映画 イニシェリン島の精霊 ほか感想2023/03/18 13:14

映画「イニシェリン島の精霊」みてきた。ネタバレします。


テーマは、凡庸の呪い、とでもいうべきか、気楽でひとはいいけど退屈な男に、友人付き合いしてきた音楽家がいきなり縁切りを告げるのですが、「凡庸な男に時間を食われるのが嫌」よりむしろ、「自分のなかの凡庸さをこの男を通して見るのが耐えられない」からじゃないかという気がする。

理屈つけて考えようとすればいろいろ考えられる映画ではあるが、それよりもである。
この音楽家が自分の指を切り落とし、「興奮してるせいかあまり痛みは感じない」とか言ってる。
そりゃないやろうと、chatGPTに、この音楽家が指を落としても痛みをあまり感じない原因として可能性のある病気を訊いてみたら「糖尿病」という非常にもっともらしい答えが返ってきた。
太ってるしよく吞むし。
それをいうなら「イニシェリン島」というのもなんかそれっぽいなあと、いや偶然でしょけどね。ランゲルハンス島とまではさすがにいかない。

だったとして、まともに糖尿病治療中とも見えんし、コントロール不良状態ならそう指ぽんぽん切ったら感染で死ぬ。
そうじゃなくてもでかい鋏でたんに切り落とすだけという設定だから、感染の描写はないのかと私はずっと気にして観ていた
犬が鋏を使わせまいと引っ張っていく場面からあとのこの映画は、しつこくくどくいろんなネタをばらまいて冗談やってると思う。

知人から聞いた。糖尿病黄斑浮腫に関するなんかの治験で、参加してもらった糖尿病の患者さんで小刀で指の先を切り落とし、そのまま捨てたという人がいたそうな。
当然治験においては有害事象になったという。この方はわざと切り落としたわけではないけど、切り落としても平然としてたらしいです。

話がずれました、糖尿病というのは勝手にこっちでくっつけた設定ですから念のため。

ほか、ホームシアターで観た映画。

テルマ&ルイー」 彼女らの目の前に出てくる男がマッチョか女たらししかいないのがすごいな。追跡する部長刑事(っぽい)だけやたらまともだし、なんかいろいろ変、しかしこういう居心地の悪さの上に男にとってのフェミニズムが立っとるんやろう。
グリーンブック」 いちばんきつそうなところはするっとかわす感じで面白かった。