音楽で駄目なものがアニメでうまくいくわけが2014/07/28 09:25

こういうカスラック好みの規制を、またやろうとしている。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140728/k10013332551000.html
アニメなど海賊版サイトを駆除へ NHKweb
7月28日 5時29分
アニメなど海賊版サイトを駆除へ
「違法にコピーされた日本のアニメや漫画をインターネットのサイトで無料公開する、いわゆる海賊版の被害が後を絶たないことから国が、アニメ制作会社や出版社などと協力し、来月から大規模な駆除作戦に乗り出すことになりました。」

こいつらがいなければこっちにもっと金が入る、なんて考えが甘いのは、音楽でもう実証済みでしょうが。

創作が大変なのはその通りだし、創作者がちゃんと金銭的に報われるのは重要なことだとも思うが、いったん複製可能な形で世に出たら、幼女ポルノのようにそれ自体の存在を抹殺するつもりでもなければ、複製をこの世からなくすのは不可能だ。
であれば、はじめにそれを世に出すときに、きっちりもとをとってしまうようにするしかない。とくにCMつき無料放送とか、視聴料金とってつくったとかいうしろものは、はじめにもう、元をとってるんじゃないか。

まあ深夜アニメなんかは、DVDで売ること前提にアニメ会社が自分で枠買ったりしてるんで、よそから広告料が入るわけでもなかったりするのですが、放映のエリアや順番考えて直接なり録画してなりしてみる熱い層だけ相手にしてたんじゃ視聴者は増えない。アニメの数は多いし、放映前型のコアなファンなんてそんなにあてになるものばかりではない。。無料で落ちてるのを見て気に入ってはまる、という連中がいないと商売自体成立しないだろう。外国ならなおさらだ。つまり、放映そのものが広告なのである

放映して、そのあとのことはすべておまけです。いかに取り締まろうがガードしようが、こちらの法律の通り抜けられない国境があってデコードエンコードできてしまうPCがあるかぎり、複製物が流通する技術はとめることができない。
工夫もなしに何度もそれでおいしい思いをしようというのは甘い。いらんものを抱き合わせで売りつけようとか、バカにするにもほどがある。

複製物ごともりあがれたらオリジナルも勝ちであるし、そうでなければ複製をとめればもとの火も消えてしまうだけ。音楽の複製をきびしくしてCDが売れたか?複製皆無になったか?
面倒と思ったらはじめから近寄らないので分野自体が縮小し、一部の人間はそんなハードル飛び越えるからコピー規制も意味はない。
あれこれ規制かけて、かけられたほうがおとなしく思い通りに動くと思うな

すでにもう自分たちの埒外で成立している技術ですから、いいようにも悪いようにも絶対コントロール出来ない。
そういうものがあることを前提に自分のビジネスモデルの方に手を入れるしか「対応」する道はないと思うのですがねえ。

それでも口を出したいなら、英語中国語スペイン語タイ語ロシア語アラビア語程度には対応したポータルを作って、広告付きでストリーム発信するぐらいしたらどうか。最低、それがまともに動いてることを確認したうえでやることでしょう。1週間とか愚かな制限付けるなよw
今でもなんとなくポータルらしいものはあるが、コンテンツもなかったりつながらなかったりで、まともにみられたもんじゃないようだし、そもそもネット放送のエリア規制なんかまだやってる時点で馬鹿としか。

「なんでもオープンにして、世界標準にしたうえで栄える」という発想が日本人にはない。ちょっとしたお花畑をつくっては、ぎりぎりに柵を作って入場料を釣り上げる。日本の「業界人」は、目先の狭い範囲の濃度勾配をコントロールすることに必死。
鎖国状態ならいいのだよ、いや鎖国と言わないまでも日本語というバリアに日本の業者は守られてきた。お茶生け花から学会活動まで、コップの中で独占供給しておいしい目にあえた。家元制、ですね。
だが、グローバル市場では、それでいままでずっと、こけてきたではないか。家元制度で世界を相手にできるはずがなかろう、講道館柔道をみろ。世界が自分の思い通りになると思ったり、ならないといって文句言ったりするのをやめて、世界にあわせて通用する商売したらどうなのか

「クールジャパン」とかいってホルホルしながら、けっきょく自分の首絞めているのである。規制されても熱心に見る層より、あほらしいから別のもん見ようという層のほうが圧倒的に多い。
パクリ気にしない国のコンテンツが「クールジャパン」を乗っ取る十分なチャンスを与えただけのことでしかない。

提供会社制作会社代理店どこも、こういう埒外なものに対応して金儲け考える余裕がないから、というなら論外です。それはつまり能力がないということで、能力がないなら、欲かいて皮算用はじいてないで、おとなしくすっこんでなさいよ。

こういうビジネスはどうも日本の文化土壌にあわないんじゃないかと心底思います。

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