眼科器械雑感 手術顕微鏡 OCT Retcam2011/06/22 14:12

先日から、デモで借りたり触ってみたりみたりした、眼科の器械類について思うこと。


手術顕微鏡  現在 Zeiss Visu200 使用中

Zeiss Lumera700
ちょっと暗いが直進性のいいファイバー光源、照射角は 0°と 6°。
徹照は当然すごくいい、よすぎて後嚢も硝子体もなんかみづらい。照明バランス変えてもらって見たが、絞りでなんとかなるものでもないようだ。そもそも影のない照明では遠近感がでない。違和感はそこか。
フットスイッチにハンドスイッチも設定にこりすぎ。デフォルトでビルトインのCCD、HDはきれいなんでしょうが SD の吐く絵がしょぼい。当面は SD のほうが便利だろうから Ikegami でいいとおもう。
Leica M844 F40。
近接のハロゲン光源、明るいが散乱もする。照射角は 2°。 Zeiss Visu200 に似た感じなのはこのせいだろう。
後嚢はきれいに見える。いままでは気にならなかった後嚢に残ったわずかな皮質も折りたたみレンズの歪も、かなりしつこく見えるのは、いいんだか悪いんだか。光のにじみは光量ですっとばしてる感じ。
別光学系同軸の助手鏡が術者鏡と等倍で連動していて自分でズーム比かえられないのは不便。ビデオのスプリッタも、術者に入れたら暗い。さりとて、助手に入れたら厳密には同一画面にならないし、、、これは、インバータ使うときに違いが出る。対物グラスが跳ね返りの水滴で汚れるとてきめんに見づらくなるのは、 Visu200 より強いと思う。きれいにしときゃいいんだが。
なんか、どっちもどっちのような。
Zeiss のほうが「画」としては「品」(笑 がいい感じはするけど、白内障サージャンなら Leica で十分つか、研修医にさせるならそのほうが安全のような。ただ、大光量は眼にはどうなんだろうね。


硝子体手術ワイドビューシステム

Lumera700 と同時に Resight を、Leica M844と同時に Biom を使ってみた。
Resight は楽です。しっくりくる設定範囲はやや狭いかな。Biom はごつくて、ピントのトルクもかかってぎくしゃくするのですが、見えるのはよく見える。見えすぎてきりがないよ。
ともかく、そんなに細かい作業のない硝子体手術はワイドビューと内視鏡で十分やね。ランダースプリズムはセットが面倒だしこれらを使うともう使う気になれない。カッターを深く差し込むと、プリズムが手に当たるんですよw


OCTについて

OCT Cirrus 400(4000じゃないのがこの話の味噌)を来年にはトラッキングができるようバージョンアップするというシンガポールからの噂がある。速度もそのうち Nidek 並みに早くなると。
Nidek RS-3000 が想定外に良く売れて、ツアイスとしては対応機種のつもりの Cirrus 400 で、本気で戦う気になったらしい。
Cirrus400 の主要顧客層の開業医は喜ぶだろうが、 Cirrus 4000 のほうのターゲット病院眼科からは大ブーイングやろうなあ。 Cirrus 400 発売当初は、バージョンアップなんていたしませんという高飛車商売だったのにね。
ただ、これこのまま話進むかな。既得権確保の好きな日本市場だから、けっきょくは Cirrus 4000 を先にします、にならないか?日本の開業医がそこまで意欲的にトラッキングでフォローしたがってるか若干疑問でもあるし。
(後日追加) やはり 4000 にトラッキングつけて 400 にはつけないという話もやってきた。そらそうやろうけど、顧客層は広がらん罠。ま、うちにはもう OCT はあるので関係ないといえばありません。


接触型の眼底カメラ Retcam

不慣れなものが新生児とか診にいくことが多く、死にそうに泣かせた挙句眼底見えませんでしたというよりは、これで写真とってしまったほうがみな幸せと思う。とはいえ慣れなきゃもっと泣くかもねw
諸外国の新生児眼科じゃ標準装備。プローブ先端の光学系が200万円なのがちょっと怖い。某大では研修医が2回落としたとか、それも同じ人がやったらしいとかいろんな話を聞きます。FAのない、単純にカラー撮影するタイプでも 1200万円、こんなものこそ Nidek 作れないのか。


ワイドビュー SLO というべき Optos

前にも学会のときに書きました。繰り返しになるが。
中央産業扱いのスコットランドの新製品、画期的なのはわかるけど、どこにいっても眼底カメラのある、医療費は保険点数基本の日本で、Optos いれたところであらたな検査点数がとれるわけじゃないのに、わざわざFAつけて無理矢理高くした値段じゃ、誰が買うのかと思うのですがどうか。
うつる範囲はひろいし綺麗だけどRG2原色の擬似カラー(少年ジャンプのカラーページのあれ)だしね。FAなし、500万円くらいで検診用に売りまくるのが本来の売り方じゃないですかね。いまのOptosが導入されたって、その眼科施設から眼底カメラがいらなくなることはないだろう。
FA(つまりUVだからBに近い)もつけたんだから擬似3原色に出来ると思うがそれでそこそこちゃんとした色にすれば、さらにはIAまでSLOでちゃんとうつれば、眼底カメラもHRA2 も不要になるのだから3000万でも安いと思うが、そんな結構な話はあるとは思えず。

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