セカンドオピニオンとは2014/12/02 00:38

どうも勘違いしてる人がいるようなので。

セカンドオピニオンというものです。

これは、本来、ある医療機関で診察されて診断受けて、それについて、診療データをもらった上で、別の医療機関で、そのデータの評価が正しいか意見を聞く、というものです。その別の医療機関での診療行為は一切なし、ですから保険医療にはなりません。
うちの病院では、要予約、一件30分5Kでやってると思います。これって、医者をその時間占有するコストとしては結構安いというのは知っておいたほうがいい。

この制度の当初、自分で診察しないと意見なんていえない、といってた先生もおられた。
これがふつうの医者の感覚で、気分はわかる。
あくまでも、診察はいらない保険でなくていいという人のためのもんです。
診察を受ける根拠があって診察検査ありなら当然保険医療になります。

ところで、開業知人にこういうことがあった。

かなり黒っぽいHFA静的視野を振り回す30歳くらいの、目つきのちょっとずれた人がきたそうだ。
他院での視野の検査結果についてききたい、それについてききたいだけだからここでは検査は一切してほしくないという。視力検査も、スリットも眼底もです
顔とそのデータだけみて話せということですね。

彼は、これはセカンドオピニオン相当やなと、当然思いますな。で、言ったそうな。

まったく当院での診察検査なしで、初診で、もってきたデータのみについて話するなら、これは保険診療になりません。ちょっと高くなりますがいいですか。
しかもそれは、視野だけ持ってきて病名すらわからないなら、もってきたデータについて、あーでもないこーでもないというだけで、どこまで実際の役に立つかわかりませんよ。
ある程度の検査までするなら、保険でできるし、きっちり話もできると思いますが、と。

やってきた人は、せめて視野見てどの程度というだけでもできないのか、とか、検査結果をどこかで見てもらえと渡されたのできたんだとか、いろいろいわれたんですと。
気持ちはわかるが、ちょっと医者を便利遣いできると勘違いしすぎ
目の愛護デーにやってる無料相談室じゃないんだから。

その上である。他院で取った検査の評価は、検査内容が豊富でまともならそれでもいいだろう。
しかし、視野だけというような、出所不明の非常に限られたデータを持ち歩いて、お安く見立てをしてくれといったって、そもそも本当に本人のデータなのかすらわからない。
そんな危ない話にはまともな医者は乗らないよ。

繰り返します、日本の公的医療保険では、診療なしデータのみ見るという形では初診患者を保険医療対象にはできません

その人は、結局、そのまま帰っていったそうだ。自費の値段も訊かなかったらしい。
本気で、初診料3割負担0.8Kなにがしのみでやろうとしてたのか。話聞くだけなら無料と思ったのかもしれない。
計算すると、初診料に、視力検査、眼圧、スリット、それに無散瞳でちらっと眼底見て、そのうえでもってきたハンフリー眺めるだけなら、3割負担でも3Kかからないのですが。

治療について一二を争うところで保険がどうのといってられないし、幸い日本ではまだある程度その感覚が通じますが、それはほんとに緊急での話です。
今回はあきらかに本人がなにか医療制度について勘違いしてるとしか思えない。

あとでネットで不評ばら撒かれるんかも知れんな、でも、保険医療の筋は通さざるをえないし、実感として、地雷踏むよりましやろなあと、言っておりました。

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