医療事故報道まとめ2010/05/02 00:26

事故ミス報道少なし。 ポッポの loopy ぶりから目をそらさせる必要がないということでしょうか。

この太っ腹な法人の素性が気になります。私には突っ込む能力はないですが。
:市民健康開発センター ハーティ21とは 
http://hccweb1.bai.ne.jp/hearty21/hearty21/index2.htm

↑ がやったのが ↓。

http://mainichi.jp/select/wadai/horidashi/news/20100501mog00m040022000c.html
尼崎市のメタボ健診で表記ミス、361人「重症」--謝罪へ 2010年5月1日 毎日新聞
「検査結果を受けて、既に医療機関を受診している人もいるが、医療費は全額を財団法人が負担する。」

これも「説明責任」でおとす伏線はりまくりですか。
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20100428ddlk01040205000c.html
根室病院医療過誤訴訟:市側争う姿勢--口頭弁論 /北海道 毎日新聞 2010年4月28日 地方版
「原告側は「医師は治療に際し、説明や適切な処置をしなかった」と主張。市側は「主張の詳しい内容は、今後の法廷で明らかにしたい」と話している。」

合併症はゼロにはならないと何度。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002920565.shtml
県立姫路循環器病センター医療訴訟 県が解決金支払い和解 (2010/04/27 18:20) 神戸新聞
「原告側によると、医療ミスについては死亡との因果関係が認められなかったが、弁護士は「解決金は、病院側が手術ミスや説明義務違反を怠った点を認識した賠償金と考えている」と話した。」

これも、因果関係がなくても、頭にきたらしいから金やれっていう意味がわからんのですが。
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20100413ddlk32040585000c.html
医療訴訟:書類ミス、女性死亡 中央病院委託の会社に慰謝料770万円命じる /島根 ◇地裁判決 毎日新聞 2010年4月13日 地方版
「判決は「(因果関係が)認められるほど高度ではない」としながらも、「再発後の闘病生活において被った苦しみや怒りも相当激しいものであった」などして慰謝料を認めた。」

雄雄しいなあ、、、
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00176326.html
東京・品川区で母親のために呼んだ救急車の中で救急隊員2人殴った50歳男逮捕 (04/28 12:32) Fuji News Network.
「黒沢容疑者は、当時酒に酔っていて、「早く病院に行け。救急隊のくせに搬送が遅い」などといって殴りかかったという。」

「お客様は神様」庁が、専門知識もなくインフラを対象にしてどうするのかと、、、そのうち実名を出すでしょうし。
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010043001001005.html
消費者庁、医療事故も公表 「不安あおる恐れ」の声も 2010/04/30 21:35 【共同通信】
「リハビリ中に骨折」「リモコン操作のベッドに体を挟まれた」などのほか、「手術中に容体が急変し死亡」といった原因究明に高度な専門知識が必要なものも含む。」

暖かい地方は外で動き回る時期が長いのか、加えて近畿地方には文句言う人が多いのでとにかく病院に連れて行くのか。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100501/trd1005011404005-n1.htm
学校ミステリー! 子供のけが“西高東低” (1/3ページ) 2010.5.1 13:59
「加入者数と給付件数から算出した災害発生率は、平成20年度で近畿8・74%、中国・四国7・85%、九州7・07%に対し、東海・北陸は6・63%、北海道・東北6・28%、関東・甲信越5・82%。16年度以降でみても、近畿と中国・四国がトップと2位を占めている。」

khr at smks

部長会でするーされるには2010/05/03 10:29

先日病院の部長会があった。院長副院長、各科部長、管理婦長、事務各課代表が講堂に集まって経営情報の報告会をするというあれです。進行係は副院長。
配布情報そのものは事前に配られるのですが、衆目のなか直接あちこちに突っ込むにはそこにいくしかないので、私はなるべく出席して茶々をいれることにしている。こんなところで方向性を討議してもまとまるわけがないので、状況認識の共有ということですね。
報告も、事務方はほっとくと印刷された数字をそのまま読んだりするので、そういう場合はたいがい院長サイドから、読むだけじゃ意味ないちゃんと解析してと注意が入る。だって時間ないですから。

以前に電子カルテの話がでたときは、反対する某科部長が突っ込み続けて大変だったが、たいがいはそのままおわる。
今回、ちょっとネタをためておいたので、ひさしぶりに発言。
・ 各科ごとに初診者数、率、逆紹介数をだしてほしい。
 ← そうしてくださいと副院長からも事務へ。
・ 日帰り入院を増やすにあたってカルテ事務を簡略化したい、手続き上必要なもの等についてナース等が相談するに当たって事務も対応をお願いします。
 ← でもまあ、さっさと動かすならだれかが尻をけらんといかんでしょうねえと副院長、はあじゃあ私が蹴るしかないですなと私。
・ 当院も医師人数確保に苦労しているようだが、いろんな事情で出て行った医師から、当院をどう考えたかという情報を集めるべきではないのか。NTTからの乗換えじゃないが、やめていく人からの情報は重要だろう。
 ← これは、あちこちでうなずく人あり。それは考えんといけませんねと院長。考えるだけで終わるんだろうけどねえ。まあ半年位したらまた突っ込んでみよ。なんなら用紙くらい作ってあげてもよくってよ。でも全病院的にそれをやったら、退職率の高い某部門長が困るんじゃないか、主任の性格でみんなやめてるんだし。
・ 院内処方採用薬が限られれるのは在庫関係上仕方ないが、外来での処方は院外が基本になったことだし、院外処方での採用薬を増やしてほしい。現状では連携開業医とのやりとりもしにくいし、自由度は高いほうがいい。入院したら薬が変わるのはなんとでも説明します。
 ← 薬剤部部長と副院長が交互に、マスター変更がどうのゾロとのかねあいがどうの前に薬が変わったときにもめてどうので、結局うやむや。なるほどここはいろいろ敏感なところのようで。
・ 電子カルテになったら、端末を iPad にしたらどうでしょう。
 ← 完全にするー(笑

よこの他科部長にお騒がせしましたと小声で。でもなきゃお葬式みたいですからまあどうぞと返事された。
院外処方についてはちょっとむっときているので、薬剤部要望の、処方箋の「ゾロは駄目」項目へのハンコを、当科ではやめようかと考え中。

田舎の休日眼科救急 救急車の是非2010/05/04 19:18

午後、百キロ以上離れた、私の勤務先から電話がかかってきた。
眼科の救急がきそうなのですが、待機の眼科医(うちの中堅のこと)に連絡がつかないのでと、外科系待機の先生。
当院の眼科は、電話待機にしていて、出務はできたらしてあげてという程度の縛りになっている。電話待機にちゃんと出てくれないのは困るが、連絡の線の上では、次は私になっており、ま、実際こうやって私につながったので、システム上の実害はないという形にはなるのですが。

釣りしていて錘の目に当たった人が救急車で搬送先を探していて問い合わせがあったと。どうしましょう専門医不在で断ってもいいでしょうかと。それでいいんじゃないでしょうかと答えた。
県内には、大学を除いて、「出務を前提とした」眼科待機医はいない。たまたま当日直してるんじゃなきゃ、電話待機ばかり。当院の近所から大学まで高速を使っても40分以上かかるが、どうなったことやら。それでも私がいくよりはずっと早いがね。

で、もし眼球破裂なんかしてたら即縫合せんといかんから、手術できる大学に搬送するのでいいのだが、強膜角膜が保たれているなら保存的に対応する。つまり、開業医含む一般眼科でとりあえずは対応できるということである。
救急車なんかでやってくれば、最悪の事態を想定せんわけにいかんから、専門医が居なけりゃ受け入れ不能になる。
でも、たぶん実際には、せいぜい内服出して眼軟膏いれて、休み明けに又きてくださいですむわけだ。

言い換えよう。
救急車は、全身状態が悪いとか動けないとかいうひとの搬送に使うのである。眼科疾患というと、目にものがあたって痛いといっても体は動くはず。もしそこに連れが居たなら、その連れがさっさと車に乗せて動かすのがいちばん手っ取り早い。
連休とはいえ、コンタクト眼科の中にはやっているところもあるし、まずそういうところで本当に即対応がいるか確認すればいいのです。本物の眼科医がそこにいればね。救急車に乗ってしまっては、はじめから救急指定施設にいくことになってしまい、となると今度は専門医不在になるもんだから、かえってどうしようもなくなる。重傷度を確認できる人にたどりつけないのである。

今回の場合、ふつうにうちの病院の救急に自力で来てくれれば、他科であっても外科系日直医師がまずみて、私に状況を電話で説明できたわけだ。そうであればその場で私が、どの程度見えているか眼球は柔らかくなっていないか前から見て虹彩はどうみえているか目の動きはどうか程度の情報をその場で得て、それなりに指示が出来たと思うし、そのほうがよかったんじゃないかと思うのだが。いや救急車でやってきてもこの程度の対応でよいのなら問題ないのだが、大丈夫なのか保証はあるのか責任はどうなんだとうるさい人だとどうしようもないし、当直の先生がびびるのもわかるのよね。その場で、その先生ができる範囲のことをちゃんとやれば「責任」なんて生じる余地はない筈なのだが、当直でも専門医並のことができなきゃいけないというアホな判決が出たのだから断るのはむしろ当然になってしまう。

こうやって救急車で軽症者が、うんと離れた専門施設に、必要もなく送られるという図式が生まれる。これも、ごくたまにいる本当の重傷者のために負担しなければならない社会的なコストというわけなんだろうか。
ほとんどの人にとってはぜんぜん仕合せでないシステムに思えるが、権利意識の強い人やマスメディアが医療に「より確実」を求めた結果がこうなってしまったわけで。日本での公的医療は、競争状態のサービス業じゃないのです。インフラを叩いてもええことはないのですよねえ。現場が防衛姿勢に入ったら、インフラには代替がないから困るのは利用者なのにね。

ちなみに私は外科系当直時、救急隊から問い合わせがあったら「うちで対応できない場合、次の行き先をちゃんと考えてくれるなら受け入れます」ということがある。そうなるとたいがい来ません。そりゃそうだな。そうでなくても目医者だし。
でもそういう目医者でも入らなきゃ救急体制は名目上の維持もできないのです。十分医師数がいたら目医者なんかまっさきに外科系当直や全科当直から外されるだろうし、外してほしい。

京都市北部のツーリング2010/05/04 21:03

やや暑いくらいでいい天気。23年もの、 YAMAHA XV Virago 400 初期型で出ました。

京都、うちのあたりから自動車道使わずに、ごみごみしたところを避けてバイクで走るとなると、北方面になります。ちまちました山道も多く、アメリカンにはいまいち向かないが仕方ない。
大原-花背-佐々里-美山-京北の枠の中で走ることが多いです。左京区右京区に一部南丹市ですね。和知のほうも好きだが、いきかえりの選択肢になる京都縦貫道や9号線はあまり好きじゃない。綾部以北はちょっとしんどいし、8Lしか入らないダミータンクじゃワンタンクでいけないし、バイクの電装系もよくおかしくなるのでいまいち信用してないし。根性なしバイク乗りである(ライダーつと俺の歳だと仮面ライダーを思い出すしバイカーという呼び方はどうも馴染めない)。

今日は、まず鞍馬に。なんであの狭い道にたくさん車が入っていくのだか、京福でいきゃいいのにねえ、鞍馬寺前では地元駐車場もいっぱい。
そのまま花背、さらに、庄兵衛茶屋を越えた。大昔移転前のこの店に腕時計忘れたがいうまでもなく今更訊きに行く気にもならない。佐々里。山への入り口にもたくさん車がとまっていた。熊でませんか。芦生への入り口を越え、峡谷に、田んぼ。しかし田舎につとめてるのになんで休みにまで田舎を見に来てるんだか。
美山のかやぶきの里。手前で停まって記念写真。



かやぶきの里はえらい人。蕎麦屋「きたむら」で昼を食おうかと思っていたが、行列をチラ見して速攻であきらめた。そのまま走って、美山の道の駅「ふれあい広場」、通常殺伐。ここも、地元産品販売所「ふらっと美山」はえらい人で入る気にもならない。自販機の牛乳パックのみ飲んで、南下。あたりをみていると、花背にくらべて美山京北は山の手入れに金がかかってるような気がする。

おそい昼食をいただこうと京北で知ってる喫茶店に寄ると、ちょうどあるじが友人を呼んで、50歳台なかばおっさんバンドセッションをしていた。宴会状態で、会費払ってお相伴にあずかる。
近所の高校生がエレキギターを買いたいと相談にきて、あるじのつながりで中古を買う話から、バンド宴会することになんでか2日前に決まったという。
軽いにきびの高校生君、「けいおん!!」みてやりたくなったのかいときいたら違うというのだが、怪しい(笑 選んだギターもギー太そっくりで以下略
2時間ほど楽しませてもらった。山菜もたくさんいただいてありがたかった。ビール飲めないのが残念。

再び南下。ハーレーと併走。わが Virago はきゃしゃやねえ。サイン会は無事通過。
ウッディー京北は、寄ってみたらすでに売り場はすっからかん。道の駅になってそれがまたローカル局報道されたもので、えらい人出らしい。家内は出発前に「キャベツとか安くないかなあ」とか言ってたがそれどころではない。


周山街道から京見峠へ。あの細いくねくね道を、車3台バイク5台が団子になって、鷹が峰に出た。どこもここも混んでるねえ。俺もその一人ですがね。
美山で食えなかったもので、大宮交通公園あたりで思いついて「三根」でざる蕎麦。つぎはこの裏のほうの「団楽」にもいってみよう。
そのまま帰宅。100キロぐらい。

50近いおっさんになっても、バイクで走る快感はほかものには替えがたい。
梅雨までにあと2回ぐらい走りたいもの。事故りませんように。

Bassano del Grappa (京都) いばらの王 AngelBeats!2010/05/05 11:00

AngelBeats! みてみたらハルヒと朝倉さんが戦い始めて眩暈がした。「さっさと成仏しろよおまえら」と思うのは狙い通りなんだろうなあ。

さて先日。家内と娘の3人で、烏丸四条あたりで昼食、 Cocon京都の和食バイキングは行列で、おもてにでて「エッセン」にいったらこれも満席、その北の「旬彩イタリアン」標榜 'Bassano del Grappa ’。 まんざら亭の関連店ですか。塩味が私の好みより淡かった。くっきりした味が好きになってきたのは老化か? きれいでおいしそうなものをちんまり、というのはすでにイタリアンじゃないとは思うが客は日本人ですしね。
ビールを勝手にグラスに足すのはやめてほしい、自分でやりますから。お値段はお得だし、じっさい流行ってますなあ。

そのあと京都シネマで「いばらの王」を娘をつれて見てきました。
最近娘は、身銭切って見に行くほどでもない映画は私におごらせるようだ。

ネタバレ注意。




役者個人としての属性をもともともたないアニメ、特に記号化の強い日本的作画のアニメは、こういうRPG映像化型商品にとても向いていると思ったのだが、それにしても崖からおちたのが双子の姉なのか妹なのかようわからんかった。私けっこう筋追うの下手です。これ、作品を理解するうえで致命的やろう>自分

姉が残って妹製造かとも思ったのだが、物語の理屈の上では妹が残って最後のトラウマ大爆発で姉製造でなきゃ通じないし。でもそうなると、つくられた姉が妹のつもりで動き回りすぎや。つくられた姉(?)を容器にいれようと茨等が動くあたりに立ち会ったわりに科学者も捜査官もそれらしく動かないし。
トラウマ抱えた保菌者を集めるのがこの状況成立の要件だろうが、となるとティムはそのうち発病するんだろうかね。
妹(?)オリジナルはなんで起きなかったの?つくられた姉(?)は、発病しない以外に世界の進化の役に何か立つのか?もうオルターナティブはつくれないんだし夢を現実化する力もなさそうだ。
原作読む気にまではならんのに、理解力を棚に上げて文句つけるのもどうだかですが。ファンの方ごめん。

この手の終末型ジャパニメーションはどれみても同じ絵に見えます。 ま、いにしえの AKIRA は偉大だったということか。てかスチームボーイの流れのスタッフならそりゃ(略

アサヒスーパードライ 京都 10年前といま2010/05/05 19:34

京都老舗のビアホール。名前はずっと前の「ローゼンタール」のほうがらしくてよかったとは思いますが、この店、10年ほど前に立て替えている。何が建つのかと思ったらもととほとんどおなじ規模のものが建ったので、ああほんとうに老朽化してたのだなと思ったものです。

中2階が奥にあって、むかしは、その階段をあがって1階のよく見渡せるあたりに好んで座っていた。
↓10年前、前の建物のほぼ最終日のもの。 Minolta TC-1。


建て替わって、天井が高くなり、中2階がかなり広くなって1階が狭くなった。壁の柱と階段の位置関係のせいかまえの定位置は狭くてサーブ用品置きになっており、1階を見渡すにあたり、逆の側の壁際がわたしの今の定位置になった。
↓ 最近、Sigma DP-1。


ここ、手すりがやや高くて見渡す邪魔なのだが(手すりを避けて天井よりのアングル)、数年前まではその手すりにいろんなものがぶらさげてあって手すりの下の見通しも悪かった。最近すっきり見える。

このところ手軽で好みのものがなくなって困っていたのですが、メニュが新しくなっていた。ビフカツが定番になったようで嬉しいことです、印刷されてんだからそう解釈してますが。
今月はフィッシュアンドチップスもあるようで、さらに良し。

品質管理と職人技 医者にどこまでできるやら2010/05/07 21:47

雑誌を見ていたら、おいしい饂飩屋の記事があり、1日40食のみ、うどん作りは図書館で調べるところからはじめて研究し、きまった素材の入手や温度にとことんこだわっている、とあった。

結構な話で、そのうどんはさぞかしおいしいのだろうと思うが、一般的に出来る話でもない。

一定の結果を求めて前提を一定にすべく努力するのは化学実験の常道である。考え方はそれはそれで正しいのだが、逆にこれでは気に入った素材が入らなかったり環境を一定に出来ない場合廃業するしかない。ふつうは、手作りの場合、素材や環境が均質化しないので結果として仕上がりにばらつきができるのは仕方ない。

料理、特に地のものをつかうというなら、ひとつひとつものがあたりまえのように毎回違うだろう。食う人の体調への目配せまではいわない、しかしある範囲内の素材であれば、いつも結果としてそれなりの皿に仕上げるのがたぶん一流の料理人ということになる。「志」というものをもった料理人は、たぶんそちらを目指すことが多いのではないか。
もちろん条件限定料理人を否定する気は無い。どちらも食える状況であればそれは豊かさの一種であっていいことであります。

眼科も、この30年ほどで、顕微鏡をはじめ手術道具がよくなって、かなりいろんなことができるようになった。「勘」の入り込む部分が少なくなり、結果も非常に良くなってきている。手術環境はどんどん均質化しているわけですね。人間の組織というものは、特に目に関してはそうそう人によって違うわけではなく、違ったとしてもそれなりにパターンがあるのでグループとしてまとめるのは可能である。より実験室に近づいたとはいえます。
くわえてEBMがはやっている。統計処理してより有意に治療成績のいい方法を選ぼうということです。やりようによるにしても、バックグラウンドはすっとばされとにかく誰がやっても一定の結果が得られることが求められるのですな(語弊はあるが単純化しました)。
で、どういう状況でどうだったら手術を勧める、というマニュアルを求める若手もたまにいるようです、うちの医者ではないが。
コンビニ扱いされても仕方ないというところか。

こうなるとかえって道具をあまり使わず職人技的なものの要素のでかい手術をしたくなるのは不思議なものである。
すべて出たとこ勝負の「眼外傷」をやる、という先生がいるのもわかるのですよ。これはもう、全部違うという覚悟でやらざるを得ないしね。
マニュアルと出たとこ勝負の間にみなうろうろしている。

医者にもいろんなバリエーションがいる。
保険医療がある限り日本でまともに自由診療は成立しない。贅沢品としての医療は景気が悪いと成立しないこと、神奈川クリニックが破産したことでよくわかる(たぶんやばいと思った時点でかなり握って逃亡した経営陣がいると見ているが違うかな)。
このような保険診療はインフラなのは仕方ないが、その範囲で自分にしか出来ない医療を求めるのが、無駄な努力ではないと願うばかり。

この項、支離滅裂。

相続税増税と経済学者2010/05/07 23:48

経済学者が、人生の出発の条件をいっしょにするために、相続税をふやせということがよくある。

これが理解できないのだ、
相続税は親が死んだときに発生する。子供が生まれたときの経済状態とは時間的にあまり関係ないのではないか。金があっていい教育をうけられるならそれはいいことで、金がないとそれができないというならそっちをなんとかしろよ。教育だけの問題じゃないかも知れんが、金を排除しても人脈は残るぞ。どこまでいってもきりがないだろう。
身体、健康、顔や頭の出来からして人間には差異がある、それを格差というなら生まれた経済的な違いもバリエーションであって、それを認めないなら極論、子供を国家がすべて収容して養育するしかないがそんなことしたらたぶん子供がまともに育たない。文革で近いことが行われたよな。
生まれついての格差はあって当然と思うのだ。野生動物だって餌の多いところ少ないところと違いはあろう。そりゃ、「どん底の人々」までいくとちょっとどうかとおもうが今の日本の均質社会ぶりをみると相続税増税を持ち出す余地はそんなにないと思う。自分のもって生まれた、身体的経済的長所も短所もふくめて自分でなんとかして人生を切り開く、ものじゃないのか。できないもんはそりゃいるかもしれんが、それのできるもんが、社会を前に進めてきたのではないのか。

そもそも、相続税をふやせというのは、金持ちはけしからん金持ちの師弟が親のおかげで楽するのもけしからんという、嫉妬からでているとしか思えない動機なのだが、それで国庫に入れる金を増やしてちゃんと使われるのか考えてほしい。
年金をみろ。役人は、金が入ったらその分無駄な使い道を考える。なくなったらそれでおわり。
相続増税は、フリーハンドを増やしたい役人が図に乗るだけ。御用経済学者がとにかく国に入る金を増やす手段にしたがるように見える。

相続税に上限をつくってそれ以上は使い先を指定させるのもあるかも知れんが変な宗教団体が跋扈するだけのような気もするねえ。なんとかして家族を会社組織にしてしまえばどっちにしても逃げられるわけで、政治力のない半端な金持ちから金を取りたいということなのですね。そんなことなら頑張って稼ぐより社会保障にぶらさがっちまえになってしまうぞ。それでは国はもたない。企業持ちファミリーと生保の国にしたいのか。

とにかく役人にいらん金を与えないことと思うのだが。
身近で半端な小金持ちが目に付くので嫉妬するのはわかるが、だからといって政府組織がまともに使えるわけじゃないのは、絶えず実証されている。がんじがらめの規制の中で稼いだ金をなんでまた役人に巻き上げられんといかんのか。
金持ちが公共のために金を使ってそれで金持ちが名誉を得る、というありようにはならんものか、って、古代ローマじゃないですけどね。

稼いだ金を役人に無駄遣いされるくらいならうちの子供をしつけてちゃんと遣わせると私ですら思う。うちには金はないけど。
子孫に美田を残さないというのは美学としては理解するが、役人が死人の金をまきあげて好きなように使うのとは違う。

お通夜 明治屋 (阿倍野)2010/05/08 21:47

前にいた病院担当の某社MR氏、医療関係NPOのかかわりでもたまに会うことがあったのだが、そこそこ若いのにバイクで事故って亡くなって、阿倍野でお通夜。
いい漢であったがなあと残念に思います。合掌。

そのまま帰るのもちょっとたまらんので、阿倍野を歩いていて、「明治屋」があったので、軽く飲みました。よい居酒屋と思いました。

医療費自己負担の軽減 コンビニ受診とのかねあいは?2010/05/09 00:18

低所得者世帯の医療費上限をさらに軽減するらしい。なんかほんとに「働いたら負け」になってますな。遣えば遣うほど損しなくなるのだから、コンビニ受診がさらに横行しそうです。

で、これを存続させるのなら、「保険の免責を定める」ことになると思う。ある程度の低額医療までは自費でやってくれということです。自動車の任意保険みたいにね。しかも低所得者層を除いてね(笑

これは混合診療への実質的な移行として、そうじゃないふりして行われるだろう。特殊な高額の医療を制限する現状は「いのちに値段を付けるのか」というおかしな突っ込み対象に日本ではなってしまうので、こっち側から攻めるしかない。
実際には、その前に、包括化(安いパック料金になる)が行われるのでしょうが、どっちにしても軽症者の慢性治療で生きてる開業医のとどめをさすことになるでしょうね。
実際に軽症自費化が行われたら、医療機関は患者に文句言われたくないからいざとなったらわざわざ重症病名つけて高額に請求するやろね。
それをチェックしやすくするため電子カルテをネットで審査機関がみられるようにしろということにどんどんなるだろう。その手の手間ひまにも予算はつけざるをえない。
これ以上の想像は面倒なのでやめますが、なんにしても国民の健康レベルは下がり、医療費はさらに上がることは間違いない。国に金もないのにほんと心配。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100508-OYT1T00582.htm
医療自己負担、上限4万円に軽減…来年度にも (2010年5月8日14時40分 読売新聞)
政府は8日、医療費の窓口負担が一定額を超えた場合に払い戻す高額療養費制度について、70歳未満の年間所得約300万円以下世帯(住民税非課税世帯は除く)の負担上限額を現行の月額約8万円から月額約4万円に引き下げる方向で検討に入った。