カメラの値付け シグマ SD12011/05/22 17:22

そこそこ開発に手のかかった、でもファン以外にはあまり訴求力のないカメラ、というジャンルがあります。ちょっと古いが平面モニターでいうと SED というところですか(笑

仕事の上でどうしてもいるようなシステムは平気で数百万する。Phase-one しかり。逆に、よく売れるのでそこそこ値段が下がってきたりする。キヤノンニコンのフルサイズもずいぶん安くなった。

ここまで開発してやめてしまうのはなんだけど、もとはぜったいとれないよなー、という代物も含め、「ファン」というのが趣味のためになんとかひねり出すのに、このへんでどうや、という値段があって、どうやら70-80万円のようです。

むかしコンタックスのフルサイズデジ1眼があって、80万だった。レンズも、かってのコンタックス/ヤシカマウントと互換性無し。
ちなみにこのあとほどなくコンタックスブランドは消滅した。同様のものを予定していたペンタックスは発売予定を引っ込め、なんとか現在も存続している。

そのペンタックス、後発の安めの中判デジイチを称した645Dは70万ほど。これならファンのみんなはがんばって買うんだね。
ライカのM9もそのあたりの値段です。
この2機はともに以前からのレンズを持っている人が多いし、趣味のカメラといえる。

さて、シグマから、このたび Foveon センサー搭載の新型デジ1 SD1 が出るのですが、やはりこのあたりの値付けに落ち着きました。

http://www.sigma-photo.co.jp/news/110520_sigma_sd1.htm
↑ 価格はオープン、ヨドバシやMAPでは70万設定の模様。

社長だかが「中級機の位置づけで」とかいってたもんで期待してたファンがいっせいにブーイングしているようですけどね。その後の震災で安売りが無理になったのかもしれんし、よくわからない。

プロが買うという自信があるなら平気でオーバー100万だろう。それには期待できないからコアなファンからせいいっぱいふんだくるのであれば、この値段しかないやろうとは思うが、上記ペンタやライカのレンズ資産の厚さとは比較にならないのだから、この先危ないんじゃないか。

NCAP各マウントで受注生産するならたぶん40万でも儲けがそこそこくるくらい売れると思うのだが、いやそれこそ70万円でもそれなりに売れると思うのだが、いくらお安いものがあるといってもシグマのレンズですからねえ。ふつうに使いたくなるのが17-50と30だけでは、システムの広がりを妄想する楽しさに欠ける。
しかも Feveon でしょ。読み込みに10秒以上かかるんじゃないか。使いにくさは私も DP-1 もってるので知ってる。どのみちメインカメラにならない高価なサブカメラということか。
社長の言うとおり中級機のつもりでやってたとしたら「ガワ」もそんなに高級感なさそうですし、耐久性も期待できまい。かなり切ない持ち物になりそうに思う。

「高くて売れないのはわかってるけどせめてこれくらいとっておく、安くしたってその分売れるわけじゃない」という線は、何にでもある。そこからの展開まで考えんとあかんし、商売は難しいですな。

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