EKC 流行性角結膜炎の生徒2014/10/25 16:38

えらそうな話が続いてしまった。田舎目医者として身の程を知った話に戻します。

知人から聞いたのですが、こういうことがあったそうな。フェイクあります。

高校生が目を真っ赤にして受診、念のためウイルスチェックしたらきっちり陽性で、アデノウイルスによる結膜炎だから学校にはいくなと申し渡すと、成績が悪く単位もないのでいかないと退学になるという。
そういう問題ではなく、これはもう法律で決まった伝染病対策なんだからそもそも行ってはいけない、これに関する欠席は公休になる、といって帰したら、次の日ご母堂と一緒にやってきた。
学校指定の診断書をもってきたはいいが、4日後までになおして試験を受けろと担任にいわれた、保健教諭はなにもいわない、という。
なんつーアホの担任やろうと思った彼は、その診断書に、欠席予定を発症後2週間いっぱいとってかつその下に、予定も不確定で登校前に確認を要すと明記、さらに、下の方に、欠席は公衆衛生上の理由で学校保健のためである、欠席により学業上の不利益をこうむることがないよう担当教員保健教員校長にお願いします、と書き添えたんですと。

学校にそんなにEKCをはやらせたいのか、はたまたきっちり隔離感染防御してこの高校生にだけ授業や試験が出来るのか。
それにくらべたら出席停止して、登校できるようになったらこの子にだけ追加でなにかするほうがはるかにコストはすくないのだが、わかってんのかねえ。
彼のぼやくこと。

ちなみにその数日後今度はこの高校生の弟中学生が目を真っ赤にしてやってきたという。
ウイルスチェックする気にもならず、学校は休めと言い渡すと、数日後にクラブの大会があって出るのだそうだ。うじゃうじゃ厨房のいる更衣室なんてどうかんがえても高濃度の伝染現場にしかならないのでそれも駄目というと、非常に怒りに満ちた赤い目で睨む。ご母堂に、そういう状態でみんなのいるところにいったらアカンといわれたと、とにかく顧問にいえ、といって帰したそうな。
ご母堂がなかなかまともで、怒り狂う息子をねじふせて休ませたそうです。これはむしろ上出来。

高校生君の方は、診断書よりはやめに症状おさまったが、担任のほうが、今度は、はやめに学校にくるならあらためて一筆入れろといったそうで、何に書くか面倒だったそうだ。学校の書類に追加で書くならともかく、医者の方で発行するなら、たとえペラ紙の走り書きでも書類代は当然とるべきもんですからね。

きけば、市内複数箇所ですでに EKC の火の手があがってはいたとのこと、この人たちのせいではじまったというわけではないのだろうが、あちこちに感染症を理解してない人たちがいれば、そらもう、どうしようもなくなりそうですな。
感染した人より、むしろ周りの無理解で、拡がるのでしょう。

コメント

_ (未記入) ― 2014/10/26 10:12

始めまして 町医者を長くやっている同業の者ですがEKCの取り扱いにはいつも困っております なお アデノチェックは赤目にはバンバンやっております
陽性者には幼稚園 小学校は徹底的に休ませますが 高校生は手洗い徹底(医院内で手洗いを実際にさせて教えます) 目を触らない等の指導で大きな拡散は殆ど無いですので 学校保健法には反しますが敢えて休ませません 仰る通り家庭内の感染は高確率でおきますが、、、
EKCで怖いのは検査及び 臨床的に診断をキチンとせずに
野放しにする事で目を触りまくりの感染拡大が一番怖いのでは
無いでしょうか?当院で感染患者が沢山来られても 目を触らないの予防だけで職員が貰う事はありません
先生は病院の責任者もされておられ 院内感染おこしたときの病棟閉鎖のバッシングの恐さを痛感されていらっしゃるので
まさしく正論を述べられていると思います
生意気にも自院での経験を書いてすいません
追伸 錦市場 のと与の特上!鰻御膳 カリッ アッサリ
甘辛さ丁度かと思います

_ (未記入) ― 2014/10/26 13:40

のと与行かれてましたね
失礼しました

_ 稲亀石 ― 2014/10/26 22:16

同業先生お疲れ様です。  私の場合も、程度とか状況とか言ってるときりがないので、相手が保育園児だろうが社会人だろうが同じことをいってます。  社会人の場合、職場の上司に必ず相談するように、相談しておけばあとはその上司の責任にできるから、というと、みなさん納得されるようです。  総合病院にEKC紹介しておいでになる他科の先生は申し訳ないですが困りものです。  あと、のと与はよろしいですね(笑

_ 稲亀石 ― 2014/10/26 22:20

なお、私の経験では、EKCの高校生に心当たりを聞いたら、柔道の試合で伝染されたに違いない、相手がとても赤い目をしていて、その顔を柔道着にこすり付けられた、と主張する子がおりました。ほんまかいな、、、、

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