稲亀石の、田舎目医者日記

6月7日のエントリ
http://inakameishi.asablo.jp/blog/2010/06/07/5145722
「眼科用OCT使用感比較 Nidek Zeiss Heidelberg 」
の後記事です。

うちではその後購入申請し、購入の方向であとは機種選定。希望の機種を購入するべく事務をけとばした甲斐あって、はじめは私の顔色見つつ、いまでは嬉々として値切っているようです。どうなることやら。

昨日とくに京都滋賀あたりの病院眼科医と話す機会があり、どんどんあたらしいOCTが入っていくのがきいていてよくわかった。備忘録です。わかった分は追記予定。この項目ころころ書き直します。

Nidek RS3000
そこそこきれいで使いやすいし安い、国産で値引きもいいだろう。医師が自分で検査する一般病院で１台のみ設置するならこれですね。バージョンアップして大幅に使い勝手がよくなった。
でもこの器械にしても Cirrus にしても、つかってると、タイムドメイン方式時代のスタンダード Zeiss Stratus OCT3000 はとってもよくできた機械やったんやなあと今更思えてくる。画像の精度以外はまったく Stratus OCT3000の 路線なのだね。でもまあ今更 OCT3000 買わんわな。スペクトラルドメイン機種各社参入直前の叩き売りで OCT3000 買った施設はよかったのかくやしいのか。
シングルスキャンの i-Vue、マルチスキャンだが重ねあわせ無しの Cirrus 簡易版は、開業医なら選択枝になるかもしれませんがそうじゃなきゃこれが実質最低価のはず。
守山成人病センター　岸和田市民　京都博愛会　京都医療センター　舞鶴赤十字　滋賀医療センター　京大（Spectralis と併用）

Zeiss Cirrus
阪大系の先生は好きらしい。医師が自分で検査しない病院で１台だけ置くならこれかと。きれいにデータをみせる。でも、顎台が駄目で、自分で操作するならほんと頭にきます。検査員必要。
OCT3000 の後継ということで、なにも考えずこれにしたところも結構あると思います。
阪大　滋賀医大　甲賀　南丹　あさぎり　県立尼崎

OptVue RTVue
「前眼部OCT」としてねじこむ手があるとは！そういう口実が必要でないなら、緑内障好きな趣味人向けだそうな。 Nidek ほど使いやすくないとデモみた知人は言ってた。業者が置きっぱなしにしたのでそのまま買ったという鷹揚な病院もあるそうですが。
北野（大阪）　奈良医大　和歌山赤十字

Topcon 3D-OCT 2000
Nidek 並に安くて眼底写真にFAも撮れるのがいいんだかどうなんだか。前眼部もある程度できるオールインワンだから i-Vue にあきたらない開業医にはいいかもしれない。マジで黄斑変性するなら IA が無い時点でアウトだしOCTのカタログスペックとしてはたいしたことないし、電子カルテの眼科データインターフェースをトプコンにしないのなら格段に有り難味があるわけでも無いという噂も聞いて、総合的にするーした。本当かは知らない。てか、眼底カメラを Kowa にして以来、このメーカにはほとんど興味ないのです。京都府立医大系列で以前推奨されていたそうな。
京都府立医大　滋賀済世会　大津市立

Heidelberg Spectralis
唯一のトラッキング機構のおかげで切片を切るようにきれい。同一部位を何度も観察するならこれしかない。大雑把なボリューム解析がないし緑内障関係もしょぼいので、いまいち一般的にウケないと思う。ほかのもの（たとえ Zeiss Stratus とでも）と並行使用したら比類なく強い。
京大　神戸中央市民　明石市民　加西　市立長浜
なぜか兵庫方面に多い。

京大系は、Spectralis 増殖中の噂、その割り切りが出身者の心の琴線に触れるのか 。あちこちの病院で交渉中とか交渉予定とか。
系列じゃないが緑内障の聖地、奈良の永田眼科病院も買ったそうな。
この機械だけで事足りるかというとそれこそ割り切りですね。個別に解析するなら定点観測で足りるし、乳頭所見の解析は断面で足りるといえば足りるし、わかったようで実はえーかげんなボリューム解析も乳頭形状解析もはじめからないと思えば（わりと本気。