眼科手術顕微鏡 Zeiss Lumera700 のありようについて考えた2011/07/04 23:43

弱いファイバー光源の光を最大に生かすために 0 度で入射するこの眼科顕微鏡。徹照はすばらしい。きれいだ。
しかしなにかが引っかかるのでずっと考えていた。

0度入射の代償として、影がなく、後嚢や硝子体からの反射もわかりにくい。加えるとして6度では斜照明にしかならない。
これを、しかも白内障サージャンが喜ぶというのはどういうことか。

つまり、そいつは、混濁のまともにない水晶体を手術しているということではないのか。CCCはしやすいだろうよそりゃ。あとは、ほとんど超音波無しで吸引できるんだし安全この上ない。
クリアレンゼクトミーの好きな術者にオススメということなのだと気がついた。引っかかったのはここである。
徹照がよくても視力のあまり出ない硬い核というものも結構あるのは承知の上でいう。

この顕微鏡は、いい顕微鏡である。入射角0度照明で、見える画面は芸術的ですらある。
しかしこれをよろこぶ白内障術者はどうだろう?しなくてもいいレベルでの白内障手術ばかりしている奴が多いんじゃないかとあえて言ってしまおう。これは顕微鏡のせいではない。

入射角2度からの入射で光量が多く、つまり角膜反射もつよい Leica M844 が、マジな術者にけっこううける理由はここである。
みづらいけど、光量があるので、みるべきものはまあ見えるのである。後嚢は見えすぎるほどみえて、どこまできれいにしていいのかとw

Lumera だが、光源は0度と6度の組み合わせである。光源ボックスは、これでひとつ使用、もうひとつ入る場所があると思うのだが。
光源ボックスをもうひとつ入れて、0度と2度と、それに6度にすればよかったのにね。それなら無敵。まあ、できないからしないんだろうけど。
そういわなくても Visu200 や 210 を再発売してくれればそっちでいいのですが。中国向けも、もうないそうだ。