医学部地域枠2019/08/07 00:06

医学部地域枠というのがある。

卒後9年だか、勤務先を指定されるわけです。もちろん行先はいわゆる僻地

大学医局が医者の配置をきめていたときは、僻地勤務は、そのあとの見返りがあって成り立つもので、その基本は教授との「信頼w」だったわけですね。

その手の機能を厚労省が新研修制度で大学からひっぺがして自分のものにしようとしたら、医者は医者のいうことしかきかないのでどうにもならず、大学医局を専門医制度で飼いならしながら僻地枠だの地域医療構想だのでなんとかしようとしている昨今。

行先がどうであれ卒後それを強制されるのは「お礼奉公」であって、看護学校なんかでその話が昔出たときはなんてひどいという感じだったんですよねえ。

医者に対してはそれが許される、特権階級だからとかいう変な人が偶に湧く。
収入が多いというイメージからいってるのかもしれません。あのねえ、医者にあるのは特権じゃない、資格です。収入は資格に付与して与えられているが、これも国の胸先三寸ですよ。
特権階級というのは、不労所得のある上流階級を言うのです。士業は資格を基本にしていて、どこまでいっても中の上どまりですが、そんなことはどうでもいい。

お礼奉公というと、いきたくもないところに啼きながら曳かれていく牛みたいなイメージになる。
いまどきの地域枠の医師の行先はそんなに悪くない、交通網も整備され、ネットも通販もどこまでもつながっていて、本来合格しないのにそれで合格したなら何がいけないという人もいるようです。
離島じゃなきゃそうだろうね。

入試成績のよいものが、それで合格できなくなるってのもどうだかですが。

それよりもなによりも、、卒後の就職先が9年間保証されている、という受け止め方になる時代が来たらこわいと、最近私は本気で思いつつあります。
逆にいえば、どんなにやる気がなかろうが手を抜こうが、やめさせられないわけで。
現場からはブーイング出るかもしれませんがシステムの上の方のひとは人数が満たされればそれでいいものね。

厚労省は医者をどうしても自分らでコントロールしたいらしいが、医療みたいな、まともなモチベーションがないと質の維持のできないものを、くだらない理由付けで制限して長期間縛り付ければ、そのうちひどいことになるだろう。
そして役人は責任はまったくとらない。教育研究で文科省がやらかしたのをちょっとは学習したらいいと思うのですが。
ああ、責任取らなくていいというのをつねに学習してるものな、役人は。