の手術室2009/12/08 19:27

午前はふつうの白内障2件のほかに、角膜移植後(まだナイロン糸あり)で虹彩が水晶体に癒着しまくってる緑内障患者の、トラベクロトミー併用白内障手術。一瞬 can opener を覚悟。イリスリトラクタ入れてCCCはきれいにいって核も結構硬かったが whitestar のご威光で手早くできた。あとは角膜がもつのかどうか。網膜剥離手術後の硝子体のガスを抜き、〆は若手の白内障手術の介助で終了。
午後は、角膜が悪くて痛がっているNVG失明眼の、角膜掻破後結膜被覆術。部屋をかわって中堅の介助してから、PDR眼にシリコン注入。
なかなか盛りだくさん。べつにうれしくはないですが。手術なんてしないに越したことないんだし。

洋食 グリル花 長浜 白内障さらに包括化?2009/12/09 21:35

たまに滋賀の長浜でというところで夕食をとる。
高田町のこの店、ビフカツはいいのだが、夕食に重いものがちょっとつらいので、たいがい鶏モモの塩焼き。冬はおでんもあって、テレビや新聞だらっとみながらたらたらすごすにとてもいい。何度かきているのだが静かな店です。

きょうはほかにお年寄りの客が来た。メニュにないよこわの刺身がでてたし、常連さんなんだろう。おばちゃんと、あの人は最近来ないとかどうとかぼつりぼつり話をしている。
この店の斜め向かいに大きな駐車場があり、むかしはでかい料亭だったそうな。どういういきさつでなくなったか忘れたが、そのころはけっこうな賑わいだったそうな。いまでは見る影もない。ここより表通り側には、さびれたスナック街があったが、火事で焼けてしまった。その表通りも更地ばかり。

新快速が長浜まで通り、黒壁も出来て、昼間は人は多いようだがみな泊まりもせずに帰っていって夜はさびしいことこの上ない。交通が発達すれば田舎は寂れるのである。
コンビニが田舎でも発達、というか、長浜では夜9時まで駅前平和堂の食料品フロアがあいている。酒もお惣菜も売ってる。少々遅くなっても外で食うまでもなく家で飲み食いできる。着ざらしのジャージきたおっさんたちが賞味期限切れ近く半額になったものを買いあさっていた。そりゃ町もすたれるわな。

入院手術がDPCになって、なんとかちゃんと運用できるようになってきたが、来年から、さらに包括が進むという噂。たぶん対象はまず白内障とポリペプトミーだろうと。DPCではまだ入院に対し一日いくらと出たのだが、白内障手術に関しては総額がきまってしまうらしい。入院させるだけ無駄ということね。アメリカなみの厳しさになっていくというのに公的医療ということでアメリカよりずいぶん安いよなあ。
軽症例をあつめて薄利多売するやつがさらに増えて、時間と金のかかる困難な症例は引き受け先がどんどんなくなるんだろう。どんなシステムをつくっても回る金がなくなれば全体は寂れて、金の集まるところはごく一部で、あとは軒並み動かなくなるでしょう。田舎ではまともな手術ができなくなる時代がまたくるかもね。いや、きつつあるか。