処方薬の一般薬化 ― 2025/03/31 10:43
一昨日中医協に関係の深い先生の講演聞いたが、制度についての説明はよくわかるものでしたが、なんかの質疑にこたえて、日本の医療費支出はGDP比では諸外国より低いんだからもっと上げるべきと言っていた。
いまそこに出せる金がないんだから、その分を国民から徴取するのであれば、つまり税をあげろということか、この先生にしてこの認識なんやなと思った。
比較する各国の医療制度が随分違うんやけど、一般薬相当は保険適応なしにして、高齢末期延命治療に高額医療費制度適応もなくして、やっと諸外国(ヨーロッパやけど)と一緒と思うんですけどねえ。この2つで底の抜けた状態になってる。ここの穴を制度としてふさがない限りなにやってもあかんでしょう。
法律の縛りのある税金より、政令でかえられる年金保険料のほうがいじりやすいのでそっちがどんどん肥大化してますが、逆に、手軽(というと悪いが)に上げられるので、いままでの軽症者多数処方路線も末期高齢者とことん治療路線も変更が効かない。
ここでGDPとか言って社会保障に回る金をさらに工面しても、底の抜けたバケツに水入れてるだけ、まず底抜けのシステムを何とかせんとあかんはずですけど、老人向けに政治ができてるからなんともなりそうもない。
それで、OTC薬化とか、その一般薬化とか、先発品の選定療養化とかいう話が来るわけです。
保険収載薬のジェネリックがうまく流通しないのは、少量生産だからといって業界再編がどうのとやってますが、なんといっても薬価を絞りすぎなんだし、製薬会社側はもう保険収載やめて値段を好きに決めたい模様。
医師会は軽症者多数処方路線(受診回数を増やして金にする)で食えなくなるのが嫌なので保険収載薬の一般薬化に反対してるのが目に見えてますが、もと保険収載薬だった一般薬を医院で売れるようにすれば一気に賛成に回ると思う。
薬事法がという話もありますけど、保険収載薬だったというところで、特例にする。混合診療問題は、選定療養にすればいい、そのための選定療養制度でしょ。
消費税課税業者になることを条件にそれを認めるのが手やろうと思ってます、私自身は嫌ですけどw
こんなに社会保障に金使ってるのにその分野の就業者の給料が安いと問題になるのはわかるけど、そもそも「原材料やそれにつながる産品を生み出す」か「外から金を持ってくる」かじゃないと、日本のお金は増えません。
高齢者に懸命に介護医療しても日本としてのお金は増えないわけね。医療で金を生むなら、医療技術や製品を外国人に売るしかないです。
かなりきついと思いますが。
by 稲亀石 [医療] [社会] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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