診断書をほしがる職場2018/09/15 16:19

水晶体再建してすぐに免許更新にいって2種免許問題なく更新したタク運転手さん、その後会社から、タクシー業務に問題ないという診断書をもらってこいといわれたそうな。

2種がとれたんだからそんなもん要らんだろうに、なにをどう勘違いしてケツをこっちにもってくるのかと、こういうときは思います。
書けるのは、視力がどんだけ、だけで、当院には深度視力計はないから2種についてはコメントできない、というか、医者の診断書がどうであっても、免許試験場で視力が出なければ免許は更新できません

もっと単純に、炎症は大丈夫かとか安静はいらんかとかそういうことなんだろうか。こっちの感覚では白内障の術後の創そのものについては、指切って縫ったようなもんだから、怪我に包帯まいてできる仕事ならできますと言っています

これに限らず、これこれこの業務していいという言質を診断書の形でほしがる職場があるのですが、こっちが診断書に書けるのは病名や所見や検査結果で、業務ができるかはそこからそっちで判断することです。
すくなくとも眼科の分野について、私はそうしています。

病院で、ほとんど視力の出ない青年が、母親に付き添われて通ってきていた。
無水晶体、ぶどう膜炎で眼底はぼろぼろ、眼圧上がるので点眼がいるし、両眼手動弁状態なのですが、前はもうちょっとは見えたらしく、なんかの職場で休職状態であった。
で、職場のほうが、視力はどうなのか仕事はできるのか診断書を書いてもらえといってきたらしい。
見えないなら見えないでできる仕事はあるだろう、と、私は思ったので、上記同様、視力はこれこれ、この視力の許す限りにおいて就労は可能と考える、と書きました。

この青年は、けっきょく、私が診るようになって数年で、ある朝亡くなってたそうです。その数日前にも受診していて、ご母堂から、亡くなった、とハガキをいただいた。

で、あの診断書に、回復の可能性があると書かれていたおかげで、職場を辞めずに休職状態にしてもらった、と書いてあった。
そんなふうには診断書は出さなかったんですよ、嘘は書けません
わかってくれてなかったのか、わざとそう解釈したのかは不明。温情ある会社、というんだろうか、できる範囲の仕事させてやれよとは思ったが、バリアフリーにするほうが面倒だったのかもしれません。

診ていた方がなくなって、葉書でお知らせをいただくことが何度かあった。
そのあとこちらから何を言うこともなくそれで終わりにしていたのです。たかだか目医者ですからね。
内科主治医として、亡くなったら必ずお悔やみに行く開業医先生もおられる。これは、頭が下がります。