新型コロナと多世代住居 ― 2020/02/12 16:11
医師会で講習会があり、 COVID-19と呼ばれるに至った新型コロナによる肺炎(2019-nCoV感染症と冊子では表記してる)についてきいてきて、思ったこと。
これ、子供は発症がみあたらなく、発症者家族の10歳の子供調べたら無症状だが感染してたそうでして。
季節性インフルエンザ同様、免疫反応 (cytokine stormなど) で症状が重症化するとしても、この感染症はことさらに、免疫反応のゆるい子供ではあまり顕在化しない特徴があるようです。
そして、日本国内発症者をみても、AYA世代(= adolescence and young adult)や全身状態に問題ない大人でも、経過の長い風邪程度の症状だそうで。
ついでに書くと、上気道症状が少ない(鼻汁くしゃみ咽頭痛が少ない)そうです。なので、喉が痛くて声のかわった私の長かった風邪はたぶん違う。
基礎疾患のある年長者や高齢者だと重症化するということです。
これを考えると、小学校なんかに入り込んでもわからないだろう。
小学校で蔓延して、そこから各自家に持って帰り、その家にいる、基礎疾患のある年長者や高齢者に感染させてはじめておもてに出るわけですね。
先生に感染するだろうが、先生から感染するかもしれない、わからない。
中国の大都市ででああも壊滅的なことになっている(ようにみえる、おもてにでてからの対策が大袈裟大がかりなので余計そう見える)のは、大気汚染や、たぶん喫煙者が多く、もともと COPD 率が年長者に高くて(日本でもけっこう高いですw)、かつ大家族で、そうでなくとも密集して生活してるからじゃないんですかね。
それを考えると、この感染症は、日本でも、減ってきた3世代同居というものに、とどめをさすものなのかもしれません。
ところで、この感染症は基本的再生産数が2くらいだそうです。
これは、ひとりの感染者は周囲の免疫のない人に感染させる二次感染者の数で、インフルエンザの2-3とそんなにかわらない。
これで大騒ぎするんだから、もっとそれの高い、かつあとあと難を残す風疹(7-9)やら麻疹(16-21)なんか、ちゃんとワクチンうってほしいものだと、ありきたりですが書いておきます。
アメリカでは、いま、日本について風疹流行地として渡航制限が出ている。先天性風疹症候群の赤ん坊の眼底は、それはそれはひどいものです。
HPVにしたって、わけのわからない団体が反対つきあげるのを、さも両論併記してバランスとるふりするのはただの風評被害です(北海道新聞のことね)。
エビデンス上、よりましな選択肢はちゃんと肯定的に扱われるべきで、それを言っている人がいるからといってましでない選択肢と、同等に扱われる理由はない。
二者択一にするべき案件でもない。
二者択一にするべき案件でもない。
by 稲亀石 [医療] [社会] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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