学術会議?2020/10/03 11:27

学術会議の会員任命を数人菅(すが)内閣が見送って、論議を呼んでる。

防衛研究の予算措置に反対するなど、反政府的な言動でお灸すえられたのかという受け取り方もあるが、じゃあ平田オリザがするーされたんはなんでやねん、という声もある。

このへん、以下の文春のネットコラムが、まあ読みやすいかな、という感じ。

菅義偉さん、日本学術会議に介入して面白がられる一部始終
山本 一郎

この方の文章はときどき何それと思うが、これについては、わりと距離置いて書いてられるように思う。

学術会議の今までのへんな意見表明はともかく、手続きやシステムとしては、天皇が内閣総理大臣任命しないっていってるようなもんではないの?
首相による任命は、学術会議に国からの正統性を与えて保護する、ためにあるんであって任命権というものとはちょっと違う、と私個人は思うんですけどねえ。
けっこうな年金ももらえる、互選の狭いお仲間集団なのが、代表ぶって図に乗って政治的なことをいうのがいけないというなら、わからなくもない。

おなじメンツをもっぺん推薦して、やはり通さないなら司法に提訴、するだけの根性はあるのか、とは思います。
それが良策かどうかはともかくとします。内閣法制局は、任命しないのも「あり」という解釈を数年前からとってるようで、裁判の挙句、学術会議側の正当性が否定されたんじゃ目も当てられない。

ところで、医師の団体で言うと、医師会はべつに内閣総理大臣が任命するわけじゃないが、学術会議みたいにとがった挙動はない。
ひとつには、そういう感じの団体として共産党系(としかいいようがない)の「保険医協会-保団連」というラインがあって、そっちもけっこうな入会率があるので、用が足りてるということかもしれない。

学術会議についても、そのうち推薦を外部機関にさせるんじゃないかという見通しする人がいる。つか、最低限、もとの「学会推薦」に戻すかもしれませんね。
なによりも、医者と違うのは、研究者の団体が複数ないことです。

分割統治は統治の基本という。
学者の「中」でも、学術会議に反感もってる人らがいるみたいだし、いろいろと踏みつけられてきた非主流派の研究者のザマミロ発言もあちこちで見るし、御用会議立ち上げた方が早くないかな。
と思ってたら、それも上記コラムに、ほとんど冗談レベルで書いてあった。
そこまでするのも面倒なんで、ということでもありましょうか。

医者は医師免があるけど、研究者の定義なんて曖昧だもんなあ。
つまり母集団がはっきりしない以上、研究者のたとえば選挙で研究者の代表を決めるなんて無理なんですね。
実績から考えて、日本の研究と研究者のためによさげな提言しそうな人を、業績の高いもん同士がはなしあって集めたんだから、国が保護しろ、というのはわかる。
国のためになる(べつにきな臭い話でなくても)提言ちゃんとしてると思われてないのが問題なんでしょう。「国益」無視して、自分らの好きなようにしたいなら、なんぼ「世界のため」といっても、利益誘導とかわりない。国益の定義も厄介ですが、、、、

そう思えば、菅(すが)内閣は、既得権益に手を突っ込み始めたと、いえなくもない。

日弁連というのがありますが、これには手を突っ込む気はないんだろうかとちょっと関心があります。
しかしまあ、これも年金や公的保険みたいに公費をもっていくもんじゃないから、とがった主張するほど世の中から乖離していく印象のある現状では、好きに言わせとけと思っているのかもしれない。
裁判官の団体じゃないですしね。

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