大病院部長たちの悩み ― 2018/01/20 14:00
大病院眼科の部長ども(女医含むw)が、女医が増えた、とぼやいていた。
もとより医学部の女性進学率はあがっている。
内科専門医の要求水準が高くて専門医取得に時間かかり過ぎそうなので、また最近眼科などマイナーに回帰する流れもあるらしい。
そこそこできるようになった30前後というのは、下っ端として使いたいころあいですが、女性の個人史としては、結婚して子づくりをしておきたい時期でもある。初産年齢35超えると染色体異常が増えるのはふつうに習いますからな。
で、何人も女医がいて、順繰りや同時に妊娠して産休とるということでぼやくのである。
お互い支えあいなのに、子供がどうなのでなど、権利ばかり主張していきなり当然のように休む、という。
休まれて、腹を立てながらも、仕方なく穴埋めをするんですと。
そんなもん、休まれても組織が回るようにせんとはじめからしとかんとあかんやろ、というと、いうのは簡単ですけどねえ、とのたまう。
いつまで人数いるだけフルに仕事詰め込む気かと、ちょっとあきれた。
いつ一人休んでも、のこりのものがわけあってちょっと頑張るくらいで回るように設計するのが、インフラである病院で専門科を管理するものの仕事ではないの、私はいつもそう思ってやってたよ。
当直なんかがまわってくるにしても、それがしんどくてまわせないならそれは当直できる病院ではないということ。無理せず院長にねじこんだらどうなのか、そうできる立場でしょうに管理部長というのは。
みんな我慢してるというなら、なんでみんなで我慢しないといけない?
勘違いされたら困るが、私自身は、管理部長当時、月2回程度の外科当直は嫌いじゃなかった。勉強にもなるし、よその科に対しても胸が張れるからやってた。そういうことだから、君らもやってくれと、部下たちに言ってた。
ただし、科としてうけるのが無理と思ったらいつでも返上したろう。
実際、それまであった眼科自宅待機はもうなしにして、電話相談のみにしたからね。
遅くまで手術して、だらだらカンファやって、遅帰り競争するような病院。部長本人に勉強にはなるかもしれんが、それ以上に、こんなによく働く組織でどんどん業績だす俺、に酔いたいのかと思う。
女医が増えてみな産休とるというなら、それでも回るように体制かえるええ機会やろ部下を守れるのは部長だけやでといっても渋い顔、であった。
雇われ医者の君らは、末端のトップであってトップの末端ではないのだよ。
手術や外来の人数を調整して、無理のない運営計画を立てて、長持ちする組織をつくることこそが、社会への貢献と思うのですけどねえ。
by 稲亀石 [社会] [勤務医事情] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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