京大の軍事研究基本方針2018/03/29 12:32

軍事は社会での重要な一分野であって、それに関連しえないものごとは、実際問題、ない
拡大解釈したらもうなにもできなくなってしまうようなわけのわからない指針は、どういう経緯で制定されたもんだか。
予算のとり方がおおもとにたぶんあるんだろうと思いますけど、たとえば委託研究費(いまどきそういう名称かは知らない)をだす企業がいわゆる軍事分野にも手を出してたらそれでもうアウトになってしまうような前提は、そのうち魔女狩りを生まんか?

過小に評価するにしても、一種の「選択と集中」の陰画です。それで研究が興隆したためしはない。

コンピュータにしても通信システムにしても素材工学にしても軍事がもとで発達した分野は限りない。軍事予算であっても、平和利用が基本もしくは大いに可能な技術であればむしろ推進するべきでしょう。

「結果的に戦場での殺傷に直接関与するすることがあきらかになった時点で、その研究に関して本学の施設の使用を禁止する」
程度だったらわかるんですが。

よく読むと「それを脅かすことに繋がる」という文言があり、じゃあそれらに繋がらなければいいのかという話になるが、こんなもん原理主義者にかかったら「繋がらない軍事研究なんてない」て突破されるだろう。あえて「軍事研究」を定義しないから大丈夫なんてお利口なやり口は、姑息といったらいいのかどうなのか。
個別案件は学長云々が逃げになってるんかもしれんが、例外で認めるんじゃなく、研究なんでもありが前提やないと、自由も何もありませんで

学内で何か突き上げがあって、それに対するぎりぎりの逃げがこうだったのかもしれないし、積極的にこうやって、猿山を守ろうとする人がいるのかもしれない。あとで突っ込まれないように、申請書の書き方を考えろ、程度のことなのかもしれませんがね。
なににしても、どうなんやろ、いい大学と思ったが。

重要なので全文以下に引用。以上、この指針文面のみからコメントしてます。

「京都大学における軍事研究に関する基本方針」
本学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、研究の自由と自主を基礎に高い倫理性を備えた研究活動により、世界に卓越した知の創造を行うことを基本理念に掲げています。
本学において研究に従事する全ての者は、この基本理念のもと、主体的判断により行う研究活動とその成果が将来に亘り地球社会に与え得る影響を自覚しながら、高次の専門的能力と総合的視野をもって社会からの信頼と負託に応えてゆくことが求められます。
このことから、本学における研究活動は、社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献することを目的とするものであり、それらを脅かすことに繋がる軍事研究は、これを行わないこととします。
なお、個別の事案について判断が必要な場合は、総長が設置する常置の委員会において審議することとします。
国立大学法人京都大学