ハヅキルーペ雑感 ― 2018/12/22 11:01
CMなんかで話題の例の「ルーペ」であります。
いろんな人が話題にするので眼鏡屋でみせてもらいましたが、光学的には、単なる凸レンズです。眼鏡のうえからつけられる、老眼用近見アタッチメントと、おなじもの。
が、「近見」ではなく「拡大」を謳っているのがうまい。
屈折異常や調節力低下に関する治療用具ではなく、あくまでも「虫眼鏡を眼鏡側につけました」ということで、処方箋がいらない。
視界の広い軽量老眼鏡相当を、拡大を前面に押し出して処方箋不在で売り出すというのは、びみょーなはまりどころがうまくいった、という感じですね。
本来の矯正は眼鏡の上からかける前提でクリアしてるし。医療用機器の販売ではないからその手の法律にしばられない。
その眼鏡屋のほうは、これのおかげで老眼鏡が売れないと、かなり嫌がってましたが。
「実態は老眼鏡を、拡大するという名目で違うもののように売っていいのか」
「そんなに独自性の高いものなのか」
という疑問が出るものなのですが、ハヅキルーペ、このへんに関係して、実は以前に日本直販と訴訟している。日本直販が「両手使える眼鏡式ルーペ」といってだしたものに「真似すんな」と抗議したわけです。
そのころのこの製品はもっともったりしていたようで、判決としては、
「ルーペと称するのは可」
「しかし、そんな創作性の強い製品ではない」
ということで、却下された模様。
いまの、軽量で見やすく使いやすい、意匠性の高い製品であれば、周知性もあがったことだし、パクリがでても、勝てるんじゃないかとは、知人弁理士の弁でありました。
剛性が低いのはダメージ受けにくいということなんでしょうけど、言っちゃいかんのかもしれんが、見た感じちゃちいわりに、高価い。それでも売れるのは意匠と売り方の勝利。
これ一点に賭けた大宣伝は、安いもんをいろいろちまちま売る会社にはできない。似たようなもの作って他社と値段競争するよりよほど正しい戦略です、それができれば、ですが。
ちなみに数人これを使う知人がいます。軽い、便利、見やすくて使いやすいといってましたがみな男性。これについて女性と話したときは、「色やカッコが派手過ぎて嫌」といってたが、彼女だけの意見かは不明。
まーあきらかに男向けの売り方ですからねえCM.。
by 稲亀石 [医療] [社会] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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