心配にも程2014/07/25 20:38

日本はいい国で、殴られた怪我でも、公的保険で治療できる。本来殴った奴が支払うべき内容のものだが、「第3者行為による」と注記をつけてレセプトを通すそうな。通るんかい。
自殺未遂の切り傷だって、なんとなく、保険で治療されていることが多いだろう。

眼科で、これはもう患者の自業自得で、いちいち医者にあれこれいうのは勘弁してほしい、というのは、コンタクト関係と、エクステやアイプチによる炎症でしょうね。
もっぱら開業医の領分になる。

知人から聞いた話。

1か月前に睫毛エクステをつけたが、最近外れて目に入るのか、しょっちゅう目がコロコロして赤くなるという。今は自覚症状はないが大丈夫かと、若い女性。
いま症状がないならやることはないが、そんなに赤くなるならエクステとったほうがいいでしょうねえ、と、まあ当たり前のことを言ったら、エクステはとる気はないが、何度も炎症になったらいけないかと心配で来たと。
心配なら原因を除くしかないですよと、これはもうかみ合っていないのだが医者としてはいうしかないですが、女性は、なんでそんなことをいわれなければいけないのかという感じで、子供のころ診てもらった先生が(先代のことね)いなくて残念です、とまでいいだした。
そりゃ申し訳ないですねと、まあ軽い炎症症状はないではないので、ごく軽い抗炎症剤を出して帰ってもらったそうな。
やりたいようにやりたいが心配はケアしろ、と、いったいどこの王様なのかとぼやいておりました。

あと、自業自得ではないが、不定愁訴の対応もつらいもの。

そこは、ちょっと遅くまでやってるのであるが、おわりしに高校生女子連れた神経質そうなママがやってきたそうな。
ごくたまに女子の目がかすむという、受験生なので心配、ほかの医院でみてもらってなにもなく、ドライアイじゃないかと人工涙液をもらった。それがなくなったのだが、時間が遅くてそこがもう受付終了後なのでネットで調べてきた、人工涙液を出せという。
本人に、人工涙液で症状はよくなっているのか訊くと「わからない」。
そのレベルでつかってる点眼なら、調剤薬局においてる人工涙液で十分ですよと、むしろその方が楽になるからいいだろうと思って言ったらすごい剣幕で「出してくれないのか?」といいだした。
けっきょく診察の上、ドライアイの所見もなく、軽い内反睫毛で角膜びらんがあり、軽度のアレルギー所見もあるのでそのように点眼出したうえ、人工涙液については調剤薬局で買えるよう名前書いて渡したそうな。
そんなもん1日切れたってなにがおこるわけもなし、前の先生も「仕方ないからとりあえず」出してただけでしょう。心配なら大学紹介しましょうかと言いたくなったそうです。

どっちも、「もう来ないだろうなあ」とゆうとりました。
さすがに最近の中規模以上の病院は初診バリアができているので、こういう方々はめったにおいでになりません。

安心というのはまずは本人の気の持ちようで、医者はそれを喜んでサポートはするが、自分の思い通りにしてその上で安心も欲しいというのは、すくなくともインフラ医療においては無理です。
また、医者は自分の所見しか基本的には信用しないので、他院が閉まってるので別院にかかった場合は、自動的に同じ治療方針になるとは思わないでほしい。

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